◇第115回◇
靖国問題を考える(U)
総理の靖国神社参拝に反対する人達は、憲法第20条【信教の自由、国の宗教活動の禁止】に違反するからだと言う。
小泉さんが、戦没者を供養したいという自らの想いに従って参拝するのが、どうして憲法違反になるのか、私には理解できない。
首相が、参拝することによって信教の自由が犯されることはないし、靖国神社が国から特権を受けることもない。
国や地方公共団体が施設を造る時の地鎮祭や安全祈願は、ほとんど神式で行われるのに問題にならないではないか。
また、伊勢神宮参拝も誰も問題にしない。
首相の靖国神社参拝 即憲法違反と言うならば、地鎮祭も安全祈願も全て憲法違反ということになる。
首相の靖国参拝が、国の宗教活動に当たると言う主張は、政治的な意図や靖国神社に対する偏見によるものと言わざるを得ない。
多くの日本人は、正月には初詣、結婚式は神式やキリスト教で、葬式は仏式が多い、またクリスマスも祝うが特別な宗教意識はない。
今でも 全国各地にお宮があるし、多くの家庭では生れた子供のお宮参りをするし、七五三は神社で、受験生は天満宮に合格祈願に行く。安全祈願は、お寺や教会ではあまり行わない、神棚に祈願したり、神社に行くのが常識だ。
日本人にとって、神社や神道は、人々の心に深く根付いた風習であり、伝統でもある。信教の自由等というものとは次元が違う。
なぜ靖国神社だけを問題にするのか、その裏には特別な意図を感じる。
政治と宗教が深く結びついているのは、公明党と創価学会の関係だ。
公明党が政教分離しているといくら弁明してみても、公明党が創価学会を母体にして作られていることは否定できない。
創価学会の意向を無視して、公明党の存在はあり得ないのである。まさに政教一致の典型だ。
もし、宗教と政治の結びつきを問題にするのなら、公明党と創価学会の関係こそ問題にすべきだ。
公明党には、政治と宗教のかかわりを議論する資格はないと言うべきだろう。
これまで靖国参拝をめぐる裁判では、総理の参拝を不当とする原告側の損害賠償や慰謝料請求は、憲法判断をするまでもなく 根拠なしとして棄却しているのが大多数の判決だ。
しかし、昨年4月の福岡地裁の判決に続いて、今年9月の大阪高裁の判決では、主文では原告の請求を棄却しながら 傍論の部分で、首相の靖国神社参拝は違憲だと述べている。異常な判決だ。
即ち、大阪高裁判決(福岡地裁も同じ)では、首相の参拝で 原告が信教の自由を犯されたことはないとして 原告側主張の賠償責任を認めず敗訴とし、被告(国側)を勝訴にした。
原告側は、敗訴したにも拘わらず、憲法違反を勝ち取った?として上告しなかった。上告すれば、首相の靖国参拝合憲の最高裁判決が出ることを恐れたためだ。
被告(国側)は勝訴したため、最高裁への上告の道は閉ざされてしまった。
跡に残ったのは首相の靖国参拝は憲法違反だという大阪高裁の意見だけだ。勿論、これに拘束力はないけれど、社会に与える影響は大きい。
合憲か違憲かの憲法判断は、最終的には最高裁が判断することになっているのに、大阪高裁は、判決に直接関係がない憲法判断に敢えて言及し、被告側の上告の道を封じてしまった。これは、三審制を採る我国裁判制度の趣旨にも反するものと言わざるを得ない。
この裁判官の手法は、判決を利用して 自らの政治的な意見を一方的に述べ、反論を許さない卑怯なやり方だと言うべきだ。
大阪高裁は 小泉さんの参拝は、総理の職務として行われたもので、憲法第20条【国の宗教活動の禁止】に違反し、憲法違反になると決めつけている。
大阪高裁は、首相の参拝が国の宗教活動になる理由について色々述べているが、法的に意味があるものは皆無である。
例えば
小泉さんが、私的参拝と言っていないから、公的参拝だと決めつけているが、一つ一つの行動に、これは私的だとか公的だとか言う必要はないだろう。また、私的とも公的とも言わないから 公的だと決めつけるのは、あまりにも一方に偏し、独断的だ。
秘書を連れて公用車で参拝したから公的参拝だと言う。一国の総理大臣が1人でタクシーや電車で行く姿は 想像さえできない。
三権の長(総理大臣、衆参議長、最高裁長官)や大臣等の要人は、私的行事でも 安全上の見地からも公用車を使うことが多い。
これらの人達は、飲み屋に行く時でさえ、SPがついてくるほどである。
大阪高裁の判事は社会常識を著しく欠くものと言わざるを得ない。また靖国神社に対して 余程偏見を持っているのだろう。
また、近隣諸国が反対しているのに、参拝した…とも述べている。
近隣諸国との関係は、国の外交に関すること、即ち行政に属することだ。裁判所が 近隣諸国との関係…云々と言うことは、司法の行政に対する介入の恐れがあり、三権分立の原則に反する行為で許されないことだ。
裁判官としての資質を疑われても仕方がない。
最近靖国問題を解決するために、無宗教の国立戦没者追悼施設を造る動きがある。
去る11月9日、自民、公明、民主3党の有志議員による「国立追悼施設を考える会」(会長=山崎拓・自民党前副総裁)の設立総会が行われた。
お互いに“靖国で会おう”と言って国のために散っていった英霊を心から供養しようとする者が、どうして靖国神社以外の新興施設等に参拝する気になるだろうか。
靖国神社は、日本人の心の奥にある何物にも替え難い存在だ。
新しく追悼施設を造っても、それが靖国神社に取って代ることなど到底考えられない。
韓国が、戦没者の新しい慰霊施設を造るよう要求しているが、これこそ要らぬお節介、内政干渉もいいところだ。主権国家なら、内政干渉だとはっきり抗議すべきだ。
今 この時期に追悼施設を造るという発想は、中国や韓国に迎合した売国的行為といわれても仕方がない。
去る11月11日、日韓議員連盟は ソウルで行われた合同総会での共同声明に “靖国神社とは別の新たな追悼・平和祈念施設の検討を真剣に進める”ことを盛り込んだ。言語道断だ。
これが日本の国会議員かと言いたい。
(2005.12.01)
次回は(第116回)
「2005年を振り返る」(2005.12.15)
【出来事】
- 11月15日 天皇家の紀宮さまと黒田慶樹氏の結婚式(於 帝国ホテル)
- 11月15日 APEC(アジア太平洋経済協力会議)開幕 於 韓国 釜山(15日〜16日閣僚会議 18日〜19日首脳会議)
- 11月16日 小泉首相 ブッシュ米大統領 日米首脳会談 於 京都
- 11月20日 ロシアのプーチン大統領来日 21日に小泉首相と日ロ首脳会談 22日帰国
- 11月27日 大相撲九州場所千秋楽 横綱朝青龍が14日目で優勝決める(14勝1敗) 7場所連続優勝 年6場所完全制覇 年間最多勝(84勝) いづれも史上初の記録達成
- 11月30日 関脇琴欧州 大関に昇進
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