◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2005/03/01】



◇第97回◇
小泉政治(公約)の中間検証(V)

 小泉外交について検証してみよう。
私は、我国の外交、即ち小泉外交に合格点はやれない。
 近隣の中国や韓国との間では問題が多い。
これまで靖国神社参拝や歴史教科書問題等を 中国や韓国が問題にしてきた。
韓国との間では竹島(島根県)の領有権問題、日本海の呼称問題(韓国は「東海」と主張)などがある。
中国とは、尖閣諸島や沖ノ鳥島をめぐる諸問題、東シナ海での日本の排他的経済水域境界線を越境しての海底資源開発、中国原潜の日本領海潜航侵犯事件、台湾の李登輝前総統へのビザ発給問題…等々。
 いずれも、我国に対する理不尽な主張、不当な要求や内政干渉ばかりである。
それにも拘わらず、我国の対応は、毅然たる態度どころか、弱腰外交一辺倒である。
我国に対する不当な要求や行為に対しては、毅然とした反論や抗議をすべきだ。
靖国参拝や歴史教科書問題については、内政干渉だと 何故はっきり言わないのだろうか。
中国や韓国が あくまで内政干渉を続けるなら、我国としても、両国がこれまで行なってきた理不尽な反日教育や捻じ曲げられた歴史認識についても抗議すべきだ。

 例えば、中国原潜の領海侵犯事件(2004年11月)では、早くから領海侵犯を確認しておきながら、敢えて 中国原潜が領海外に去るのを待って相手方に抗議をしている。相手方が領海侵犯中に 何故強制退去措置を講じないのか。この事件は、中国から はっきりした謝罪がないまま、うやむやになっている。
 昨年12月、台湾の李登輝氏へのビザ発給に対する中国側の抗議に対し、それは内政干渉だと何故堂々と言えないのだろうか。
新聞記者が、そのことに触れたら、小泉さんは、「中国には中国の立場もあるだろう」と言っていた。
実に情けない総理の発言ではないか。それでは日本の立場はどうなるのだ、「中国には中国の立場もある」とは まるで中国の首相の発言ではないか。
この時、政府は、与党議員には 李登輝氏と接触するなと言ったり、マスコミには取材自粛を要請している。中国を刺激しないための配慮と思うが、不当な抗議をする中国に対し そんな配慮は無用だ。中国側に誤ったシグナルを送ることにもなる。
私人である李登輝氏に ビザを発給するのは当然だし、民主国家である我が国内で、李登輝氏が誰に会おうと何を喋ろうと政府が干渉することではない。

 北朝鮮問題 特に拉致問題に関する小泉さんの外交姿勢についても触れざるを得ない。
小泉さんは今国会でも、相変わらず北朝鮮に対しては制裁ありきではない、と繰返し述べている。 去る2月10日、北朝鮮外務省が、6か国協議への参加を無期限に中断する、核兵器は製造し 保有していると 公式に表明した時も、小泉さんは、相変わらず経済制裁は慎重に の一点張りだった。
 横田めぐみさんの贋遺骨問題に関し、日本政府は、昨年末に続き、再度2月10日、DNA鑑定の科学的分析をもとに別人の物であることを文書で指摘し、抗議した。
これに対し、2月24日北朝鮮政府は、日本側の遺骨鑑定結果は絶対に受入れられない、日本側とこの問題で議論する考えはない。日本が経済制裁を含む厳しい対応をとれば、北朝鮮はそれに応じた行動措置を選択する旨を回答をしてきた。更に鑑定を捏造した責任者を処罰せよとまで言って開き直っている。
これに対する小泉さんの談話を聞いて驚いた。
「公式な発言と真意を見極めないといけない」と…。
北朝鮮政府が、北京の日本大使館経由のファックスで 日本政府に伝達してきた公式外交文書が、北朝鮮政府の真意でないかもしれないとは…。奇々怪々な話ではないか。
北朝鮮政府の公式文書が、北朝鮮政府の真意でないかもしれないなら、北朝鮮とは、交渉も対話もできないことになる。
経済制裁をしたくないという強い気持ちが、こんな非常識な馬鹿げた発言になったと思われる。
日朝平壌宣言以来、北朝鮮の戦術に翻弄され続けてきたことに、小泉さんは、まだ気付かないのだろうか。小泉さんから、拉致問題に関して北朝鮮を強く非難する言葉を、あまり聞いたことがない。小泉発言には、国民の気持を逆なでするものが多い。
 我国だけの経済制裁で、相手国にダメージを与えることは不可能だという慎重論がある。
しかし、日本は、拉致という卑劣、非人道的な国家犯罪を絶対に許さないという強い姿勢を示すために、経済制裁は是非発動しなければならない。経済制裁は、北朝鮮に対する大きなダメージにならなくとも、強い圧力になることは確実だ。
小泉さんは、口癖のように対話と圧力と言うが、これもおかしい。小泉さんはこれまで圧力をかけたことがあると言うのか。
小泉さんの発言は「日本で経済制裁の世論がどんなに高まっても、経済制裁はしないから、金正日様 どうか安心して下さい」と言っているようなものだ。
とても日本の総理大臣の姿勢とは思えない。北朝鮮に関する小泉外交は国益を害するマイナス点だ。

 小泉外交には、我国の国家としての意志や姿勢が見えない。日本政府の外交姿勢は、できるだけ相手の反発を避けることに重点が置かれ、常に曖昧な対応に終始し、その場凌ぎの傾向が強い。
このような外交姿勢は、国民から見れば、実に嘆かわしい限りだ。これでは、諸外国の信頼を得るどころか、軽く見られ、軽蔑されるだけだ。
こんな主体性のない外交が、近隣諸国(特に中国、韓国、北朝鮮)からの挑発や謂われなき主張や要求を誘発している。
外交の世界では、自国の正当な立場や主張を鮮明に示してこそ、諸外国からの真の信頼と尊敬を得られるものだ。

 小泉さんの政治を総括すると総理就任時の公約は力強くて立派だったが、これまでのところ 全てはスローガン倒れに終っている。
民間企業は、その時々の経済情勢や環境に応じて必要な構造改革を厳しくやり 時局を乗り切っている。
国民が期待した構造改革は、親方日の丸的な行政組織や特殊法人等の行政改革だが、これは官僚や族議員の抵抗で全く進んでいない。
 これまでの小泉政治を振り返ると、小泉さん自身の能力の限界も感じさせるが、彼の手法にも問題がある。
各省庁への丸投げは駄目だ。従来の慣行のみに拘り 既得権を守ろうとする各省庁官僚に丸投げしても、改革の企画立案は無理だ。
小泉さんには、重要なポイントを抑えて適格に指示してやらせる能力が欠けている。
したがって、最後は、各省庁の思惑通りに落着いて 当初の小泉公約(改革)は骨抜きにされてしまっている。
小泉さんは、自民党の人気取りには利用されても、反対勢力との妥協を強いられ、結局は族議員や官僚達にうまく牛耳られてきたとみるべきだろう。
例えば、既に述べた、対北朝鮮、中国、韓国等についての小泉外交は、かってあれだけ非難された外務省のやり方から一歩も出ていないどころか、小泉さんは外務省の意のままに動かされている。 他の省庁との関係についても同じことが言える。

 小泉さんの任期もあと約1年半で終わりだ。残された期間 当初の公約の結果を 少しでも出してもらいたいものだ。
彼が力を入れている郵政民営化についても、もう既に道路公団の二の舞、即ち形だけの民営化になりそうな気配である。
政府は、族議員や官僚との妥協策として、民営化後も 郵便のみならず郵貯や保険も全国均一サービスを新会社に義務ずけようとしている。
新しく発足する民間会社に、そのような足かせになるような規制を加えれば、競争力は維持できない。そうなれば 国は新会社に特別な優遇措置を与えざるを得ないだろう。
これでは何のための民営化か、民営化しても実質的に以前と同じなら 初めからやらない方が良い。
 民営化そのものが目的ではない。それによってどんな構造改革ができるのか、何を改革したいのか を見失わないよう 着実にやり遂げてもらいたいと思うのだが…。 (2005.03.01)

 次回は(第98回)「NHK 不祥事と受信料」(2005.03.15)
 【出来事】
  • 2月16日 茨城県南部で震度5弱の地震 (AM4時46分頃)
  • 2月16日 京都議定書が発効
  • 2月17日 全国知事会会長選挙 麻生渡福岡県知事を選出
  • 2月22日 イラン南東部ケルマン州でマグニチュード6.4の地震 死傷者多数
  • 2月23日 2月8日ライブドアがニッポン放送株35%を時間外取引で取得したことに対し ニッポン放送は同社新株を4720万株取得できる新株予約権を発行 フジテレビジョンに与えると発表
  • 2月24日 ライブドア ニッポン放送の新株予約権発行差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請
  • 2月26日 国産H2Aロケット7号機打ち上げ 成功