日刊スポーツ・健康連載・病院の選び方・第12回

【胆のう・胆管がん】
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複雑臓器 外科医の腕次第

 胆のう・胆管がんの合理的診断法による切除術で、世界から高い評価が与えられている二村雄次名古屋大学病院第1外科教授は「胆のう・胆管は複雑臓器の見本です」と、筆者に専門医としての心境を語ってくれたことがある。それほど、胆のう・胆管がんは難しい病気のひとつなのだ。わが国では年間約1万人が死亡している。

 特徴的なのは、60代に発生が集中し、それも男性1に対して女性3の割合で女性の方がかかる率が高いことである。

 なぜ、年間1万人もの死亡がもたらされるのか? その理由は、病院・外科医(外科医を中心としたチーム)の腕に大きな格差があることと、がんであることの本人告知もせず、がん専門病院へ未紹介のまま患者を抱え込む病院が多いためである。

 胆のう・胆管がんの治療ほど、外科医の腕に左右されるものはない。治療経験が豊富で、正確な診断に基づいた治療を冷静に組み立て、しかも柔和な人間性を持つ外科専門医が確かだといわれている。これは複雑臓器外科医の適・不適格審査を行っている米国医師教育専門医による見方である。米国やカナダ、EUでは専門医資格審査が厳しく、医療機関、専門医間の技術差をなくすために標準医療づくりが盛んだ。

 わが国では、同じ医療機関でありながら、肝門部胆管がん切除術(肝葉切除術)を採用した症例で国立がんセンター中央病院の成績はステージWの45例で1年・2年・3年生存率がそれぞれ77・5%、45・3%、31・5%であるのに対し、1年・2年・3年生存率が著しく低く、生存率を公表できない病院が少なくない。また、ひどい病院になると(がん告知をしていない病院に多い)、がん専門医療へ紹介・転院の手続きを取ろうとせずに患者を抱え込んで、消極的治療に終始して患者の死をただただ待つといったところがあるのだ。患者にとっての「医療地獄ゾーン」であることを知らなければならない。

【医療ジャーナリスト 丹羽幸一】




●●●●●病気別に25の名病院リスト掲載●●●●●

【胆のう・胆管がん】
病院名診療科名所在地ワンポイント評価
北海道大学病院第2外科札幌市血管外科の手技を応用した根治的切除術
札幌医科大学病院第1外科札幌市拡大胆のう摘出術と放射線・化学療法
旭川医科大学病院放射線科旭川市進行胆のう・胆管がんに対する放射線照射法と動注療法
岩手医科大学病院第1内科盛岡市総合画像診断と腹腔鏡下胆のう摘出術
東北大学病院第1外科仙台市切除術と3次元画像診断と胆管がんに対する化学療法
仙台オープン病院消化器内科仙台市超音波による胆管がん進展度診断と内視鏡下切除術
秋田赤十字病院内科、(消化器)外科秋田市進行症例に対する術中放射線照射併用による切除術
福島県立医科大学病院第2外科福島市胆のう・胆管がんの広範囲切除術と放射線・温熱療法
筑波大学病院外科つくば市術中放射線照射併用による根治的切除術と再建術
栃木県立がんセンター外科宇都宮市血管の同時切除と胆のう・胆管がんの広範囲切除術
群馬大学病院第1外科前橋市早期胆のう・胆管がんの精密検査診断と集学的治療法
埼玉県立がんセンター第2診療部埼玉・伊奈町進行症例に対する切除術と補助化学療法
千葉県がんセンター消化器外科千葉市拡大胆のう摘出術と放射線・化学療法
慶應義塾大学病院外科新宿区手術中の電子線照射やカテーテルによる治療と術式の新工夫
東京女子医科大学病院・消化器病センター外科新宿区積極的な外科的治療法と集学的治療法
東京医科歯科大学病院第2外科文京区血管を同時に切除する安全な根治的手術法
順天堂大学病院消化器外科文京区QOLと手術前後の化学療法および管理
癌研究会病院内科豊島区微小がんの早期発見と内視鏡下切除術
国立がんセンター中央病院外来部中央区肝門部胆管がんの肝葉切除術などの標準術式確立
帝京大学溝口病院外科川崎市胆のう・胆管ホリープおよび腹腔鏡下胆のう摘出術
横浜市立大学病院第2外科横浜市進行症例に対する根治的な外科的治療法
神奈川県立がんセンター内科第2科横浜市胆のう・胆管がんの悪性度診断と治療法の選択
信州大学病院第1外科松本市細胞・組織診断と拡大切除術
新潟大学病院第1病理教室、第1外科新潟市鑑別と確定診断および胆のう・胆管がん切除術
県西部浜松医療センター外科浜松市胆のうがん手術93歳の症例を持つ