◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2003/11/15】



◇第66回◇
第43回総選挙の検証

 去る11月9日、第43回総選挙が行われた。
特に今回の選挙では、民主党が 直前に自由党を吸収併合し、マニフェスト( 政権公約 )を作って、政権交代を目ざす選挙戦を展開していただけにその行方が注目された。
 結果は、民主党が40議席増やし177議席を獲得した。大躍進と言えよう。
自民党は、現有議席247はもとより、目標にしていた単独過半数にも及ばず237議席に留まった。(3名の追加公認で半数の240議席は確保)
公明党は、さすが創価学会の組織力により 現有議席を3議席増やし、34議席としたことは 健闘したと言えるだろう。
著しく議席を減らした共産党、社民党、保守新党は、自民、民主の2大政党選挙に埋もれてしまった。(共産20→9 社民18→6 保守9→4)
特に 旧態依然たる古いイデオロギー体質や政策から脱却できない共産党や社民党は、国民の支持を失い、その存在意義さえ問われかねない。
社民党の土井たか子氏は、責任をとって党首を辞任したが 当然の成り行きだ。
また、保守新党は、解党して自民党に合流することにしたのは、賢明な対応だっと思う。

 自民、公明、保守の小泉連立政権の与党としては、絶対安定多数を超える275議席を 確保することができた。 【絶対安定多数】⇒衆院の全部の常任委員会で与党が委員長を独占したうえで、委員数でも過半数を占め、与党だけで法案などを可決できる議席数。現在は269議席

今回の選挙は、これまでの自民党連立政権の是非を問う意味合いもあり、小泉政権は国民の信任を得たことは間違いない。
 自民党は、目標とした単独過半数を獲得できなかったとは言え、前回選挙時(2,000年6月)の獲得議席(233)は上回っており、また与党としての絶対安定多数は確保しているのだから、敗北とは言えない。
しかし、現有議席を10議席も減らした自民党には、反省すべき問題多々ありと言うべきだろう。

 自民党の問題点は、去る9月20日に行われた総裁選を見ればよく分かる。自民党にとっては、先日の総裁選が、今回の総選挙に 善きにつけ 悪しきにつけ影響しているように思われる。
 小泉さんは、総裁選を通じて構造改革路線を強力にアピールして総裁に再任され、同時に国民の高い支持を回復することができた。
その反面、総裁選は、自民党の旧態依然たる体質、構造改革に反対する強力な勢力の存在を国民の前に露呈する結果になった。
小泉さんの人気が、そのまま 自民党の人気には結びつかなかったと言える。
それでも、自民党は 小泉ー安倍体制で総選挙を闘えたからこそ、何とか面目を保つことができたと言えるだろう。

 今回 民主党が採用したマニフェスト選挙は、功を奏した。
政権を目ざす民主党としては、政権与党の実績がないだけに、国民の不安を解消するためにも、民主党政権の具体的政策をマニフェストで示したことは、国民に好感を持たれたと思う。
 今回の総選挙で マニフェストという言葉が流行語になり、マニフェストが選挙の必需品のように思われ勝ちだが、マニフェストを作るかどうかは、勿論自由だ。
今回、特に民主党にとってマニフェストが有効だったというだけだ。
自民党の場合は、これまでの三党連立政権政治の是非を問う信任投票的色彩が強いため、マニフェストは、それ程意味を持たない。
公明党や保守新党は、初めから 自民党との連立与党を前提にしているので マニフェストの意味はない。
社民党や共産党のような少数政党も、政権を取る能力も意思もないのだから、マニフェストを作る必要はない。

 民主党は、今回の選挙を、政権を勝ち取る選挙、国民にとっては 政権選択の選挙と位置づけて闘った。岡田幹事長は、200議席がとれなければ 責任をとるとまで言っていたのだが、悲願の政権奪取を実現することはできなかった。
自民党が負けたとは言えないように、民主党も勝ったとは言えないのである。

 民主党が 今回の総選挙に勝利して 菅内閣を実現することは 元々無理だったようだ。
民主党が政権をとるには、まだまだ超えねばならない 高いハードルが沢山ある。
 今回、仮に民主党が衆議院で過半数をとり、菅内閣が成立したとしても、参議院では少数党であり、マニフェストの実現どころか、政権を維持できなくなる可能性さえある。
 民主党は、躍進したとは言え、まだ過半数の議席を確保できる態勢にはない。
元々民主党は、自民党的な考え方の持ち主から旧社会党まで 幅広い層を抱えているのに、総選挙前に自由党を合併したため、党としてまとまった政策ができるのか、もっと様子を見なければ、と不安視する国民も多かったはずだ。
例えば 国にとって最も大切な安全保障政策についても、左から右まで、あまりにも考え方が違う人々が集まっているため、党としての統一政策ができないのが致命的だ。
旧自由党の小沢氏は、国連決議があれば、多国籍軍に 自衛隊は 堂々と参加すべきだと言うのが持論だが、旧社会党系の者は、自衛隊の海外派兵など とんでもない、憲法違反だと主張している。
これでは、まだ民主党に安心して政権は任せられない。
民主党は、自由党吸収合併後も、国民の支持を殆んど失っている社民党に連携を働きかける等、政策よりも数合わせに汲々とする無節操ぶりに 不信感を覚えた国民も多いのではないか。

 選挙の際、国民に訴える公約やマニフェストは、実行可能な現実的なものにしてもらいたいし、人気取りのための無責任なパフォーマンスは止めてもらいたいものだ。
例えば、民主党内閣になったら、長野県知事の田中康夫氏を入閣させ、県知事と大臣を兼務してもらうと発表したが、こんな無茶な話はない。田中康夫氏の人気にあやかろうとするパフォーマンス以外の何物でもない。
民主党は、大臣や県知事の仕事は兼務できるほど そんなに軽いものだと思っているのかということになる。

 民主党が善戦し、議席を大幅に伸ばしたことは、2大政党時代への一歩を踏み出したように思われる。
しかし、その道は、まだまだ険しく 遠いと言わなければならない。
 民主党は、大幅に議席を伸ばしたとは言え、安定した支持者を得たわけではない。無党派層の大部分の票が、今回 民主党に流れたもので、民主党政権を支持したものとは必ずしも言えない。
自民党の勝ち過ぎを牽制するために 民主党へ票が流れたいう見方も強い。
民主党は、まだ新しいだけに、自民党に比べると支持者は少ない。これからの民主党にとっては、安定した民主党支持者を如何に開拓していくかが最大の課題だ。
そのためには、国政にとって最も重要な基本問題、例えば憲法問題、安全保障政策、将来を見据えた財政問題、社会保障問題などについて 党としてのキチンとした方針、政策を国民の前に明確に示すことができるかどうかにかかっている。

 自民党にも課題は多い。
当面は、やはり小泉公約の構造改革を着実に進めていくことだし、これに党が結束して協力する体制になり得るかどうかである。
これまでのように、構造改革路線に反対する抵抗勢力ばかりが目につく自民党では、国民の信頼は得られない。
これからは、古い体質を一掃し、常に新しい時代の二ーズに合った改革政党に生まれ変わらねば、自民党に明日はないし、早晩 民主党に取って代わられてしまうことになる。(2003.11.15)

 次回は〔第67回〕「辞めたくないと言った人達」(2003.12.01)

 【出来事】
  • 11月7日 アジア野球選手権最終日 日本チーム3戦全勝で優勝(対中国13対1 対台湾9対0 対韓国2対0) アテネ五輪への出場権獲得 於札幌ドーム
  • 11月9日 第43回総選挙投票日(投票率59.86%) 
  • 11月9日 大相撲九州場所初日(福岡国際センター)
  • 11月10日 保守新党 総選挙の惨敗を受けて解党 自民党に合流を決定
  • 11月13日 社民党土井たか子氏が総選挙の敗北の責任をとって党首を辞任
  • 11月13日 日本道路公団総裁に近藤剛氏(自民党参院議員62才)が内定