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テーブル物語1

椅子とテーブル

(作成日03.0817)


椅子は難しいという。構造、材料、造形的なデザイン、そして座り心地、多くの要素があり、様々な椅子が販売されている。

デザイナーたちも創作意欲をかきたてられるのだろう。名作といわれる椅子も多い。かくいうわが家も、日本で最も人気があるといわれるYチェアを使っている。Yチェアはデンマークのハンス・ウェグナーという人がデザインした椅子で、背もたれの板がYの字になっていることから、Yチェアといわれている。

私は、家にいるほとんどの時間をこの椅子の上で過ごしているが、とても座り心地がよく、快適そのものである。妻は、座面が深いので、同じくデンマークのデザイナー、カールモーエセン作のJ39のほうがいいという。

そんな椅子たちの対をなすものがテーブルといっていいだろう。しかし、テーブルはデザイン的に工夫というものがしにくいらしい。デザイナーたちも腕ぶす機会がないのだろうか、Yチェアのような名作といわれるテーブルというものを聞かない。

テーブルの構造は、極めてわかりやすい。天板があって足がある。他には何もない。中には引き出 しがあったり、天板の大きさが変えられるエクステンションテーブルがあったりするが、基本的には天板とそれを支える足である。

そんな簡単なテーブルだが、なかなかぴんとくるものがない。天板が立派な一枚板のものは、どうも重たく感じられて、ともすれば民芸調になってしまう。ガラス、金属のテーブルを使う気はしない。

結婚以来、ずっとテーブルを探してきた。いいテーブルを持つこと、いつしかそれはわが家の命題になった。

かつて、日本の家には、大黒柱という家をささえる象徴ともいうべき柱があった。木造家屋では、柱が構造材であるので、大黒柱がまさにその家をささえていた。しかし、マンションでは、柱がない。マンションは、壁で支えたり、部屋の回りを太い柱や梁で支えるので、家のなかに家を支える象徴のような柱はない。

そこで、つけ柱といって、みせかけの柱をつけるようになったが、それはあくまでもみせかけなので、本物の大黒柱というべきものではない。もとよりなぜ見せかけの柱をつけなくてはいけないかというと、日本人の心の中には、大黒柱の存在というものを求めているからではないだろうか。

そこで、私は、大黒柱にかわる存在としてテーブルがふさわしいと思うがどうだろう。

しっかりとしたガタガタしない広いテーブルを置く。できれば、あまり塗装を施していない無垢板がいい。そこで、食事をする。もちろん、食事だけでなくていい。本を読んだり、宿題をしたり、パソコンをしたり、アイロンかけしたり、ありとあらゆることをしてしまう。

音楽を聴くのはいいけれど、できればテレビは遠ざけたい。そこには多くの椅子を置き、照明も工夫を加えたい。 もちろん設置場所も肝心だ。家のなかで一番いい場所を選びたい。

鳥が羽を休める小枝のように、家族が自然に集まってくるようになったらしめたものだ。しっかりしたテーブルがしっかりした家族を作るといったら、多くを望みすぎか。

いす

Yチェア(左)とモーエセンJ39

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