◇第62回◇
北朝鮮には対抗措置を (その1)
拉致事件が北朝鮮の国家犯罪であることを 金正日が自白して1年経過するというのに、拉致問題は一向に進展しない。逆に北朝鮮は、拉致問題は解決済みだ等と言い出す始末だ。
拉致問題については、拉致被害者の一部 5人が帰国できただけで、これら5人の子供達や夫は 人質として現地に取り残されたままだし、更にもっと多くの拉致被害者の消息は 全く分かっていない、全ては闇の中だ。
わが国外務省が提出した150項目の質問も無視され、なしのつぶてだ。
北朝鮮側は、拉致被害者の子供達を帰してしまえば、外交カードを失うことになるし、このまま いつまでも拉致被害者の子供達を人質に取っておいた方が 有利だと思っているのだろう。
これに対して 日本が対抗措置に出ることはないと 高を括っているようだ。( 日本は何もできないとなめられている )
このままでは、拉致問題の解決は難しい。
拉致問題をどう認識するか、政府の対応は、まだまだ甘いように思われるし、この際 我々国民も、もう一度よく考え直してみる必要があるようだ。
拉致は、わが国に対する極めて重大な主権侵害だ。しかも、今なお その主権侵害の状態が続いている。
よく領海侵犯や領空侵犯が主権侵害だと言われるが、これとは比較にならない悪質かつ重大な主権侵害だ。
領空侵犯に対しては、領空侵犯の恐れのある正体不明機が発見された時点で( 領空侵犯する以前でも )、航空自衛隊では 待機している戦闘機がスクランブル発進して領空侵犯を防ぐではないか。
領空侵犯機に対しては、警告を発して撃墜することだってあり得る。( 1983年のサハリン沖の大韓航空機撃墜事件は、ソ連領空を侵犯したとして 大韓航空の旅客機が ソ連側に撃墜されたものだ )
それ程 主権侵害は、どこの国にとっても重大なことだ。
それに比べて、拉致問題に関しては、今だに続いている重大な主権侵害だと言うのに、政府の対応は生ぬるい。相手が話合いに応じてこないので…では済まされない。
金正日自身が認めた この国家犯罪に関しては、原状回復 ( 拉致被害者の子供たちの帰国等 ) は、即刻無条件に行われるべきもので、そもそも話合いで解決すべき筋合いのものではない。
相手が応じなければ、なぜわが国は必要な措置を取らないのか。
なぜ経済制裁を行わないのか。
経済制裁については諸外国にも協力を求めるべきなのに、逆にアメリカの強行姿勢に対しては 韓国に配慮して 柔軟姿勢を求めるのはなぜか。韓国と日本は、立場が違うことを十分認識すべきだ。
拉致問題を抱えているわが国は、他の国とは事情が違う。経済制裁は、我が国単独でも断固行うべきだ。
我が国単独の経済制裁では、相手方に大きなダメージを与えることはできないかもしれない。
しかし、実質的なダメージよりも、我が国の強い姿勢を北朝鮮に対しては勿論、広く国際社会に示すことが必要だ。北朝鮮に揺さぶりをかけることができる。
経済制裁措置を行えば、北朝鮮は宣戦布告と看做すと言うだろう。
しかし、これを恐れてはならない。北朝鮮の恫喝に屈することになり、拉致問題は永久に解決しない。
北朝鮮が宣戦布告と看做すと言っても、我が国に直接武力攻撃をしかけてくることは、まず考えられない。
もし、北朝鮮が我が国に対し、一方的に武力攻撃を行うようなことがあれば、アメリカの北朝鮮攻撃に格好の口実を与えることになり、アメリカは武力攻撃に踏み切るだろう。その時点で金正日北朝鮮は消滅する。
わが国の主権を侵害し続けている犯罪国家北朝鮮の船舶“万景峰号”の日朝間の自由航行は禁止すべきだ。
“万景峰号”は、これまでミサイル等大量破壊兵器への転用可能な機材機器、麻薬 覚醒剤の密輸、外為法に反する大量な円の持ち出し、工作活動への関与など北朝鮮の犯罪に利用されてきた船だ。
政府は、新潟港が国際港であるため、現行法上 入港を規制することはできないと言っている。我が国の国益を害する“万景峰号”の入港阻止が、我が国の法律上できない……そんな馬鹿なことがあるものか。
現行法上できないのなら法律を変えればよい。今 議員立法で「特定船舶入港禁止法案」(仮称) なるものが、検討されているという。本来、政府が率先して法案を作成すべきものだと思うが、いずれにしても一刻も早く成立させ入港を規制すべきだ。
去る8月25日に、“万景峰号”は7ヶ月振りに新潟港に入港した。
海上保安庁、税関、国土交通省等は時間をかけて、入念に検査をした。その結果違反箇所が発見され、翌日の出航は予定時刻を9時間も遅れて出航した。
しかし、検査だけでは意味がない。“万景峰号”に対する嫌がらせにしか映らない。
一刻も早く入港禁止措置を講ずるべきだ。
その後も9月4日に新潟港に入港しているし、更に9月16日、30日と9月だけでも3回も来ることになっている。これからも好きな時に頻繁に来航するだろう。
犯罪国家の犯罪船“万景峰号”が、大きな北朝鮮国旗を振りながら、拡声器のボリュームをいっぱいに上げて北朝鮮の歌を流しながら接岸する光景は異常だし、日本国民の気持を逆撫でするものだ。
朝鮮総連に言わせると、“万景峰号”は、在日朝鮮人の祖国訪問のための人道目的の船だと言う。
これまで国家犯罪に利用され、日本人の人権を蹂躙する対日秘密工作に利用されてきた“万景峰号”が、人道目的の船であるはずがない。
在日朝鮮人の北朝鮮訪問は、一般人と同様飛行機( 中国やロシア経由 )を利用すべきだ。
あれだけの贅沢品や物資を“万景峰号”で北朝鮮に送る朝鮮総連のことだから、飛行機代ぐらい問題ないだろう。
“万景峰号”が新潟西港に入港する時は、朝鮮総連は人員を動員して、大きな北朝鮮国旗を振り回す等入港歓迎の気勢を挙げる。
また、家族会や救う会の人々も、“万景峰号”入港反対や子供達の早期帰国など拉致問題の早期解決を訴えていた。
8月25日、新潟西港でインタビューを受けていた拉致被害者家族の会・事務局長の蓮池透さんは、一言「口惜しい」と言っていた。それは心の底から搾り出すように聞こえた。「口惜しい」という言葉には色々な意味が込められているだろう。
その時、気になったのは、港湾事務所の対応だ。
港湾事務所は、朝鮮総連と家族会や救う会とのトラブルを防止するためか 両者を同列に扱い、自らを中立の立場に置いたことがまず問題だ。
港内への立ち入りは“朝鮮総連”と“家族会と救う会” 夫々120名づつ認めることとした。
朝鮮総連側は バスに乗ったまま港内に行ったため、果たしてバスの外から人数を当局が確認できたか 極めて疑問だ。当局は バスの中の人数は確認出来たと言っていたが 疑わしい。
家族会と救う会の人達は 歩いて行ったので、人数は厳密にチェックされている。
旗竿の持込は禁止されているのに、朝鮮総連は 長い旗竿を何本も持ち込んでいるではないか と 救う会が抗議したところ、国旗については認めると言う。( 国交がない犯罪国家北朝鮮の国旗を そこまで尊重する必要はないと思うのだが…。)
家族会や救う会には、厳格な規制をしながら、朝鮮総連には どうしてこんなに便宜を図るのだろうか。
朝鮮総連と家族会や救う会とを相対立するものとして、同列視するところからおかしい。
対立しているのは、朝鮮総連と家族会や救う会ではない、日本国民と犯罪国家北朝鮮だ。
もし、何千 何万という日本人が押しかけて来たらどうする、それでも港湾事務所は、日本国民、朝鮮総連 夫々120名ずつに制限するか。
これではまるで第3国の中国かどこかの港湾事務所のようではないか。誰かが叫んでいた『ここを何処だと思っているんだ!…(ここは日本だぞ―と…)』。
本当にその通りだと思った。
尚、家族会では、今後は“万景峰号”入港時の入港反対集会は 行わないことにしたと言う。そうなれば、“万景峰号”は更に堂々と大手を振って入港してくることになるだろう。
最近発生した朝鮮総連や田中均外務審議官宅への時限発火物仕掛けのような不祥事が、また起こるべくして起こらなければ いいのだが…。
そんな不祥事が起これば、多くの国民は「やっぱりねぇ」と思うだろう。それが起こるべくして起こるということだ。
外務省の田中均審議官宅に時限発火物が仕掛けられたニュースを聞いて「やっぱりねぇ」と思った国民は多かったずだ。それを石原都知事は 田中審議官宅事件について「爆弾仕掛けられて当たり前」と表現したまでだ。
時限爆弾を仕掛けることが怪しからん犯罪行為であることは、子供でも分かっている。
どうしてこんな事件が起きたのか、それは 外務省が作り出しているのではないか、外務省は もっと反省すべきだと思う。
(2003.09.15)
次回は〔第63回〕
「北朝鮮には対抗措置を(その2)」(2003.10.01)
【出来事】
- 9月4日 北朝鮮の「万景峰号」が今夏2回目の新潟西港入港 (5日出港)
- 9月7日 大相撲秋場所初日(両国国技館)
- 9月8日 自民党総裁選告示 小泉純一郎(無派閥) 藤井孝男(橋本派) 亀井静香(江藤・亀井派) 高村正彦(高村派)の4氏が立候補
- 9月9日 自民党元幹事長野中広務氏 今期限りで政界を引退する旨表明 (総裁選に橋本派の青木参院幹事長や村岡兼造・元官房長官が小泉首相を支持したことへの反発か?)
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