◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2005/03/15】



◇第98回◇
NHK 不祥事と受信料

 最近NHKの不祥事が明らかになった。
それは、元NHKのチーフ・プロデューサーが、平成9年から13年にかけて、芸能番組制作費を不正支出させ、その一部を着服したという事件だ。
NHKが、受信料で運営されている公共放送であることから、この不祥事に対する批判が巻き起こった。
特に、他のマスコミのNHKに対する批判は、非常に厳しかった。
このため、海老沢会長は、とうとう辞任に追い込まれた。
勿論、会長が内部の不祥事の責任を取って辞任するのは当然だし、むしろ遅きに失した感がある。
しかし、マスコミは、海老沢氏個人を悪玉に仕立ててしまったのは 行き過ぎで、ご本人には いささか同情している。
この種の不祥事は、世間では決して珍しいことではない。
外務省や厚労省(社会保険庁)の不祥事もまだ耳新しいし、こちらは もっと規模も大きくて悪質だ。 しかも、官僚の不祥事の責任は、誰も取らないではないか。
これに、比べれば、海老沢氏の引責辞任は、遅きに失したとは言え、まだ ましな方だ。

 NHKへの不信感が、受信料不払いを誘発させているようだが、これは遺憾なことだと思う。
平成17年度のNHK予算案によると、これまで増加してきた受信料収入が、今回初めて6,550億円(16年度)から6,478億円へと72億円減少している。これは受信料不払を見込んだものだ。
NHKでは この収入減に対処するため、全職員の給与削減(役員報酬と職員給与で28億8,000万円削減)により 経費節減を行う方針だという。
受信料不払い傾向が、更に強まれば、受信料収入を基盤とする公共放送としてのNHK経営の根幹すら揺るがしかねない。
 放送法(第32条)には、NHKの放送を受信できる受信機を持つ者は、NHKと受信契約をしなければならない、即ち、受信料の支払義務を定めている。
受信料不払いは、罰則はないが、明らかに法律違反なのである。
 しかし、マスコミ、特に民放報道では、受信料不払いを煽るような論調が目立った。
悪いのはNHKだから、受信料不払いは理解できるとか、不払いを解消するには NHKの信頼回復が先だ等と不払いを是認するような報道姿勢を取っている。
しかし、NHKに対する批判や不信を受信料不払の形で抗議するというのは筋違いだ。不祥事と受信料は全く別の問題だ。
 受信料を払わない不心得者の分は、他の視聴者(国民)が負担しなければならない。正直者がバカを見ないためにも、また国民共有のNHKの健全な運営のためにも受信料不払が許されないのは当然だ。
 政府部内に、受信料不払については 罰則を設けるべきだという考え方もあるようだが、私は賛成だ。

 国民の受信料で成立っているNHKには、公共放送として 特に、不偏不党、公正で質の高い番組放送が求められる。
民間放送とは違うのだから、視聴率に拘る必要はない。質の高い放送は、自ずから視聴率を高める。
公共放送としてのNHKは、民間放送とは一線を画してもらいたい。
 視聴率至上主義の民間放送には、どうしても興味本位の低次元の番組が多いし、報道番組には偏向したものも多い。
例えば、テレビ朝日の「報道ステーション」は、お粗末で偏ったキャスターによる偏向報道番組だ。
テレビ東京の経済報道番組「ワールド ビジネス サテライト(WBS)」は、夜11時からだが、好感が持てる。
 憲法で保障されている言論や表現の自由は、マスコミと言えど無制限に許されるものではない。
電波という公器を使う以上、民間放送にも公共性や社会的責任が求められる。民間放送の一部に偏向報道が見られるのは遺憾なことだ。
 【参考 放送法第3条の2】
  放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
  1. 公安及び善良な風俗を害しないこと。
  2. 政治的に公平であること。
  3. 報道は事実をまげないですること。
  4. 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 NHKも報道の独立性の見地から、外からの圧力(含 政治的圧力)には 左右されないと言っている。当然だ。
しかし、それは公共放送としての使命が果たされていることが条件だ。
もし仮に偏向、不公正な報道や低劣な番組放送がある等 あるべき公共放送から逸脱した場合は、所轄の監督官庁からの指摘や指導を受けることは当然であり、関係方面からの批判も受けなければならない。これらは 政治の不当な干渉には当たらない。
 また、NHKは国民の受信料で成立っているのだから、より効率的な運営のための改革も常に求められる。
 公共放送NHKに対する国民の期待は大きい。今回の不祥事を教訓に、健全な発展を期待したい。 (2005.03.15)

 次回は(第99回)「人生、生きちょるだけで丸儲け」(2005.04.01)
 【出来事】
  • 3月2日 平成17年度一般会計政府予算案(82兆1829億円) 衆議院本会議で可決 参議院へ送付
  • 3月8日 フジテレビ ニッポン放送株の公開買い付け(TOB)で発行済み株式の36.47%を確保 TOBが成立と発表
  • 3月9日 北京の日本人学校に 北朝鮮から逃れてきた脱北者8人が韓国への亡命を求めて駆け込む
  • 3月11日 東京地裁 ライブドア側の申請を認め ニッポン放送の新株予約権発行差し止めを命じる仮処分決定 これに対しニッポン放送は即日異議申立
  • 3月13日 大相撲春場所初日(大阪府立体育会館)
  • 3月13日 千葉県知事選挙 堂本暁子氏が、森田健作氏を僅差で破り再選