◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2005/07/15】



◇第106回◇
ロンドンの同時多発テロ

 去る7月7日午前9時頃、ロンドンの中心部で同時多発テロが発生した。
地下鉄の3カ所と2階建てバスを狙った同時爆破テロであり、確認された死亡者数は53人 行方不明31人(7月14日現在)、負傷者700人以上という大惨事になった。(もし、地下鉄で火災が発生していたら、もっと被害は拡大していただろう)
通勤時間帯を狙った極めて巧妙かつ組織的な犯行である。
 ロンドンでは、前日(6日)のIOC総会で 2012年のオリンピック開催が決まり、歓喜に沸き立っていたのが、一転して恐怖と混乱に陥った。
当時、英国では、サミット(主要国首脳会議)がスコットランド グレンイーグルズで開催中であり、そのため ロンドンの警備が手薄になった時期を狙ったものだろう。併せて サミットへのダメージをも狙ったものと思われる。
 事件直後、「欧州の聖戦アル・カーイダ組織」を名乗る集団が、犯行声明を出している。
7月12日、ロンドン警視庁は、テロ実行犯 容疑者として パキスタン系英国人4人を特定したと発表したが、これらの容疑者は 爆死しており、自爆テロの可能性が強いと言われている。(首謀者についても、英捜査当局は 事件前日に出国した男性を特定したとしている。)

 類似の同時多発テロとしては、2001年9月のアメリカの同時多発テロ事件(いわゆる911事件)や昨年3月のスペイン・マドリードでの連続列車爆破テロ事件に次ぐものであり、国際社会に大きな衝撃を与えた。
通勤時間帯のラッシュ時に、公共交通機関を狙い、一般の市民を無差別に多数殺傷すると言う極めて残虐非道な犯行である。
この種のテロは、アメリカ、スペインやイギリスに対する攻撃と言うより、国際社会や人類に対する挑戦と見るべきだろう。

  これまでも、テロが起こるたびに 各国ともテロを非難し、国際社会が協力してテロに対処すべきだと言ってきた。
しかし、今回の事件を見ても テロ集団は、益々組織力を強め、手口も巧妙になっているように思われる。
テロに対する国際社会の結集は、まだまだ不十分だと言わざるを得ない。
テロを非難するだけでなく、テロ撲滅のための行動を起こすべきだ。テロの報復を恐れて消極的になるようではテロの思う壺だ。
イラク問題をめぐって、米英と仏独はしっくりいっていないし、テロ対策について国際社会が十分連携しているとは言い難い。
 今回のロンドンの同時多発テロを機会に、国連でもこれを取り上げて、テロ撲滅に向けての国際社会の再結集を図るべきだ。
このままでは、テロ集団は、益々勢力を拡大し 近代兵器(含、核兵器)を入手する危険もなしとしない。

 「欧州の聖戦アル・カーイダ組織」と名乗る組織が、犯行声明を出したり、英捜査当局は首謀者や4人の実行犯を特定しているが、テロ組織の正体は不明である。
しかし、これまでの一連の同時多発テロは、イスラム過激派による犯行であることは間違いないだろう。
これまで、イスラム諸国は、同時多発テロを非難はするが、積極的ではない。
イスラム過激派の報復を恐れているように思われる。
他の国々に比べると、イスラム諸国の方が、イスラム過激派に対して影響力を持っているだろう。
テロ撲滅に消極的な国は、イスラム諸国を含めて国際社会から非難されるべきだ。

 我国も同時多発テロの標的の例外ではない。
無防備な東京などへのテロ攻撃は 実行しやすく、犯人達がその気になれば、格好の標的になるのではないか。特に自爆テロでもやられたら、打つ手はなく 全くお手上げ状態だ。
我国もテロの標的になっているいう前提で、国際社会との連携を密にし 十分な警戒措置を講ずべきことは言うまでもない。

 我国は、テロ行為を安易に許した実績がある。
 一つは、オウム真理教による地下鉄サリン事件を始めとする一連の無差別大量殺傷事件を未然に防止できなかったことである。
我国では、国中を震撼させたオウム真理教に対してさえ、破防法反対の意見に影響され、破防法は適用されなかった。まことにおかしな国だ。仮に日本で同時多発テロが起きても、破防法適用せずと言う意見があれば、それはもう世界の笑いものだ。
 もう一つは、北朝鮮工作員を、いとも簡単に 国内に侵入 上陸させ、何の罪もない一般市民を多数誘拐拉致するという北朝鮮の国家テロ行為を防げなかったことだ。
当時、拉致を防ぐどころか、拉致は でっち上げだと言う北朝鮮の主張に、社会、共産両党は勿論 自民党の中にも これに同調した愚かな国会議員が大勢居たという事実を忘れてはならない。。
 オウム真理教や北朝鮮の行為は、明らかにテロ行為だ。この二つの事件についての検証は まだ十分行われていないし、これを許した責任の所在は、うやむやにされてしまっている。
我国が、テロ撲滅に真剣に取組むと言うのなら、先ずこの2件(オウムと北朝鮮の拉致)の責任の所在の明確化を含めて、再検証することから始めねばならない。(2005.07.15)

 次回は(第107回)「保守と革新」(2005.08.01)
 【出来事】
  • 7月5日 郵政民営化関連法案 僅差(賛成233 反対228)で衆院本会議で可決(自民党から37の反対票 棄権14人) 参院へ送付
  • 7月6日 2012年の第30回夏季オリンピック大会開催地 ロンドンに決まる(IOC総会 於シンガポール)
  • 7月6日(日本時間7日) 第31回サミット(主要国首脳会議)開幕 於 英スコットランド グレンイーグルズ(8日まで)
  • 7月6日 G4(日本、ドイツ、インド、ブラジルの4か国グループ) 安保理拡大の枠組み決議案を国連事務局に提出
  • 7月7日 ロンドンの地下鉄やバスで同時テロによる爆発があり死傷者多数
  • 7月10日 九州地方で豪雨 水害により死者行方不明者あり
  • 7月10日 M5ロケット6号機(エックス線天文衛星「アストロE2」を搭載)打上げ (「すざく」と命名)
  • 7月10日 大相撲名古屋場所初日 (愛知県体育館)
  • 7月12日 日米外相会談(町村外相-ライス国務長官)於外務省 その後ライス国務長官は小泉総理と会談(於首相官邸)