第20話|不動産契約の実際HOME

決済日2

(作成日00.0322)

登記書
決済日に実印を忘れてきた。みんなの冷たい視線を浴びながら、頭のなかをぐるぐると考えが駆け巡る。自宅まで引き返して取りにいこうか。往復で1時間はかかるなあ。

前田さんが、司法書士の人に「どうしましょう」というと、書類をぱらぱらめくり始めた。ひと呼吸した後「実印が必要なところは、すでに印鑑が押してありますので、何か別の印鑑があればいいでしょう」とのありがたい言葉。それならと、会社まで三文判をとりに行った。

前田さんにうながされて、名前を書いたり、住所を書いたり、印鑑を押したりする。すでに1回エラーをしているので、思考能力が低下している。いわれるままに流れ作業のように記入していく。

多いとは聞いていたがこんなにも書類が必要なのかと改めて驚いた。ローンをしなければ、書類は半分ぐらいになるのだが、貧乏人はつらいところである。

書類上の手続きも終わり、銀行の窓口へ場所を移した。テツヤとチカの口座からそれぞれ有り金を引き出して売主さんの指定する口座へ振り込んだ。

お金の支払いは終わったが、不動産の登記済権利証書、いわゆる権利書がすぐ手元にはいるわけではない。登記は法務局へ行って行い、その後登記済証は発行されるので一週間ほど待つことになる。

その時は、鍵を手渡されて自分たちが持ち主になったことを実感するのである。それにしても、ふー、冷や汗かきました。

(第二章おわり)


写真は、後日司法書士事務所から渡された登記済権利証書

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