◇第61回◇
民主党と自由党の合併
去る7月23日、民主党の菅代表と自由党の小沢党首が会談して、今年9月末までに民主、自由両党が合併することを決めた。
両党は、政権交代を実現するための合併だと言っているが、合併によって政権が取れるとは思えないし、合併の意義について首をかしげる国民も多い。
合併の合意内容を見ると
合併に伴う存続政党は民主党とし、現在の自由党は合併と同時に解散する。
合併後の党の代表は 民主党の菅直人代表とし、新しい党の運営は 現在の民主党執行部によって行う。
合併後の党の規約、政策、マニフェスト等は、現在の民主党のものを継承する…etc。
この合意内容を見る限り、文字通り民主党への吸収合併で、自由党の主体性はどこにもない。
今の自由党は、平成5年、小沢一郎氏、羽田孜氏らの主導による自民党離脱、新生党結成、更に新進党への再編を経て今日に至っている。
当時の小沢氏らの自民党離脱は、単なる政策の不一致からというものではなく、自民党に対抗できる政党を作り、政権を奪取する、即ち政界再編そのものを狙うという大きな目的があったと思われる。
当初は、細川連立内閣、羽田連立内閣の樹立には成功したが、いずれも短命内閣で見るべき実績は何も残せなかった。
その後も、国民の支持は得られず政権奪取どころか、保守党の分裂などもあり、先細りの一途を辿ってきた。
最近の自由党は、自らの政策を訴えるより、自民党憎し一色で 専ら自民党内閣の批判に明け暮れるのみで、これでは国民の支持は得られない。
今回の合併合意内容によれば、自由党は、政党として最も重要な規約、政策、マニフェストまでも全て放棄するというのだから、表面だけ見れば、もはや党としての存在価値を失っての単なる解散、ただ自由党議員の受け皿を民主党に求めたに過ぎないという見方もできる。
小沢氏は、いやそれは違う、自民党政権を倒すためだと言っているが、相手方 政権を倒すためなら、政党の命とも言える主義主張や政策まで捨て去るというのは、あまりにも節操がないし、もはや政党とは言えない。
また、小沢氏は、社民党の土井党首にも、民主党との合併に参加するよう要請したが断られている。断られるのが当たり前だ。
これでは、政治家としての、或いは党としての主義主張や政策等はどうでもよい、ただ 数さえ揃えれば それでよいと言う姿勢であり、小沢さんも落ちぶれたものだ。これで政権をとると言っても、誰も支持しない。
小沢一郎氏は、自分は民主党の一兵卒になると言っている。
しかし、民主党も 小沢氏を一兵卒のままにしておく訳にはいかないだろう。現に民主党が政権を取ったら 小沢さんを副総理にと言う話も出ている。
小沢氏は その辺も見通して「一兵卒になる」等と発言しているに違いない。
小沢一郎氏のこれまでの言動、特に彼独特の権謀術策等を考えると今後に不気味さを感じさせる。
民主、自由両党の合流問題は、昨秋 鳩山代表と小沢党首の間で合意されたが、民主党内では 鳩山氏の独断だとして鳩山代表の命取りになってしまった。
その後、この問題は、民主党内の事情により 消えたかと思われていたが、再燃して今回の両党合意に達したものだ。
合流とは言っても、実際は自由党が解散して民主党に加入するということだから、民主党としては勢力を拡大できるし、一見何ら問題はないように思われる。
横路氏等旧社会党系グループも、これでは正面切って反対することもできない。
民主党は、元々自民党的な考え方の持ち主から 旧社会党まで幅広い層を抱えており、党としての政策がまとまり難い政党であるが、今回の合流は 更にそれに拍車をかけることになる。
また、小沢自由党グループの存在は 党内に新たな火種を抱え込むことになると見る人も居るだろう。旧社会党系グループの出方が注目される。
民主、自由両党の狙い通り、この合流が次の解散総選挙で政権奪取をもたらす可能性は少ないが、自民党次第では、新しい民主党の政権誕生の可能性も ゼロとは言えない。
もし 民主党の政権が誕生しても、内部崩壊によって、かっての細川、羽田内閣のような短命内閣の運命を辿るだろう。
次回総選挙で政権が取れなければ、その時から左右勢力の党内紛争が始まり、民主党分裂のきっかけになっていくだろう。
自民党内の一部に、解散総選挙は来年まで延ばした方が得策だと言う意見があるが、これは、民主、自由両党の合流は少し時間が経てば内部矛盾が露呈してくるという見方からであり、頷ける話だ。
これからの新しい民主党については、小沢一郎氏、横路孝弘氏、鳩山由紀夫氏及びそれらのグループの動きが注目される。
私には、早かれ遅かれ、いずれ民主党の分裂は必至のように思われるのだが…。(2003.09.01)
次回は〔第62回〕
「北朝鮮には対抗措置を (その1)」(2003.09.15)
【出来事】
- 8月15日(現地時間14日午後4時過ぎ) アメリカ北東部(ニューヨーク、デトロイト、クリーブランド等)からカナダ南部(トロント、オタワ等)にかけて北米史上最大の停電事故発生 大混乱を招く
- 8月17日 小泉首相 欧州3カ国 (ドイツ ポーランド チェコ)訪問に向けて出発 (23日帰国)
- 8月19日 イラク バグダッドの国連事務所で爆弾テロ発生 デメロ国連事務総長特別代表らを含む24人が死亡( AFP通信) 負傷者100人以上(日本人国連職員1名を含む)
- 8月23日 第85回全国高校野球甲子園大会 常総学院(茨城代表)が東北(宮城代表)を破り優勝
- 8月25日 北朝鮮の貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」が新潟西港に入港 (26日出港)
- 8月27日 北朝鮮問題をめぐる6か国(日本 米国 韓国 ロシア 中国 北朝鮮)協議始まる 29日まで 於北京
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