◇第108回◇
終戦の詔勅(玉音放送)
今年も また8月15日の終戦記念日がめぐってきた。
60年前の昭和20年8月15日の正午、天皇自らの声による終戦の詔勅が全国に放送された。
当時、国民の大部分は、この玉音放送によって 初めて戦争の終結を知ったのである。
前日の8月14日には、閣議や御前会議での天皇の聖断も下るなど、所定の手続きは全て終了していた。
国民が、天皇の声を直接聞いたのは、これが 初めてだったはずだ。
戦争の終結(敗戦)を国民に周知させるには、天皇が自らの声による終戦詔書の放送が必要だったのだろう。
実際、戦争終結に反対する過激分子が、玉音放送を阻止しようとして、15日未明には 一時皇居を占拠したり、NHKや首相官邸を襲撃するなど、玉音放送の録音盤(レコード)奪取のクーデター的な動きもあったが、無事放送することができた。
事前に 正午から重大放送があると何度もラジオで予告していたので、ほとんどの国民がこの放送を聞いたはずだ。
しかし、雑音が多くて、内容を十分聞き取れず、例えば「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び…」などが部分的、断片的に聞き取れたという人も多かったようだ。
昭和20年(1945年)8月15日に玉音放送が行われたことを 知っている人は多いが、玉音放送の内容(終戦の詔書)を理解している人は、当時玉音放送を直接聞いた年配者も含めて 案外少ないのではないかと思う。
ここで玉音放送の内容(終戦の詔書)を 改めて 読んでみたい。当時の戦争に対する国の考え方、終戦を決意するに至った経緯などを垣間見ることができる。
終戦の詔勅(玉音放送の内容)を見るには、右をクリックして下さい⇒「終戦の詔勅と口語訳」(クリック)
終戦の詔勅の要点のみを、分り易く 箇条書にすると次のようになる。
- 米国、英国、支那(今の中国)、ソ連(今のロシア)に対して ポツダム宣言受託を通告したこと。
- 国民の無事平穏と世界の国々との共栄を図ることが、我国の昔からの伝統的な考え方であり、その方針に則ってこれまでやってきたこと。
- 先に、米国、英国に宣戦したのも、我国を守り、東亜(東アジア)の安定を願ってのことであり、外国の主権を侵害したり、領土を侵略するような意図は全くなかったこと。
- 開戦後4年が経ち、我国の軍人達も勇敢に戦い、公の人々はもとより 1億国民が国のために身をささげて最善を尽くしてくれたにも拘わらず、戦局は好転せず、世界の大勢も我国に有利にならなかった。
- 敵(アメリカ)は、新たに残虐な爆弾(原爆)を用い、むやみに罪なき人々を殺傷し、計り知れない惨害をもたらしている。
このまま戦争を続けたら、しまいには我が民族の滅亡を招くだけでなく、人類の文明破壊にもなりかねない。
こうなったら、伝統ある我国を維持していくことができなくなる。
このようなわけで、ポツダム宣言を受託することにした。
- 我国と共に、終始 東亜の解放(東アジアの欧米による植民地からの解放)に協力してきた諸国には、申し訳なく、遺憾の意を表明せざるをえない。
- 戦死したり、殉職するなど 心ならずも命を落した国民やその家族の気持ちを思うと 身が張り裂けそうである。
戦争で負傷したり、被災したり、仕事を失った人々の再起については、大変心配だし、心が痛む思いである。
- これから先 我国が受ける苦難は大変なものがあると思う。国民の皆さんの心の奥底の不安な心情もよく分る。
しかし、どんな運命が待ち受けているか分らないが、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで 永遠の世界平和を切り開いていきたいと思う。
- このような国家存亡の非常時に際し、自暴自棄から、むやみに事を荒立てたり、国民同士が仲違いをしたり、社会秩序を乱すようなことがあれば、大きな道を誤り、世界の信用を失うことになる。そのような事態になることは避けねばならない。
- 国の再建への道程は長く 厳しいものであると思うが、日本は不滅であることを信じて 将来への建設に総力を挙げていかねばならない。人の道(道徳)を守り、固い信念を持って我国の輝かしい真価を発揮し、世界の流れに遅れないようにしなければならない。
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改めて終戦の詔勅を読んでみると、その内容は、今でも どこに出しても恥ずかしくない 仲々立派なものではないか。
終戦の詔勅には、世界の国々との共栄が我国先祖伝来の遺訓であり、他国の主権を侵したり、侵略する意図は全くないことも述べている。
開戦も自衛のための戦争であったこと、欧米諸国による東アジアの植民地支配からの解放も意図していたこと、アメリカの非人道的な原爆についても触れている。
私は、大東亜戦争を肯定する気はない。
しかし、当時の時点に立ち返り、戦争に至った経緯などを我国の立場から見ると、日本は それほど非難さるべきではない。
もし、仮に日本が大東亜戦争に勝利していたら(そんなことはあり得ないだろうが)、欧米諸国によるアジアの植民地は、全て日本によって解放されたことになり、大東亜戦争は 聖戦だったとして歴史に名を残しただろう。
日本は 戦争には負けたが、大東亜共栄圏構想の大東亜戦争が、結果的に 欧米諸国によるアジアの植民地支配からの解放、独立の契機になったことは確かであり、評価していいだろう。
今だに、中国や韓国は、反日教育や反日姿勢を取り続け、捏造された誤った歴史認識を我国に強要しようとしている。
歴史の捏造は許されない。中国や韓国の自国に都合がいいような歴史捏造や政治的捏造は決して許してはならない。
しかし、正しい歴史(正確には史実)でも、立場や時代によって その評価は異なると思うし、それはそれでよいと思う。
例えば朝鮮征伐をした豊臣秀吉は、日本では英雄でも、韓国では侵略者の悪玉だ。それはそれでよい。
終戦の詔勅の内容についての評価も、人により異なるだろう。
しかし、歴史教育の中で、終戦の詔勅の内容は 客観的な史実として是非教えるべきだと思う。(2005.08.15)
次回は(第109回)
「郵政民営化で揺れる自民党」(2005.09.01)
【出来事】
- 8月3日 東北南部地方(宮城、山形、福島) 梅雨明け
- 8月4日 東北北部地方 梅雨明け
- 8月6日 第87回全国高校野球選手権大会 (夏の甲子園大会) 開幕
- 8月7日 北朝鮮核問題をめぐる6ヵ国協議(於北京)の休会(中断)を決める
- 8月7日 拉致問題に関する日朝2国間協議(於北京)
- 8月8日 郵政民営化関連法案 参院本会議で賛成108票 反対125票で否決(自民党から22の反対票 棄権8人)
- 8月8日 小泉総理 郵政民営化法案否決で衆議院を解散(総選挙日程 8月30日公示 9月11日投票)
- 8月9日 米スペースシャトル「ディスカバリー」(野口聡一氏搭乗) 帰還 (ケネディ宇宙センターへの着陸予定を悪天候のため変更し カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に着陸)
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