◇第105回◇
郵政民営化問題
今、国会では郵政民営化をめぐって激しい議論が行われ、大詰めを迎えている。
小泉さんは、1992年郵政大臣就任の時から郵政民営化を訴えてきたが、郵政族の強い抵抗により実現しなかった。
彼は、過去2回の自民党総裁選で、構造改革、特に郵政民営化を最重要公約に掲げ総裁選を勝ち抜いてきた。
また、小泉政権下で行われた国政選挙でも、郵政民営化は自民党の公約となり、国民の支持を得てきた。
しかし、郵政民営化問題についての国会審議が近づくと、自民党内の反対勢力の声がにわかに大きくなってきた。
一体これはどういうことだろう。
自民党議員は、郵政民営化を掲げる小泉さんを総裁に選んでおきながら、いざとなると反対するとは…。
また、国民に対しても公約違反になる。
これでは、小泉さんを総裁に選んだのは、彼の人気を利用した自民党の選挙対策でしかなかったということになる。
いや自分は総裁選の時 小泉さんを支持しなかった と言ってみても、郵政民営化は、小泉さんが総理、総裁に選ばれた時から、既に自民党の大きな公約になっていたのである。
郵政民営化関連法案は 4月下旬(27日)に 今国会に提出された。また、5月20日には これを審議するための郵政民営化特別委員会も設置された。
日本郵政公社の民営化は、2007年4月から実施されることになっている。
郵政民営化の形態は、国が100%出資する持ち株会社の傘下に、窓口ネットワーク会社(郵便局を管理)、郵便事業会社(郵便・物流業)、郵便貯金銀行(銀行業)、郵便保険会社(生命保険業)に4分社化される仕組みになっている。
郵政民営化問題は、与野党の対立のみならず、自民党内に根強い反対勢力があるため、難航している。
政府は、今国会での成立を図るため、6月19日までの会期を、8月13日まで55日間延長した。
しかし、前途は多難である。党内の反対勢力(自民党郵政事業懇話会=会長 綿貫民輔議員)は 堂々と反対集会を開いているし、国会会期延長に際しても 綿貫議員らは採決に欠席している。
自民党内をまとめるための修正案が、6月28日の総務会で賛成多数で了承されたが、反対派が納得したわけではない。
衆院郵政民営化特別委員会では、7月4日に採決を行い、政府側としては、翌5日の衆院本会議での法案通過を図ることにしているが、予断を許さない。
民主党など野党の動きは、郵政民営化問題について具体的な考え方も示さず、ただ、小泉政府に反対のための反対としか国民には映らない。
特定郵便局が、一部自民党議員の集票マシンになっているが、この集票マシンを守るために郵政改革に反対するとは情けない。(野党側も郵政労働組合が集票マシンになっている)
今時、特定郵便局が世襲制であるのもおかしいし、郵便事業も民間宅配メール便と堂々と競争させればいい。(民間業者に対する規制は撤廃すべきだ)
今でも 規制されている民間の宅配メール便の方が安くて便利な部分もある。民間宅配便は過疎地にも配達しているし、郵便事業の民営化は国民に不便をもたらすと言うのは、反対のための方便だ。
小泉さんは当初から、構造改革を掲げて登場し、道路公団民営化をはじめ 数々の改革を手がけてきた。しかし、そのほとんどが党内の抵抗に遭い、妥協の結果 骨抜きになり、国民の期待とは程遠いものになっている。
小泉政治には、内政、外交とも 毅然たるものが欠けている。このため折角の改革も骨抜きにされ、国民の期待を裏切る結果になっている。
また、自民党は、小泉政権下で、いかに保守的であり、改革に後ろ向きであるかを白日の下にさらけだす結果になった。
小泉さんの任期もあと1年余りになった。彼としては小泉内閣最後の総仕上げという意味もあるだろう。
郵政民営化に執念を燃やす小泉さんの気持ちはよく分るし、今度こそ毅然として 是非 初心を貫徹してもらいたいと思う。
郵政民営化が中途半端になるような妥協は、絶対にすべきではない。是非、完全民営化を実現すべきだ。
もし、郵政民営化法案が否決されたり、廃案になったり、更に妥協しなければ法案が通らないような事態になったら、小泉さんは堂々と国会を解散すべきだ。
その結果は、これ程改革に後向きな自民党を 国民は 支持しなくなるだろう。(2005.07.01)
次回は(第106回)
「ロンドンの同時多発テロ」(2005.07.15)
【出来事】
- 6月15日 東北南部(福島、宮城、山形)が梅雨入り
- 6月17日 衆議院 6月19日で切れる今国会会期の55日間延長(8月13日まで)を自民 公明の賛成多数で議決
- 6月20日 小泉-盧武鉉日韓首脳会談(於ソウル)
- 6月26日 茨城県の養鶏場で鳥インフルエンザウイルス(H5N2型)を確認
- 6月27日 東北北部 北陸地方が梅雨入り 沖縄奄美地方梅雨明け
- 6月27日 天皇 皇后両陛下 戦没者慰霊のためサイパン島へ(28日まで)
- 6月28日 新潟県など北陸地方を中心に豪雨
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