◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2003/10/01】



◇第63回◇
北朝鮮には対抗措置を (その2)

 北朝鮮の核開発問題をめぐる日本、米国、韓国、中国、ロシア、北朝鮮の6カ国協議が去る8月27日〜29日にかけて北京で開催されたが、予想通り進展はなく、見るべき成果は何もなかった。
日本も含めて参加各国は、継続協議が重要だ等と、この6カ国協議を評価しているが、こんな会議は何回繰り返しても、北朝鮮に核開発計画を放棄させることはできない。
 6カ国協議で北朝鮮に核開発を断念させるためには、北朝鮮に対し各国が 揃って何らかの圧力をかけるべきなのだが、当初から足並みは揃っていなかったのだから、この結果は当然だ。
中国やロシアは、あくまでも話合いでと言うだけで、北朝鮮に圧力をかける気など更々ないようだ。
韓国もこの点については同じだが、更に核廃棄の見返りに経済支援や体制保障を行う立場だ。
アメリカは、核計画の厳格な査察が可能な形での無条件廃棄を求め、また北朝鮮の安全保障上の懸念には 配慮を示しつつも、不可侵条約締結は、拒否する等 5カ国の中では最も厳しい姿勢を示した。

 日本が、核、ミサイル、拉致問題の包括的な解決を主張しているのは当然だが、日本政府代表の藪中アジア大洋州局長は、北朝鮮が 核廃棄を進めれば、エネルギー支援の用意があることを 示唆したとも言われる。
もし、これが事実とすれば不適切な発言だ。仮に北朝鮮が核廃棄に応じ、各国が経済支援に踏み切っても、我が国だけは拉致問題が解決しない以上、一切の経済支援は行わないという立場を貫くべきだ。
日本の北朝鮮への経済支援は、拉致問題が解決し 国交正常化がなされた後だと言うことを、6カ国協議の場で鮮明に表明しておく必要がある。

 今までは、どちらかと言うと、アメリカの強硬姿勢に対しては、日韓が連携してアメリカに柔軟姿勢を求める図式が多かったようだが、北朝鮮に関しては 日本と韓国は、立場が違うということをよく認識しておく必要がある。
我が国の国益を考えるなら、逆に日米連携して 韓国を説得する場面が多いはずだ。
韓国の立場は、北朝鮮は同じ民族であり、将来の統一を考えれば、北への経済支援は 将来の自国への投資であり、我が国の経済支援とは性格が全く異なるのである。
 韓国は、中国やロシアとともに金正日体制を保障する立場だが、我が国は、体制保障側に組すべきではない。
北朝鮮の諸悪の根源は、金正日体制にあり、体制の崩壊なくして北朝鮮の人々を救うこともできない。
 ロシア、中国、韓国は北朝鮮の安全保障を強調するが、先に北朝鮮の安全保障有りきではないはずだ。それは北朝鮮が核開発を放棄した時に、はじめて保障されるものだということを 北朝鮮によく認識させておく必要がある。

 拉致問題は日朝間の問題だと言われるが、被害者と加害者と言うなら確かに日本と北朝鮮だ。
しかし、これは他国の善良な市民の人権を蹂躙して誘拐拉致するという国家による非人道的な重大犯罪である。このような国家犯罪を国際社会が許していいのかという問題を提起すべきだ。
国連でも人権問題には随分力を入れているではないか。( 国連人権委員会では、曽我ひとみさんの母親ミヨシさんについて調査に乗り出す等拉致問題には大きな関心を寄せている )
この観点からも、中国、ロシアや韓国等には、もっと積極的に協力を求めるべきだ。
協力に応じない国は、人権を軽視する国のレッテルが貼られ、国際社会から非難されても仕方がない。それくらいの気構えで外務省の担当者は、協議に当たってもらいたい。

 去る9月23日の国連総会で、川口外相が 演説で初めて北朝鮮の拉致問題に言及した。
今頃になってやっと国連で…と思った人も多かっただろう。また、拉致問題については、もっと強く 具体的に 北朝鮮の非道振りを訴えてもらいたかったと思った人も多かったと思う。
 しかし、この川口外相の演説は かなり効いたようだ。
北朝鮮側は、直ぐに反応し「日本は 解決済みの拉致問題を政治利用している」等と猛烈に反撥した。
各国元首らが集る国連総会の場で 答弁権を行使して主張を展開するのは前例がないというのに、今回 北朝鮮が敢えて答弁権を行使し、川口外相演説に猛反発をしたのは、国際会議の中で拉致問題を採り上げられることが、北朝鮮にとって いかに痛手であるか、ダメージであるかを示したものと言えよう。
 拉致問題について、北朝鮮は、口では理不尽な好き勝手なことを言っているが、内心では 国家犯罪である拉致事件は自らの恥部だと思っているのかもしれない。

 北朝鮮は、8月の6カ国協議の中で、「このままでは 核兵器保有を宣言するしか選択肢がない」「核実験も実施する」等と述べ、核兵器の運搬手段として ミサイルを保有していることも強調したという。
北朝鮮としては、厳しい姿勢のアメリカを恫喝したつもりだろう。
北朝鮮の焦りも感じられる。北朝鮮の孤立が長期化すれば、それだけ北朝鮮は深刻な状態に追い込まれるからだ。
 アメリカに対して恫喝が効くようだったら、強国北朝鮮は 何もアメリカと不可侵条約を結ぶ必要はないはずだ。不可侵条約等というものは、双方の合意によって締結されるもので、相手を脅して締結させる等 聞いたことがない。北朝鮮は本当におかしな国だ。

 北朝鮮の核廃棄や拉致問題解決のためには、北朝鮮に圧力をかけることが もはや不可欠だ。
北朝鮮への経済制裁については、我が国からも積極的にアメリカへ働きかける等、効果ある対抗策を考える時期にきている。
北朝鮮によって主権を侵害されている日本が、最も強硬だという印象を諸外国に与えることは 決して不自然ではないし、当然だと受け止められるだろう。

 北朝鮮の核廃棄をめぐる6カ国協議は、次回も行われるだろう。
しかし、前回のように、協議を継続することに意義ありでは、親睦会でもあるまいし、意味がない。
 北朝鮮の核廃棄を実現するためには、各国の対応に多少の差はあっても、最低限の圧力について 各国は 足並みを揃えておく必要がある。
前回の協議の際は、事前に 日、米、韓3カ国の打合せ会議等が行われたが、次回は 5カ国会議で、北朝鮮の核廃棄を実現するためにどう対処すべきかについて、事前打合せを行うことが望ましい。
それができないのであれば、6カ国協議はあまり意味がない。
 北朝鮮がそれに反発して、6カ国協議を拒否するかもしれないが、それならそれで十分だ。それは5カ国が揃って北朝鮮に圧力をかけたことになるし、北朝鮮は更に窮地に陥る。
北朝鮮があくまで協議に応じなければ、国連安保理に経済制裁を付託する等 より強力な圧力をかける必要がある。
 これまでは 北朝鮮が多国間協議には応じないと駄々をこねていたが、今度は、日本やアメリカが北朝鮮の核廃棄に効果がないような6カ国協議には参加できないと言ってみたら面白いかもしれない。
中国や韓国も驚くだろうが、最も慌てるのは北朝鮮だろう。(2003.10.01)

 次回は〔第64回〕「総裁選に見る自民党 (その1)」(2003.10.15)

 【出来事】
  • 9月15日 阪神タイガース セ・リーグ優勝決める
  • 9月20日 自民党総裁選 小泉首相再選 投票総数657票(内議員票357 党員票300) 小泉純一郎399票(内議員票194) 亀井静香氏139票(内議員票66) 藤井孝男氏65票(内議員票50) 高村正彦氏54票(内議員票47)
  • 9月21日 自民党新三役人事決まる 副総裁に山崎拓氏(前幹事長 山崎派) 幹事長に安倍晋三氏(前官房副長官 森派) 政調会長に額賀福志郎氏(前幹事長代理 橋本派) 総務会長に堀内光雄氏(留任 堀内派)
  • 9月21日 大相撲秋場所千秋楽 横綱朝青龍が優勝(13勝2敗 14日目に決める)
  • 9月22日 第2次小泉内閣組閣 発足
  • 9月24日 民主党と自由党 合併協議書に調印(総務省への届出は9月26日)
  • 9月26日 北海道東部で震度6弱の地震 震源地釧路沖 マグニチュード8.0
  • 9月26日 第157臨時国会召集
  • 9月29日 対北朝鮮問題に関する日米韓3カ国局長級協議(於東京 30日までの2日間)
  • 9月30日 福岡ダイエーホークス パ・リーグ優勝決める