◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2002/11/15】



◇第42回◇
不祥事と責任 (その1)

 最近、官民を問わず不祥事が多い。
 国会議員では、鈴木宗男氏が逮捕されたし、相次ぐ公設秘書をめぐる不祥事が発生している。また官僚では 昨年の外務省職員の横領事件をはじめ、公務員の業務にからんだ事件も多い。
民間部門では、牛肉偽装事件を起こした雪印食品や日本ハムの不祥事件、三井物産の国後島に於ける不正入札事件、同社々員のODAにからんだ外国高官への贈賄事件、東京電力の原発記録改ざん事件等が大きく報じられ社会の関心を集めた。

 犯罪行為や違法行為に対しては、法に基づき厳正な処罰が行われるのは当然だが、更に不祥事を起こした人や組織の社会的立場や影響等々により 責任の取り方も違ってくる。
 雪印食品の場合は詐欺横領事件なのだが、その制裁は 実質的には死刑と言ってもよい。会社は解散し、多くの罪のない従業員まで失職したのだから、これほどの制裁はない。犯した罪と制裁のバランスがとれているのだろうかと多少同情したくもなる。
日本ハムの場合も創業者である会長や社長の辞任に留まらず、長期間の営業自粛を強いられ、失われた信用等々ダメージは極めて大きかったはずだ。
三井物産は社長、会長が責任をとって辞任、東京電力も社長をはじめ経営トップが揃って辞任を表明し、この2社の対応はスピーディだったが、当然と言えば当然だ。
東京電力の場合 公益事業であり、独占事業である点を考えると、一般企業より責任は重いと言うべきだろう。

 これに対し政治家や官僚の方はどうだろうか。
鈴木議員は、逮捕されても議員を辞めていないし、国から支給される政策秘書給与の流用 (辻元清美氏、田中真紀子氏) や政治資金の私的流用(加藤紘一氏)事件では、議員辞職は当然だが、辞めれば済むという問題ではない。
政策秘書給与の流用や法で定められた政治資金の私的流用行為は、詐欺横領の類であり、明らかに犯罪行為だ。
 上記 雪印食品や日本ハム事件と どこが違うのだろう、本質的には同じではないか。
どうして これらの元議員が刑事責任を追及されないのか 不思議だ。
また、辻元氏は不正流用した約2,300万円を国に返還したと言うが、返せば済むというものではない。泥棒が盗んだ品を返せば文句あるまいと 言うのと同じだ (勿論、返還もしない田中氏等はもっと悪いのだが…)。

 昨年あれだけ問題になった外務省職員による数々の公金流用 (横領) や詐欺事件についてさえ 外務省の上層幹部の責任は問われなかった。
不祥事を犯した本人が刑事責任を負えばそれで良い と思っているらしい。当時の河野外相や田中外相の責任は全く問題にならなかった。
 民間企業の三井物産、東京電力の場合と比較するまでもなく、政治家や官僚達の責任のとり方は極めて曖昧である。
公の立場ということを考えると、政治家や高級官僚達は 民間より もっと重い責任があるはずだ。

 不祥事が第三者に損害を与えると賠償や補償をしなければならない。
民間企業の場合、これが業績に大きなダメージを与えたり、場合によっては倒産することもある。
反社会的な行為に対しては、ボイコットや不買運動を受けたり、日本ハムのように営業自粛等 社会的制裁を受けたり、雪印食品のように廃業に追い込まれることさえある。
 政治や行政の不祥事の場合はどうだろうか。
薬害エイズ (HIV訴訟) やハンセン病につては、訴訟の結果 国家賠償を行うことになったが、国家賠償は 税金で行うため厚生労働省は痛くも痒くもない。まして国の組織が潰れることはない。
国民の犠牲(税金)で賠償金を払うのだから、当然厚生労働省自体の責任が問われるべきだと思うのだが、その立場の人が責任を取ったという話は聞かない。
 薬害エイズ問題では当時の菅厚生大臣が、患者に対して土下座して謝ったが 彼一流のパフォーマンスに過ぎないし、国民に対しての謝罪はなかった。
 これでは本当に責任ある行政とは言えないし、これが政治家や官僚たちが 親方日の丸と言われる所以である。

 政治家や官僚は不祥事を起こしても責任を取ろうとしない。
政治家が自発的に責任をとって議員を辞職した例は ほとんど聞かない。いずれも国会等で追及されてギリギリに追い込まれて 辞任するケースばかりだ。
 各省庁をはじめ 行政各組織の失政や不祥事についても官僚たちは責任回避に汲々としている。
それが 官僚たちに 事なかれ主義をもたらしている。
 不祥事を起こしても、その役所は絶対に潰れない。国家賠償を求められても税金で支出するだけだから、官僚たちはその場の責任さえなんとか回避すれば 後は安泰だ、ということから こんな体質になっているのだろうか。(2002.11.15)

 次回は〔第43回〕「不祥事と責任 (その2)」(2002.12.01)

 【出来事】
  • 11月4〜5日 ASEAN+3(日、中、韓)首脳会議 於 カンボジア プノンペン
  • 11月8日(日本時間 9日未明) 国連安保理 イラクの大量破壊兵器の査察全面受け入れを求める決議案を全会一致で採択
  • 11月10日 大相撲九州場所初日(福岡国際センター)
  • 11月13日 イラク 国連安保理の大量破壊兵器査察全面受け入れ要求決議の受け入れをアナン国連事務総長に通告