◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2005/02/15】



◇第96回◇
小泉政治(公約)の中間検証(U)

 小泉さんの公約には、「構造改革」や「規制緩和」と言う大きな公約の外にも、具体的なものがいくつかあり、そのいずれにも 国民は大いに期待した。
 その一つに、国債発行を30兆円以内に抑えるというのがあった。
小泉内閣が初めて編成した2002年度の当初予算では、国債発行は辛うじて30兆円以内に収めたが、ほぼ同時に 党内の補正予算編成の圧力に屈して あっさりと30兆円を超えてしまった。(否、党内の圧力に屈したのではなく、当初から補正予算を組む積りだったのかもしれない。それなら確信犯と言うべきだ)
その後も、国債発行を30兆円以内に抑えるという公約は、一度も達成されていない。
 財政改革については、2010年代初頭にはプライマリーバランス(財政支出が、借金に頼らず税収を中心に賄われているかどうかを示す指標)の黒字化を目指すと言っているが、こんな調子では、プライマリーバランスの達成どころか、我国は、益々財政破綻への道を進んでいると言うべきだろう。
 更にまた、国家財政がこんなに逼迫している時に、小泉さんは、自分の任期中は消費税は引上げないと わざわざ言明している。
将来、消費税の引上げが避けて通れないとするならば、小泉さんは 国民に誤ったシグナルを与えることになるし、国の将来に対して極めて無責任な態度と言わざるを得ない。
小泉さんは、任期中に消費税を上げる 上げないに拘わらず、逼迫した国家財政の実態を率直に国民に説明し、むしろ将来の消費税引上げの必要性を説くことが責任ある態度だろう。

 一内閣一閣僚という公約があった。 原則として途中で内閣改造は行わず、同一閣僚でいくという公約だ。
確かに、これまでのように頻繁に内閣改造が行われ、短期間で交代する大臣では、まともな仕事はできないし、これが官僚支配を助長する結果になってきた。
 しかし、自民党内からは、大臣のポストが廻ってこないという理由から、内閣改造の圧力が強まり、翌年(2002年9月)には改造を行わざるを得なかった。その後も毎年内閣改造を行っている。
自民党のやり方は、適材適所の大臣登用よりも 大臣就任の機会均等を優先させることのようだが、結局 小泉さんも この悪弊に従ったことになる。
 小泉さんについて 唯一つ評価すべき点は、組閣に当たっては、慣行になっていた派閥推薦人事を排除し、自ら人選を行ったことだ。これにより、党内派閥の存在価値を低下させたという意味では、評価してよいと思う。
しかし、その割には、歴代内閣に比べても 適材で優秀な大臣が起用されたとは とても言いがたく、資質に欠け 首を傾げたくなるような大臣も見受けられる。

 小泉内閣では、医療保険改革も行った。
抜本改革と言われたが、抜本には程遠く 厚生族や医師会との妥協の産物でしかなかった。
 小泉さんは この時、三方一両損と言った。
三方とは、診療側、患者側、保険者側を指しているが、患者と保険者は 支払側、即ち一般国民側である。
国民側対診療側という構図で捉えるべきであり、三方を同列に並べるのはおかしい。(保険者とは、国民から保険料を集めて医療費として診療側に支払うための機関で 患者側と同じ支払側である。したがって、国民は患者としての負担増と保険料の負担増のダブルパンチとなり、国民は3分の2の損、診療側は3分の1の損で、三方一両損ではない)
三方一両損と言った小泉さんは、国民を誤魔化すために言ったような気がしてならない。
 中途半端な改革に終ったため 近い将来、また見直しが必要になることは目に見えている。

 年金制度改革についても、これまでのところ中途半端になっている。
野党民主党と、年金一元化問題をはじめ 抜本改革についての協議の可能性は残している。
年金制度の問題点は、このままでは年金財政がもたない、 将来破綻してしまうというものだ。 これを避けるためには、年金額を下げるか、保険料を引上げるか、増税して税金を投入するかの方法しかない。
年金財政の実態を 国民に十分説明して理解を求め、将来に亘って持ちこたえられる抜本的な年金制度改革を行うべきだ。
 しかし、これまでの小泉流のやり方では、年金制度の抜本改革はとても無理だろう。
こんな調子では、またまた問題を先送りすることになり、国民の将来への不安を一層募らせるだけだ。

 世間ではあまり大きく採り上げないが、小泉政権の失政の一つに教育問題がある。
それは、ゆとり教育の名のもとに、子供達の学力を著しく低下させたことだ。
ゆとり教育で子供の自主性や個性を伸ばし、創造性を高めていく等という非現実的な方針により、学習内容を30%も削減する学習指導要領に作り変えてしまった。例えば、数学で円周率は3でよい、小数点2桁以下の掛け算はやらない、電卓を教室に持ち込んでよい、落ちこぼれをなくす…等々。
このような学習指導要領の改定は無責任と言うより、非常識と言わざるを得ない。
教職員のためにする週休2日制を、子供達のゆとり教育を理由にしたのも許せない。
 今、子供達の学力低下が大きな問題になり、再び見直しの機運が高まってきているが、これは当然のことだ。
就学児童を抱えている親達は、学力低下を心配し、文部科学省の学習指導要領に拘束されない私立の小学校に入れようとしたり、塾に通わせる等大変だ。
 これは、国の将来にも関わる重大問題だ。誰がどんな責任をとるのか。誰も責任をとらない。
無能な文部大臣を任命し、丸投げした小泉さんの責任は、計り知れないくらい大きいと言うべきだ。(2005.02.15)
 *[参照] 〔第7回〕「ゆとり教育について」(2001.06.01)←クリック

 次回は(第97回)「小泉政治(公約)の中間検証(V)」(2005.03.01)
 【出来事】
  • 2月1日 三宅島避難指示解除(4年5ヶ月振り)
  • 2月8日 イスラエルのシャロン首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長が首脳会談 相互に停戦を宣言 於エジプト
  • 2月9日 2006サッカーW杯アジア最終予選B組第1戦で日本は2:1で北朝鮮に辛勝 於埼玉スタジアム
  • 2月10日 北朝鮮外務省 6か国協議への参加を無期限に中断する 核兵器を製造保有している旨を公式に表明
  • 2月13日 女子ゴルフ国別対抗戦 第1回ワールドカップで宮里藍 北田瑠衣の日本チームが優勝 於南アフリカ ジョージ
  • 2月13日 1月30日実施のイラク国民議会選挙の開票結果を発表 イスラム教シーア派の「統一イラク同盟」が過半数を占め第一党に