◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2006/02/01】



◇第119回◇
“ほりえもん”逮捕の波紋

 去る1月23日、ライブドアの堀江貴文社長が 東京地検に証券取引法違反容疑で逮捕された。
その1週間前 1月16日のライブドア社への突然の強制捜査は、誰もが予期せぬ「想定外」のことだっただけに、社会に大きな衝撃を与えた。
東京地検特捜部は、相当以前から内定を進めていたものと思われ、家宅捜査⇒会社幹部からの事情聴取⇒堀江社長ら4人の逮捕という手際の良さは、初めからの予定の行動だったに違いない。

 違法な手段 ( 偽計取引、風説の流布、粉飾決算等 ) を用いて株価をつり上げ、自社の価値を実力以上に見せかけて、投資家をはじめ 世間を欺いた行為が許されるはずはない。
 ライブドア・ショックの影響は、関連企業や提携企業に止まらず 広範囲に及んだ。
即ち、株価は一時急落したし、東京証券取引所では、システムの処理能力の関係で 取引が一時全面停止に追い込まれるなど 証券市場を大混乱に陥れた。
 今回のライブドア社の摘発は、違法な経済行為の取締りに止まらず、経済倫理に反する行為に対しても警鐘を鳴らすものであり、検察のヒット版と言えよう。

 ライブドア社の急成長の背後にある堀江式の錬金術手法には、当初から批判があった。
しかし、そんな批判は、“ほりえもん”人気が吹っ飛ばしてしまった。
堀江氏を新しい時代のエースだと言って褒め称え、“ほりえもん”人気を作り出したのはマスコミであり、多くの評論家達だった。
堀江氏を時代の寵児に仕立てたのはマスコミだった。
昨年12月の流行語大賞に堀江氏の「想定内(外)」が選ばれる程で、特に若者には大変な人気があった。
もし、仮に 全国区での選挙があったら、多分 彼は 10位以内で楽々当選だっただろう。

 堀江氏逮捕劇をマスコミは大きく採り上げた。
新聞は号外を出すし、テレビは、特別番組を組む等、異常な程の報道ぶりだ。
たかが33才の未熟社長の不祥事に 日本中が振り回された格好だ。そんなに大騒ぎをすることもないのに…と思ったほどだ。
マスコミは、自分達が時代の寵児に押し上げた“ほりえもん”の逮捕に ショックを受けたのかもしれない。
あれ程褒め称えていたマスコミや評論家達が、今度は 一斉に 手の平を返したように彼を大悪人のように伝えている。
マスコミや評論家は、変わり身が早く、誠に節操がない。

 自民党が、昨年9月の総選挙で堀江候補を支持 応援したことが問題になり、野党は自民党政府の責任を追及している。(郵政民営化に反対の亀井静香氏の対立候補として堀江氏が広島6区から無所属で出馬して落選したもの)
しかし、今になって堀江氏を応援したのは怪しからんと言ってみても始まらない。
ライブドア事件は、小泉改革(規制緩和)に起因していると言う野党の非難は、あまりにも飛躍し過ぎており、的外れだ。
堀江氏が、そんな犯罪を犯していたとは 当時 知る由もないし、堀江氏の逮捕など予見できるはずがない。自民党に人を見る目がなかったということになるのだが、それは自民党に限ったことではない。
 党勢拡大を図るためには、議員としての資質より、国民的人気があり 当選の可能性が高い候補者を優先するやり方は、各政党に共通しているが、決して好ましいことではない。
民主党も、当時、堀江氏に接触し、民主党からの出馬を打診して断られたいきさつがある。したがって、民主党には、この問題で自民党を非難する資格はないし、恥の上塗りになるようなことは、やめた方がよい。
 今回の事件を契機に、政党は、候補者選定に当たっては 単なる人気に左右されることなく、議員としての資質や適格性を重視すべきだということを教訓にすべきだ。

 民主党は、今回の事件を鬼の首でも取ったように自民党攻撃の材料にしているが、自らの基本政策も纏めきれないで、自民党のあら捜しばかりしているようでは、万年野党に甘んじなければならない。
野党第一党としての民主党には、国民や国家のためにやるべき もっと大きな問題ががあるはずだ。政府提案には 対案を出して堂々と議論すると言った前原発言は 何処へ行ったのか。

 今回の事件で、規制緩和が行き過ぎではないかという声を耳にする。
しかし、法令の不備を是正するなど必要な規制は当然だが、小泉内閣がこれまで進めてきた規制緩和や構造改革の流れを後退させるさせることがあってはならない。 (2006.02.01)

 次回は(第120回)「少子高齢化、人口減少問題を考える(T)」(2006.02.15)
  【出来事】
  • 1月16日 東京地検特捜部 ライブドア本社等を証券取引法違反(偽計取引 風説の流布)容疑で家宅捜索
  • 1月18日 東京証券取引所 ライブドアグループの証券取引法違反事件が影響して売り注文が殺到 売買システムの能力を超える懸念から全銘柄の売買を一時停止
  • 1月20日 第164通常国会召集(会期 6月18日までの150日間)
  • 1月20日 政府 輸入米国産牛肉から危険部位(脊柱)の混入が発見されたため 昨年12月から再開されていた米国産牛肉輸入の全面停止措置を決定
  • 1月22日 大相撲初場所千秋楽 大関栃東が14勝1敗で優勝
  • 1月23日 日本郵政株式会社が発足(郵政民営化は2007年10月の予定)
  • 1月23日 東京地検特捜部 ライブドア社長堀江貴文氏ら4人を証券取引法違反違反容疑で逮捕(堀江貴文氏は24日社長辞任)
  • 1月24日 宇宙航空研究開発機構 H2Aロケット8号機(地球観測衛星「だいち」を搭載)打上げ成功
  • 1月30日 東京地検特捜部 防衛施設庁技術審議官ら3人を空調設備工事発注に絡む競売入札妨害(談合)容疑で逮捕