◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2003/03/15】



◇第50回◇
我慢と忍耐の教育

 我が国は、世界第二位の経済大国になったと言ってみても、誇れるのは物質的な豊かさだけで、その外の面では まことに貧困だと言わざるを得ない。
犯罪の増加、政治家や官僚の不祥事や汚職をはじめ、社会全体が無責任な風潮になってきたように思われる。
このままでは 日本の将来はどうなるか、三流国になり下がってしまうのではないかと心配する人も多いはずだ。

 私は、全ての根源は教育にあると思っている。今日の社会をもたらしたのも教育だし、健全な社会にするのも教育だ。
最近、教育基本法の改正や子供達の学力低下問題等、教育についての関心が高まってきたことは 喜ばしい。
戦後まもなく制定された教育基本法を 現状に即して改正するのは当然のことだし、“ゆとり教育”という名の甘やかし教育は改めねばならない。

 今 子供の教育で最も欠けているのが、我慢とか忍耐であり、甘やかし教育が蔓延していると思う。
昔は、欲しいものは、簡単には手に入らなかったので 我慢が必然的に強いられたが、今は欲しい物は、何でも手に入る。おまけに自由主義という無責任教育により、子供達は自分本位に振舞うことができる。
我慢とか忍耐は 必要ないという教育をしているようなものだ。
 授業中、1時間座っていることに 我慢ができなくて騒いだり、教室の外に出たりする。これが学級崩壊だ。不登校も然り。
「それは子供達に興味のある授業をしないからだ」と言う反論も出そうだが、その意見こそが甘やかし教育そのものだ。
本が読めるようになるためにも、算数が解けるようになるためにも、努力が必要だし、努力には忍耐力が必要だ。

 学校教育での体罰はいけないことになっているが、小学生位までの子供に対する体罰は必要だと思う。 但し、それはあくまで教育的見地からの体罰であって、親や教師の感情による体罰は あってはならない。
 誰でも人を叱ったり、まして体罰を加えることはいやなことだ。
だからと言ってそれを避けて通ろうとするのは教育に熱意のない無責任教師だと言わざるを得ない。
 我が子の躾もできない親にかぎって 子供が体罰を受けると、その事情を確かめもせずに 直ぐ“人権侵害だ”などと言って学校や教育委員会に抗議する傾向がある。
これでは教師の熱意も冷めてしまう。 困った風潮だ。こんな親こそ再教育の必要があると思うのだが…。

 昔は、悪いことをした生徒は、教室の後や廊下に よく立たされたものだ。こんなにつらい思いをするのなら 二度とやるまいと反省するし、じっとそれに耐えるのも忍耐だ。
 小学生の時、家庭訪問で 我が家に来た先生に、父親が「殴ってもいいから厳しく教育して下さい」と言っていたのを陰で聞いていた私は、そんなことを言わなくてもいいのに…と思ったものだ。
今にして思えば、父親の我が子に対する教育の熱意の程が窺えるし、また父が私の先生を信頼していたからだと思うのである。

 今年1月、こんな事件があった。
或る書店で 少年が万引きをして 店主に見つかったが、少年は氏名など身元を明かさないため、店主は警察に通報した。少年はパトカーで駆けつけた警察官を振り払って逃げ出し、閉じていた踏み切りを走り抜けようとして電車に跳ねられて死亡した。
ところが、警察に通報した店側の対応に非難が集中し、“人殺し”など嫌がらせの張り紙や電話が殺到し、店は 閉店せざるを得なくなったというのだ。 少年の親も閉店してもらいたいと言っていたそうだ。
 しかし、万引きは、泥棒、窃盗という犯罪行為だ。警察に通報するのは当然だし、それは再犯防止のための義務でもある。
どうして店側に 非難される理由があるだろう。
非難さるべきは、少年を教育してきた親であり、学校であるはずだ。
親は 息子の万引き行為について 書店に弁償して謝るのが筋なのに、これでは まるで被害者が加害者にされてしまい、たまったものではない。
子供が万引きするのを見て 注意する勇気ある大人が、今どれだけ居るだろうか。大半の人は 見て見ぬ振りをする、これが今の社会の現状だ。
 今の子供達の中には、甘やかし教育のため、我慢ができない者も多い。欲しいものは万引きや盗んででも手に入れようとする。
これが昂じて凶悪犯罪に走る青少年も多い。

 人が社会生活を営むということは 社会に順応して生きることだ。そのためには我慢や忍耐、自己規制は不可欠だ。
甘やかし教育は、自分を中心に世の中が回っている、即ち自己中心的で社会生活に順応できない人間を作り出してしまう。
 子供の教育は学校だけの問題ではない。子供の躾は、まず家庭からだ。
明日の日本を担う青少年の教育は、社会全体で取り組む必要がある。(2003.03.15)

 次回は〔第51回〕「日韓併合問題を考える(その1)」(2003.04.01)

 【出来事】
  • 3月4日 2003年度予算案 衆院本会議で可決 参院に送付
  • 3月2日 北朝鮮のミグ29など戦闘機4機が日本海の公海上を偵察飛行中の米偵察機RC135に異常接近(約15メートルまで) 内一機が偵察機に対し攻撃用レーダーを照射
  • 3月7日 坂井隆憲衆院議員(自民党) 政治資金規正法違反で逮捕される
  • 3月9日 大相撲春場所初日(大阪府立体育会館)