◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2005/01/15】



◇第94回◇
“拉致問題”認識で対応は変わる

 小泉さんが訪朝して、金正日が拉致を認めてから、2年半近くが経過したというのに、事態は全く進展していない。
北朝鮮は、拉致被害者や家族を即刻帰国させるのが当然なのに、総理大臣が行かねば帰さないと言う北朝鮮の非常識 無礼極まる態度を小泉さんや外務省は どう思っているのだろうか。
小泉さんは、何の疑問も抱かずに 昨年5月 拉致被害者の家族を迎えに行ったのだろうか。
いや、それどころか、米25万トンと1000万ドルの医薬品までお土産に持って行ったのだから、小泉さんは、外交能力の欠如と言うよりは、実にお目出度い人物と言うべきだ。

 北朝鮮側は、最初から、拉致したのは13人、内5名が生存、8人が死亡、それ以外は知らないと言っている。
金正日が、口頭で拉致を認めて謝罪し、生存者5人とその家族は帰したのだから、これで決着済みだというのが北朝鮮の態度だ。
北朝鮮は、この筋書きを 最後まで貫いて 拉致問題を一件落着にもって行き、早期に日朝正常化を図り、多額の経済援助を日本からせしめようとしている。

 小泉さんや外務省は、拉致問題をどのように認識しているのだろうか。
何の罪もない国民を、多数、日本国内で拉致し、北朝鮮に連れ去るという国家犯罪、しかも この主権侵害が今も続いているという事態を、本当に深刻かつ緊急な重大問題と受け止めているのだろうか。
 北朝鮮による拉致を、日朝間に存在するトラブル程度に捉えるか、「許しがたい残虐非道な国家犯罪」と考えるかによって 北朝鮮に対する対応は全く変わってくる。
これまでの小泉さんのやり方を見ると、拉致を日朝間のトラブル程度にしか考えていないようだ。「対話と圧力」と言っていること自体が、このことを物語っている。拉致という明白な「残虐非道な国家犯罪」に対し、最初から対話で臨むというのはどういうことか。犯罪国家に対しては、追及と要求あるのみではないか。
先ず、小泉さんや外務省は、拉致問題は「許しがたい残虐非道な国家犯罪」であることを 強く再認識することから 始めねばならない。

 これまでの日朝交渉では、北朝鮮の(筋書きに沿った)説明について、不十分な点や矛盾点の解明に終始してきたようだ。
北朝鮮は、横田めぐみさんや松木薫さんのものだと言って別人の遺骨を提供したり、矛盾する誠意なき回答に終始し、これが問題になっている。
北朝鮮は、日本側の遺骨の鑑定は、故意にねつ造されたものだと言ったり、遺骨と鑑定資料を渡せ等と要求していたが、更に 昨年暮には、日本側の姿勢に強い反発を示し、もはや日朝政府間協議の意義がなくなった等と言い出した。
*[参照] 「北朝鮮外務省スポークスマンの談話」←クリック
北朝鮮のこのような理不尽極まる態度は 予想されたことだし、この種の北朝鮮の主張は まともに応へる筋合いのものではない。
経済制裁の圧力をかけながら、更に追及して、拉致被害者を一刻も早く帰せと迫るだけだ。
遺骨が贋物だとか本物だとか、手違いがあったとか なかった等の議論は、拉致問題の本質ではなく、相手のペースに乗るだけだ。
(仮に、横田めぐみさんや松木薫さんが亡くなったという動かぬ証拠が出てくれば、死亡の事実がはっきりするだけで、それで家族や日本国民が納得することにはならないし、逆に北朝鮮側の責任を一層追及しなければならなくなる。)

 北朝鮮側の説明や提示された証拠についての真偽の追及も必要だが、これは全体からみれば、極く一部に過ぎない。
被害者(国)側の立場から包括的に問題を捉え、もっと本質的なことを追及すべきだ。
 具体的には、先ず「拉致したのは13人、内5名が生存、8人が死亡、それ以外は知らない」という北朝鮮の筋書きを追及して突き崩すことだ。
 また、拉致が如何に「許し難い残虐非道な国家犯罪」であるかを、北朝鮮に強く認識させる必要がある。そのためには、事ある毎に拉致が残虐非道な国家犯罪であることを相手方に繰返し主張することだ。

 拉致被害者が13人で、内8人もの人が 若くして亡くなるはずがない。
北朝鮮があくまでも死亡したと言うのなら、なぜ死亡したのかを徹底的に追及しなければならない。北朝鮮は、交通事故だとかガス中毒等といい加減なことを言っているが、そんな理由で 多くの人が死ぬとは極めて不自然で考えられない。
拉致被害者は、北朝鮮政府の管理下におかれていたはずだから、北朝鮮政府としては、当然 拉致被害者を保護する義務がある。一般人のように行き倒れで死ぬようなことは考えられない。
それでも8人は死亡したと言い張るなら、それでは北朝鮮が殺したのではないかと言うところまで 追及は 徹底しなければならない。

 北朝鮮が拉致した日本人が僅か13人であるはずがないことも、明白だ。
北朝鮮に拉致されたと思われる特定失踪者は、疑わしいものまで含めると300〜400人とも言われている。間違いなく拉致されたと思われる者だけでも相当数に上る。
例えば 蘇我ひとみさんは 母子同時に拉致されたのに、北朝鮮は 母親ミヨシさんについては 知らないと白を切っている。
ひとみさんを拉致した犯人を取り調べれば直ぐ分ることだ。(蘇我ひとみさんの話によると、1978年8月の拉致直後 女性工作員から母親は日本に返したと聞いていたと言う)
特定失踪者は数が多いだけに、その解明は極めて重要な問題だ。
特定失踪者の問題については、先方に証拠を突きつけるなど、最後まで徹底して追及すべきだ。

 最終的に、拉致問題にどういう形で幕を引くかは大変難しい問題だ。
最終局面では、北朝鮮の責任の取り方を問題にしなければならない。
拉致の首謀者や実行犯は、全て引き渡しを求めるべきだ。
拉致が国家犯罪であったことを再確認し、被害者や家族、日本国民への謝罪を内外に表明することを求めたい。
拉致被害者や家族、日本政府に対する損害賠償も求めなければならない。
 日本は、拉致の責任を問題にする意向であることを、今から北朝鮮側に伝えておくことも、我国の強い姿勢を示す意味で必要だと思う。

 拉致問題を「許しがたい残虐非道な国家犯罪」と認識するならば、北朝鮮に対しては、これまでのような生ぬるい対応にはならないはずだ。ところが 小泉さんが実際にやっていることは「対話と圧力」どころか「対話とお土産」だから話にならない。
 北朝鮮の度重なる不誠実な態度に、これ以上 つき合うべきではなく、事態を進展させるためには、経済制裁を発動するしかない。
我国だけの経済制裁では、効果がないと言う人もいるが、こんな人は初めから経済制裁反対論者だ。経済制裁は、相手に経済的ダメージを与えるだけが目的ではない。我国の毅然たる意志を示すために経済制裁は是非必要だ。
 いずれにしても、拉致問題は短期間で片付く問題ではないだろう。
我国にとって、北朝鮮と国交正常化を急ぐ必要が微塵もないことは、何度も述べてきた通りである。逆に国交正常化を急ぐことは、国益を害することにしかならない。 (2005.01.15)

 次回は(第95回)「小泉政治(公約)の中間検証(T)」(2005.02.01)
 【出来事】
  • 1月3日 第81回大学箱根駅伝競走 駒澤大学が優勝(4連覇)
  • 1月6日 インドネシア・スマトラ沖地震の津波被災国復興支援緊急首脳会議(小泉首相出席) 於ジャカルタ
  • 1月9日 大相撲初場所初日(両国国技館)