◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2004/12/15】



◇第92回◇
2004年を顧みて

 今年は、全国各地で自然災害が多発し、多くの被害をもたらした。
夏には、新潟、福島、福井県等で集中豪雨による水害が発生した。
台風も観測史上最多の10個が我国に上陸し(これまでの記録は8個)、全国各地に多大な人的物的被害を及ぼした。
また、猛暑が続き 東京では真夏日の記録を更新したり、7月20日には39.5℃という観測史上最高の気温を記録した。
山奥に住んでいる熊が今年は、人里に出没して 住民に被害を与えるという 珍現象も生じた。
これらは、いずれも 最近の地球規模の異状気象によるものと思われる。
 今年最大の自然災害は、10月23日に発生した新潟県中越地震だ。(新潟県川口町で震度7)
死傷者こそ少なかったが、規模としては1995年の阪神淡路大震災に匹敵するものだった。
多くの被災者達は今だに、不便な厳しい生活を余儀なくされている。
今回は、特に激しい余震が長期間続いたため、多くの人が 長い間 避難生活を余儀なくされた。(一時は10万人以上の人が避難生活をした)

[京都清水寺にて]

多発した土砂崩れや道路の損壊に加え、河川が 土砂崩れで堰き止められ、自然湖が生れ、土石流の発生が懸念されている個所もある。早期復旧工事が必要だ。
 新幹線も開業以来はじめて脱線した。時速約200キロで走行中の上越新幹線が 地震の揺れで脱線しのだが、一人の負傷者も出なかった。200キロ以上で走行中の車両が脱線すれば、大惨事になるというのが常識だ。人的被害がなかったと言うのは幸運だったのだろうか、それとも安全対策のメカニズムがもたらしたものだろうか。
 因みに、今年の世相を表す漢字は『災』だった。

 スポーツ界でも話題が多かった。
8月13日から始まったアテネ オリンピックでは、連日 日本選手が大活躍し、日本中が沸いた。
女子マラソンの連続優勝、柔道、女子レスリング、水泳、男子体操、ハンマー投げ…etc 。
メダルも史上最多の37個を獲得した。(金メダルも史上最多タイの16個)
 《詳細については〔第85回〕「アテネ オリンピック」(2004.09.01)参照 》
 夏の高校野球甲子園大会では 南北海道代表の駒大苫小牧が優勝した。
北海道勢が全国優勝を果たしたのは、春、夏通して初めての快挙で、北海道では大いに盛り上がったようだ。
 プロ野球界では、オリックスと近鉄の合併問題に端を発した球界再編問題で、球団側と選手会側が対立して、プロ野球史上初のストライキが行われた。
楽天とライブドアーが新規参入の意向を示し、結局、楽天が来期から東北楽天ゴールデンイーグルス としてパリーグに参入することで決着した。(ホーム球場は仙台宮城球場)
ダイエー・ホークスもソフトバンクに売却されることが決まっているし、西武ライオンズにも問題があるようだ。
これらの問題は、全て球団経営に由来するものだが、パリーグのほとんどの球団が赤字だと言われており、これからも予断を許さない。
 国内のプロ野球の不人気を他所に、アメリカのメジャーリーグのイチローや松井らの活躍には素晴らしいものがあった。
特にイチローは、85年振りに、これまでの年間最多安打記録を2本上回る259本を打ち 記録を更新した。(これまでの記録は1920年ジョージ・シスラーが達成した257本)
これでイチローは、米球界に長く名前を残すことになるだろう。立派と言う以外にない。
 大相撲では、年間6場所の内、5場所で横綱朝青龍が優勝した。秋場所では大関魁皇が優勝して 11月福岡場所での横綱昇進が期待されたが、12勝3敗で 昇進ラインの13勝には届かなかった。
それにしても朝青龍は立派だ。気迫が違う。

 今年は7月に参議院選挙が行われ、民主党が昨年の総選挙に続き今回も大きく躍進した。
自民党は 目標議席数には及ばなかった。
共産、社民が大敗北を喫したが、その票が民主党に流れた形だ。
民主党は躍進したとは言え、政権党になるには まだまだ問題があり、道は遠いように思われる。

 小泉さんが掲げる構造改革も、掛け声だけは 大きくて立派だったが、見るべき実績はなかった。
道路公団は、2005年度中に民営化されることになった。しかし、民営化とは名ばかりで、以前 政府が決めた9,342キロの高速道路整備計画はそのまま温存され、民営化の最大の狙いであった不採算道路建設に対する歯止めの役割は全く期待できない。
これまでの高速道路建設の仕組みと ほとんど変わりがなく、期待された民営化による構造改革も 骨抜きにされてしまったと言っても過言ではない。

 今年は、景気も上向きになり、回復してきたと言われるが、あまり実感はない。
多少景気がよくなったとすれば、それは民間の企業努力と伸び続ける中国経済等の外的要因によるものであって、政府の経済政策によるものでないことだけは確かだ。

 国際問題では、今年もイラク問題が世界の関心事だった。
イラクでは、予定通り6月末にイラク人による暫定政権に主権が移譲されたが、テロは頻発し 治安は悪化する一方だ。
これでは、来年1月末に予定されている国民議会の選挙が実施できないのではないかと危惧されている。
 テロといえば、イラク以外でも頻発した。スペインのマドリードの列車爆破テロ(3月11日)、ロシア南部の北オセチア共和国での学校占拠人質テロ (9月1日) 等は多くの犠牲者を出し、世界を震撼させた。
 11月11日 パレスチナ解放機構 (PLO) のヤセル・アラファト議長が病死した。アラファト氏は強大な権限を一身に集めていただけに、今後の指導体制の成り行きやイスラエルとの関係、特に中東和平に与える影響が注目される。

 中国は、東シナ海で日本の排他的経済水域境界線付近でガス田開発に着手し、我国の海底資源に影響を与えかねない行為を行ったり、11月10日には 中国の原子力潜水艦が沖縄県・先島諸島周辺の日本領海を潜航侵犯する事件も発生した。(中国原潜の領海侵犯事件については、11月16日 中国側が領海侵犯の事実を認め遺憾の意を表明)
 去る11月、チリのサンティアゴで行われたAPECの際の日中首脳会談で、中国は相変わらず小泉さんの靖国参拝に反対の意向を表明している。これは明らかに内政干渉だし、こんな調子では中国は、まだまだ成熟した国とは言えない。
中国に対しては、はっきり 内政干渉だと抗議すべきだ。
靖国神社参拝についての小泉さんの姑息なやり方や曖昧な態度は、いつまでも相手方に外交カードを与え続けることになるだけだ。
 11月30日ラオスでの小泉、温家宝(首相)会談で取り上げられた中国に対するODA (政府開発援助) 中止問題について、政府は当初 中国側は「ODAの重要性は総合的に低下している」「適切な形で処理していくのがいい」と述べたと発表していたが、本当は「ODAの将来の打切りは理解しがたい。ODAを中止すれば両国関係ははじける」等と不快感を示したのが事実だと言う。
これでは まるで小泉さんは、中国から恫喝されているようなものではないか。
相手国に感謝されないようなODAは、即刻中止すべきだ。
政府は、国民感情に配慮して事実を発表しなかったようだが、事実を国民に隠すというのは、民主主義の根幹にも触れる許されないことだ。政府に対する国民の不信感を益々募らせる。

 平壌で行われた第3回日朝実務者協議 (11月9日〜14日) の際、北朝鮮から横田めぐみさんのものだとして提供された遺骨が、DNA鑑定の結果、贋物で 別人のものであることが判明した。(12月8日)
同時に また持ち帰られた松木薫さんのものだと言う遺骨は、今回も贋物だった。(松木薫さんについては、2002年9月末に日本政府調査団が、本人の遺骨と思われるとして持ち帰った北朝鮮提供の遺骨も 別人のものだった経緯がある)
虚偽の説明や資料の提出など 度重なる背信行為を行い、我国政府や国民を愚弄してはばからない北朝鮮とは、このまま交渉を続けても意味がない。相手方に厳重に抗議することで済む話ではない。
我国の姿勢を示すためにも、断固たる制裁措置を実施すべきだ。
 尚、北朝鮮問題については、前回、前々回の「小泉さんの北朝鮮政策を斬る」で述べたので、今回は詳述しない。(2004.12.15)
 *[参照] 〔第90回〕「小泉さんの北朝鮮政策を斬る〔T〕」(2004.11.15)←クリック
 *[参照] 〔第91回〕「小泉さんの北朝鮮政策を斬る〔U〕」(2005.12.01)←クリック

 次回は(第93回)「2005年を迎えて」(2005.01.01)
 【出来事】
  • 12月3日 第161臨時国会閉会
  • 12月6日夜 北海道根室沖で震度5強(M6.9)の地震
  • 12月8日新潟県警 北朝鮮が横田めぐみさんのものとしてとして提出した遺骨は別人のものと発表(DNA鑑定の結果2人分の人骨を検出)
  • 12月9日 政府 臨時閣議で自衛隊のイラク派遣の1年間延長を決める
  • 12月14日 北海道北西部の留萌地方で震度5強(M6.1)の地震