◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2004/08/15】



◇第84回◇
原子爆弾

 毎年8月になると、広島、長崎に投下された原爆のことを思い起こす。
無差別に何万〜何十万という人命を 一瞬にして抹殺した原爆は、誠に非人道的であり、国際法違反である。
第2次大戦中、ナチスドイツがユダヤ人を大量虐殺したことが、人類に対する犯罪として国際社会から厳しく追及されているのに、 広島、長崎の原爆投下については、戦争を早期に終結させるためにはやむを得なかったという原爆肯定論が、特にアメリカで まかり通っているのは、片手落ちであり納得できない。まさに、勝てば官軍、負ければ賊軍の見本だ。
 戦後半世紀以上も経っているのに、広島、長崎への原爆投下という非人道的行為の責任について論及する政治家はいないし、マスコミもアメリカの責任を大きく取り上げたことはない。
我々は、この問題についての恨みを、どこかの国のように、いつまでも執念深く持ち続ける気はない。
しかし、広島、長崎への原爆投下は、国際法から見ても許されい非人道的な行為だという評価を はっきりさせることが、今後の核兵器廃絶〜核兵器の使用を防ぐ基本になるからだ。
平和祈念式典は テレビで見ているが、両市長の平和宣言を聞いても、いつも非現実的な空しさが残るだけだ。
 広島の原爆慰霊碑に「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませんから」 と刻んであるが、私には これがどうしても理解できない。
アメリカが謝罪の意味を込めて書いたというのなら分るが、そうではない。
「過ちは繰り返えさせません」と書くのなら分るが…。
一体誰がこんな意味不明なことを書いたのだろう。愚かなことだ。

 作家 海野十三氏の「敗戦日記」によると
戦後間もない昭和20年9月3日、清瀬一郎氏( 弁護士、政治家、東京裁判では東条英機の主任弁護士となる )は、ラジオで要旨次のように述べていると言う。
『原子爆弾が人道に反し、国際条約に反することは歴然たり。こういうものを使用せる者こそ、戦争犯罪者であると思うが、それをどう処置するのか、今晩は議論するつもりはない。その被害の真相を今度の臨時議会において発表されんことを望む。そうすれば世界中へこの事が知れるであろう…』
*[参照] 〔第60回〕「海野十三」(2003.08.15)←クリック
*[参照] 「海野十三敗戦日記」 ←クリック



 平和を願わない者はいない。この世から核兵器が廃絶されることが最も望ましい。特に被爆国日本人にはその思いは強い。
しかし、我々の願とは裏腹に、米、英、仏、露、中に加えてインド、パキスタンも核兵器を保有しているのが現実だ。イスラエルも持っているかもしれない。
核兵器保有国に、核兵器の廃棄を求めることは難しい、と言うより現状では不可能だ。
 それならば、核兵器を絶対に使わないようにすることだ。幸い広島、長崎以降、核兵器が使われたことはない。
しかし、これからも使われないという保障はない。
如何なる場合でも、核兵器の使用については、国際社会が一致してこれを阻止しなければならない。核兵器を使用した国は、もはや存続が許されないくらいの制裁が必要だ。
 次に、新たな核保有国を作らないことだ。
今、北朝鮮の核開発が問題になり、同国の核放棄については、6カ国協議で議論されているが、一筋縄ではいかないようだ。
北朝鮮の核開発問題は、6カ国だけの問題ではなく、国際社会全体の問題として捉えるべきだ。
どうして国連で取り上げないのだろう。どうして国連に付託しないのだろう。国連は、まだまだ未熟で頼りにならないのが現状だ。

 これまで、核兵器を使うチャンスが多かったのは、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争等を行ってきたアメリカだ。
米、英、仏等の先進国は、自国本土が危険に晒されるようなことがないかぎり、核兵器を使用することはないだろう。
 危険なのは、核兵器を保有している独裁国や後進国だ。
とりわけ北朝鮮が核兵器を保有した時は、極めて危険だ。表現は悪いが、狂人に刃物と言ってよい。
特に地理的にも近い我国にとっては、極めて危険な存在と言わねばならない。

 我国には、反核平和団体と称して、原水協(原水爆禁止日本協議会)、原水禁(原水爆禁止日本国民会議)、核禁会議(核兵器禁止平和建設国民会議)なるものがある。
原水協は共産党系、原水禁は旧社会党系、核禁会議は旧民社党系で、いずれも当初から政治目的のために作られた団体、組織である。
特に、原水協や原水禁は、真の意味での反核団体でも平和団体でもない。
分りやすく言えば、反米、左翼団体で共産党や旧社会党の外郭団体的存在である。
これらの団体の最近の活動は、専らアメリカのイラク戦争反対、抗議に終始している。
イラクが核や生物化学兵器等の大量破壊兵器を持っているのではないかと言う疑惑から、イラク戦争は始まったのだが、これらの団体にとってイラクの核兵器保有等はあまり問題ではない。アメリカを叩くことが目的のようだ。
アメリカの核実験には激しい抗議行動を展開するのに、過去、ソ連、中国、インドやパキスタン等の核実験には、お題目程度に抗議を表明する程度で、強い抗議はしなかった。
特に最近の北朝鮮の核開発の動きについては、今最も重要な時期なのに、ほとんど鳴りを潜めている。
これが反核平和団体と言えるだろうか。

 広島の秋葉忠利市長は、読み上げた平和宣言の中で「政府は、世界に誇るべき平和憲法を擁護し、国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮をただすべきだ」と述べている。
これは、市長の立場を利用して、平和宣言の中に政治色を持ち込んだものだ。
憲法改正は、今や国民の過半数が支持し、今大きな政治課題になっている。改憲反対を叫んでいるのは、国民の支持を失った共産党や社民党だけだ。
「国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮」とは、何のことを言っているのだろうか。 国内外を問わず、戦争を欲し、平和を願わない国や人はいない。また、核兵器容認の風潮とは何を指して言っているのだろうか。
卑近な例では、北朝鮮の核開発を断念させるために6カ国協議が真剣に行われているではないか。
 せっかくの平和宣言も、これに政治色を持ち込んでは台無しだ。 ( 因みに秋葉忠利氏は社民党出身である )
 核のない平和な社会を望む一般の人々の純粋な気持ちを、政治目的のために利用しようとすることは卑劣な行為と言うべきだ。 (2004.08.15)

 次回は〔第85回〕「アテネ オリンピック」(2004.09.01)

 【出来事】
  • 8月4日 東京地裁 三菱東京 FGとの統合交渉差し止めを認めた仮処分決定に対するUFJ HD側の異議申し立てを却下
          UFJ HD側はこれを不服として東京高裁に抗告
  • 8月7日 第86回全国高校野球選手権大会 (夏の甲子園大会) 開幕
  • 8月7日 サッカーアジアカップ決勝で日本 中国を3-1で破り優勝 (2回連続 3回目 於北京)
  • 8月11日 日朝実務者協議(12日まで 於北京)
  • 8月11日 東京高裁 信託部門の統合交渉を禁じた東京地裁の仮処分を取り消し UFJ HD側の抗告を認め 住友信託銀行の申し立てを却下する逆転決定
          住友信託 高裁決定を不服として最高裁に特別抗告申立
  • 8月13日(日本時間14日未明) アテネオリンピック大会(第28回)開会式