◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2003/06/15】



◇第56回◇
車の小話(その1)

〔修理工を悩ませた軽自動車〕

 昭和42〜3年頃の話である。
私は、社会人になってしばらくは 専らオートバイを乗り回していたが、いずれ必要になるだろうと自動車の普通免許を取った。
当時は自動車を買う経済的余裕はなく、あくまでも将来のためにと思って免許を取ったのだが、いざ免許証を手に入れると、どうしても自動車が欲しくなるのが人情だ。私もその例外ではなかった。
中古車専門店に行き、中古の軽自動車( 当時は360cc )を買った。それでも30万円ぐらいしたから、当時としては結構高い買い物だった。

 ある時、前輪(ホイール)の中心部に触ると、そこが かなり熱くなっていることに気付いた。
異常ではないかと心配になったので、買った店に持ち込んだ。この店は修理工場も併設している。
 事情を話し「欠陥車ではないのか」と言ったところ、店側は恐縮して「それは申し訳ありません。早速修理しますので2〜3日預からせて下さい」ということになった。(当時は欠陥車が問題になっていた時期だった)
3日後、もう修理が出来ている頃だと車を引き取りに行った。
ところが、出てきた修理工曰く 「前輪を分解して調べているのですが、まだ直りません。あと2〜3日待ってくれませんか」と言うので、更に2〜3日待つことにした。
 丁度その頃、私の同僚U氏が、私の車と同じ車種の軽自動車を新車で買った。
彼の新車の前輪ホイールの中心部を触ってみた。熱い、私の車よりも熱い感じだ。
彼に聞いてみた 「君の車のホイールの中心部が熱くなっているぞ」
彼は答えた 「それは当り前じゃないか、ブレーキの摩擦熱で熱くなるのだから…」と すましたものだ。
あ!そうだったのか、ドラムブレーキの摩擦で熱くなるので、異常や故障ではない、まして欠陥車ではない ということに気がついた。
 早速、店に出向いたところ、また修理工曰く 「ベアリングなど部品を新品に取り替えてみたのですが、直りません」と頭を抱えている様子、更に調べるから待ってくれと言う。
私は 「もう結構ですから、車をもらって帰りましょう」と言ったところ、今度は社長が出てきて 申し訳なさそうに曰く 「お客さん、本当に大丈夫ですか、足回りのところだから重大事故に繋がることもあるし、もっと徹底的に調べさせてもいいですよ」 と…。
「いや、もう結構です」と言って車を引き取って帰った。社長以下店員達が、済まなさそうに頭を下げて見送ってくれた。

 私は、修理工に、これはブレーキの摩擦熱によるもので故障でも異常でもないということは言わなかった。
それは、私自身が欠陥車ではないかと言った手前 言い出せなかったこともあるが、何よりも 整備士の資格も持っているだろう修理工を傷つけたくなかったからだ。
 専門家である修理工は、冷静になって考えれば、すぐに分かることなのだが、客から いきなり“欠陥車”ではないかと言われ、最初から これは異常だ と思い込んでしまったところに落し穴があった。
先入観とか思い込みが、時と場合によっては、とんでもない間違いをもたらすこともある。 (2003.06.15)

 次回は〔第57回〕「車の小話(その2)」(2003.07.01)

  【出来事】
  • 6月1日 第29回主要国首脳会議(フランス エビアン・サミット)開幕(3日まで)
  • 6月6日 有事関連3法(武力攻撃事態法 改正自衛隊法 改正安全保障会議設置法)参院本会議で賛成多数で可決 成立
  • 6月6日 韓国の盧武鉉大統領来日 6月7日小泉首相と首脳会談
  • 6月8日 朝鮮総連 6月9日予定の万景峰(マンギョンボン)号新潟港入港中止を発表
  • 6月9日 九州 山口県梅雨入り
  • 6月10日 中国 四国 近畿 東海 関東 甲信地方梅雨入り 北陸東北は12日
  • 6月12〜13日(現地時間) 北朝鮮政策に関する日米韓3か国の局長級調整会合(TCOG) 於ホノルル