◇第58回◇
教 師 像
最近 小中学校の卒業式で 「仰げば尊し」を歌う学校が少なくなったそうだ。
それは、文語調の歌詞の意味が分からない、日教組が反対しているなど色々理由があるだろうが、最大の理由は、仰げば尊し我が師の恩…と生徒から慕われ 尊敬されるような教師が少なくなったことだと思う。
昔の教師は、生徒からは勿論、社会的にも一目置かれ 尊敬される存在だった。(昔は聖職と呼ばれていた)
世の親達は 子供の教育を教師に託すのだから、その教師は、立派な人であって欲しい、社会からも尊敬される教師であって欲しいと願うのは当然のことだ。
最近の教師の社会的地位は、以前に比べると格段に低下してしまった。
まさに一介の労働者になり下がってしまったのは 日教組の狙い通りだ。
特に小中学校の教師の世界は、競争なき安住の職場になってしまっている。
先生と生徒は、同じ人間として平等で仲間だと考える教師が多い。
しかし、小中学校の教師は、幼児と一緒に遊ぶ保育園や幼稚園の先生とは違うはずだ。
生徒との仲間意識では教育はできないし、そこからは 生徒や父兄から信頼され、尊敬される教師は生まれない。
卒業式での「仰げば尊し」斉唱に反対する日教組は、教師の恩は強制するものではないからだと言う。
恩を強制できないことは当たり前だ。「仰げば尊し我が師の恩」と言われるためには、生徒から信頼と尊敬を集める先生になることだ。
そのためには 教師自身の自己研鑽が必要だ。
しかし、日教組や教師自身は、はじめから これを放棄している。
その結果、教師の社会的地位は下がってしまい、尊敬されるような教師は少なくなってしまった。
ある意味では 自業自得とも言えるのだが、これが 現在の学校教育の荒廃をもたらしている根源だと思う。
登校する先生の姿を見ても 締りがない服装をしている者も多い。中には その辺の“あんちゃん”や“ねえちゃん”のような だらしない格好の教師も見かける。
一般のサラリーマンの方が よほど品位がある。
ここで服装のことをとやかく言う気はない。ただ、教職に携わる者としての品位は わきまえてもらいたいものだ。
自ら労働者だと言い、鉢巻姿でワッショイ ワッショイとデモに参加する姿は、およそ先生と呼ぶには ふさわしくない。
最近の教育荒廃の中で、学級崩壊など教師は大変だ、中にはノイローゼになる先生も居ると言われるが、これも元をただせば、日教組指導のもとに自ら招いたものだ。
最近では、塾の先生の方が、生徒や父兄の信頼を集めているようだ。生徒や父兄は、学校の先生よりも 塾の先生に相談を持ちかけるという。
塾の先生の方から、公立学校の先生は もっとしっかりしてくれないと困る、と批判の声があがっている。
これも、競争社会にいる塾の先生と ぬるま湯に浸かっている公立学校の先生との差なのだろうか。
競争原理が働かない職場は腐敗する。学校もその例外ではない。
ここで 国の文部行政の責任についても指摘しておかねばならない。
文部科学省のゆとり教育や個性ある教育の美名の下に実践されてきた教育指針や指導要領は、間違いだった。その結果は生徒の学力低下となって現れ、今 大きな問題になっている。
ことは、国の将来を担う子供の教育に関わる問題だから 文部科学省の責任は重大だ。
政治家の不祥事等の責任は すぐ問題になるが、これほど大きな責任が あまり問題にならないのは不思議だ。
国は、子供達の学力向上については勿論、日本国民としての自覚についても教育指針に取り入れるべきだ
また、30人学級など1クラスの生徒数を減らし、教員を増やす必要があると言われているが、これにはあまり賛成できない。
30人学級は教師の負担軽減にはなるだろうが、これで問題は解決しない。
教員は、質より量ではない、量より質だ。
昨年度から小中学校も週5日制になった。これについて文部科学省は、子供達のゆとり教育のために必要だからと説明してきた。
子供の教育のためなら週5日制にする必要はない。大方の父兄は不満を持っている。
これは一般社会が、週休2日制になったので、学校の教職員も 世間並みに 週休2日制にしなくてはならないというのが本当の理由ではないか。
何故ありのままの理由を国民に説明しないのか。
本当は、教職員のために週休2日制にするのに、それを子供たちのためにするのだ と本末転倒の理由付けをする文部科学省の手法には不信感を抱かざるを得ない。これこそ日教組との合作だと思われる。
更に 日教組は、夏休みや冬休み等、従来の休暇も与えよと言っており、その身勝手振りは常軌を逸している。
求められる教師を育成するためには、各地に存在する教育大学等教職課程の大学教育も見直す必要がある。
教員養成大学には、質の高い学生を集めねばならない。授業料を思い切って減額したり、手厚い奨学金も有効かもしれない。
大学教育の中味も、教育技術面だけでなく、教師としてのモラルや意識教育も是非必要だと思う。
人格形成過程にある子供達の教育に携わる仕事が、如何に重要なものであるかを十分認識し、使命感に燃えた教師を育成できるような大学教育にしてもらいたい。
春の卒業式には、全国の学校で、生徒や父兄から信頼と尊敬を込めて、文字通り「仰げば尊し我が師の恩…」と歌われるような教師になってもらいたいものだ。
(2003.07.15)
次回は〔第59回〕
「辻元清美 前衆院議員の逮捕」(2003.08.01)
【出来事】
- 7月6日 大相撲名古屋場所初日
- 7月8日 阪神タイガース マジック49点灯
- 7月12日 土屋義彦 埼玉県知事 長女の市川桃子容疑者の政治資金規正法違反による逮捕を受け辞職を表明(7月14日辞職願提出)
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