◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2002/09/15】



◇第38回◇
首相公選制 (その1)

 小泉さんが首相就任時に掲げたものに首相公選制がある。
これまで我が国の首相には、与党々首が就任してきた。
党首の選び方は、各党により異なるが、国民とは関係のない党内で決まることは共通している。
特に与党第一党の場合の党首選びは、事実上の首相選びであるのに、派閥の論理など党内事情で決められてしまい、国会議員 (衆議院) の多数決とはいえ 民意を反映する仕組みにはなっていない。

 これまで我が国の歴代総理大臣の就任期間は、さまざまだが概して短い。
平成になってからの総理大臣は、現小泉首相まで10人の方々が就任している。
短命な内閣としては、羽田内閣の64日、宇野内閣の69日、最も長い内閣でも橋本内閣の932日 (2年と202日) で3年にも満たない。
現小泉総理を除く9人の首相在任期間の平均は 484日 (1年と119日) である。
 こんなに一国の責任者が短期間にくるくる変る国は、世界でもあまり例がない。
国際的に見ても、日本の常態化した短命内閣では、外国の信用を得ることはできないし、まともな外交はできない。
それでも なんとか行政に支障を来たすことなく、ここまで来れたのは、我が国の堅固な官僚機構のお陰だと言わざるをえない。

 総理の権能も、旧憲法 (明治憲法) に比べ、現憲法では強いものになっているはずなのに、実際には弱くなっている。
小泉首相の例でも 分かるように、首相が強力なリーダーシップを発揮しようとすればするほど、野党は勿論、与党も抵抗し、内閣は長続きしない。
 多数与党を擁し、あまり波風を立てず もっぱら“事なかれ主義”の内閣なら ある程度長続きするようだ。
しかし、これもある程度の期間であって、政権たらい回しで次期政権に とって変られる。
これでは まさに「何もしない内閣」になってしまい、不幸なのは国民だ。
この典型は 自、社、さ連立政権の村山内閣 (在任期間561日 H 6.6.30〜H 8.1.11) だろう。
 それでも国民は、強力なリーダーシップを総理に求めているようだが、野党のみならず 与党議員までもが総理大臣を締め付けているのだから、総理大臣がリーダーシップを発揮するのは、現状では無理な話だ。
 表現は悪いが、誰かがお山の大将になろうとすると、その人が どんなに優れた政治家であろうと、どんなに立派な政策をやろうとしても、与野党を問わず寄ってたかって これを引き摺り降ろそうとする、今の日本人には そんな習性があるのだろうか。
このことが 我が国の短命内閣の原因にもなっている。

 どんなに優れた総理大臣でも 1年や2年で はまともな仕事はできない、最低3〜4年は必要だろう。
いつまでつづくか分からない内閣では、仕事はできない、結局は官僚頼りにならざるを得ない。
現状では、今の官僚機構が壊れて本当に困るのは政治家だと思う。
これが、今 諸悪の根源と言われている官僚機構が これまで強い勢力を誇ってきた原因だ。
 いくら政治家が官僚支配の打破を叫んでみても、今の体制では到底不可能だ。
行政改革をいくら叫んでも、官僚の意に沿った改革はできても、国民の側に立った真の改革などできるはずがない。

 現体制を打破するためには、総理大臣の権限を強め、リーダーシップを十分発揮できるようにすべきであり、そのためには 首相公選制が良いと小泉さんは考えたのだろう。
 確かに国民の直接選挙で選ばれた首相は、国民から付託を一身に受けたことになり、強力なリーダーシップを発揮することが できるようになるだろう。
また首相の任期を例えば4年というようにすれば、今までのような短命内閣はなくなり、自らの理念に基づく政策を計画的に実現できるし、国の国際的な信用も高まるだろう。思いきった改革もできるようになるだろう。
 この意味で 小泉さんが唱える首相公選制の考え方には、傾聴に値するものがあると思う。

 首相公選制については、小泉さんの私的諮問機関「首相公選制を考える懇談会」で検討され、去る8月7日最終報告書が提出されたが、首相公選制の是非については触れられていない。
 最近では、首相公選制問題については、国民の間でも関心が薄くなり、各政党とも消極的乃至反対のようだ。
特に、政権に程遠い少数政党は、首相の権限強化、強いリーダーシップの発揮自体に反対のようだ。
また小泉さん自身も、以前に比べるとト−ンダウンしているように見受けられる。
それは何故なのだろうか。(つづく) (2002.09.15)

 次回は〔第39回〕「首相公選制 (その2)」(2002.10.01)

 【出来事】
  • 9月1日 長野県知事選挙 田中康夫氏再選
  • 9月4日 能登半島(石川県)沖約400キロの日本海公海上で北朝鮮不審船発見
  • 9月8日 大相撲秋場所初日(両国国技館)
  • 9月9日 小泉首相訪米(米同時多発テロ1周年追悼行事 国連総会出席 ブッシュ大統領との首脳会談等のため−14日帰国)
  • 9月10日 大型ロケットH2A 3号機打ち上げ成功(宇宙開発事業団)
  • 9月10日 スイス国連加盟
  • 9月11日 奄美大島沖の東支シナ海に沈没の北朝鮮不審船 引揚げ収容