◇第121回◇
少子高齢化、人口減少問題を考える(U)
近代における我国の人口は、2005年に減少に転じるまでは 増加の一途を辿ってきた。(江戸時代には 度重なる飢饉によって減少した時期もあった)
明治時代からの我国人口の推移は、概ね下表の通りである。
| 1872(明5) | 1900(明33) | 1920(大9) | 1940(昭15) | 1950(昭25) | 1960(昭35) | 1970(昭45) | 1980(昭55) | 1990(平2) | 2000(平12) | 2005(平17) |
| 34,806千人 | 43,843 | 55,963 | 71,933 | 83,200 | 93,419 | 103,720 | 117,060 | 123,611 | 126,926 |
126,101 |
【 江戸時代の人口は、初期の頃(17世紀)は 1,000万〜2,000万人台、中期(18世紀)以降は 概ね3,000万人台前半で推移したものと推定される。乳幼児の死亡率が全体の7割以上を占め、 平均寿命は30才にも満たなかったのに、人口が減少しなかったのは、出生率が高かったからである。乳幼児の死亡率は高かったが、成人した者(21才以上)は 平均60才位までは生きたようだ。】
明治以降、我国では近代化が進み、経済社会の発展に伴って 人口は急速に増えてきた。
現在、人口は 明治初期に比べると4倍近くになっているし、100年間で約3倍に増加した時期もあった。
人口が100年間で3倍になるとは、恐ろしい程の人口増加である。これでは 人口は 瞬く間に2億〜3億人へと膨れ上がり、この狭い日本の国土に人は溢れ、それこそ深刻な事態になってしまう。
昭和30年頃は、今とは逆に、急激な人口増や過剰人口への対応が政策課題になったこともあった。産児制限という言葉もよく耳にした。
現在、人口減少が問題になっているが、これ以上人口が増えることの方が、問題は はるかに深刻だと思う。
ここで 人口の増加に歯止めがかかり、減少に転じたことは、長い目で見れば好ましい現象だと考えるべきだ。
我国の適正人口がどのくらいかという問題は さて置き、少なくとも1億人ぐらいまでは減少しても構わないだろう。
問題は、人口減少のスピードとその過程での年齢別人口構成である。
減少のスピードは できるだけ緩やかが好ましいし、また人口構成は ピラミッド型が望ましい。
しかし、当分は 逆ピラミッド型の人口構成(少子高齢社会)が更に進みながら、人口が減少していくことになる。
これは、日本人の平均寿命の伸びと少子化によるものだ。
人口減少のスピードは、100年間で2分の1になると推定されているが、過去の人口増加のスピードは、100年間で3倍であったことを考えると、この程度のスピードはやむを得ないのかもしれない。(「人口減少のスピード、100年間で2分の1」は、前回〔第120回〕上から7〜8行目参照)
とは言っても、少子化や人口減少を喰い止めるための努力や政策が 重要な課題であることは勿論だ。
このまま少子化が進み、人口が減っていけば、将来は 大変な世の中になると心配する向きも多い。
その心配は 必ずしも間違いではない。ただし、それは現状のまま 何もしない場合だ。
少子高齢化と人口減少が同時に進む社会に どう対応し 変革していくかが、最も重要である。
少子高齢社会への対応が適切に実施できれば、我国の将来を悲観する必要はない。むしろ明るい展望が開けてくると思う。
少子化による人口の自然減は、未来永劫に続くものではない。未来永劫に続けば、動物の絶滅種のように、日本民族は消滅してしまう。
将来、人口減少に歯止めがかかる時期が到来することは間違いない。
=== 【余 談】 ===
『紀元二千六百年』
一、金鵄輝く 日本の
栄ある光 身にうけて
いまこそ祝え この朝
紀元は 二千六百年
ああ 一億の胸はなる
…(二番以下略)… |
昭和15年(1940年)は 皇紀2600年に当たり、当時これを祝って『紀元二千六百年』という歌が作られ 全国にはやった。(左が一番の歌詞)
昭和15年(紀元2600年)の人口は、国の統計では71,933千人であるのに、この歌詞では、1億人ということになっている。
その頃は、朝鮮、台湾が日本の領土であったため、当時の朝鮮人、台湾人も 当然 日本人として人口に含め、「ああ 一億の胸はなる」と歌ったのだろう。
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(2006.03.01)
次回は(第122回)
「少子高齢化、人口減少問題を考える(V)」(2006.03.15)
【出来事】
 [ 荒川静香選手 ] (トリノ五輪フィギュア スケート金メダリスト) |
- 2月16日 民主党の永田寿康議員 衆院予算委員会で「元ライブドア社長堀江貴文被告が昨年8月 社内メールで自民党の武部幹事長の二男に3,000万円を振り込むよう指示していた」と発言⇒その後メールが偽物と判明 永田氏入院(2月23日)
- 2月17日 滋賀県長浜市で幼稚園児2名の惨殺事件 逮捕された犯人は被害園児と同級生の母親
- 2月17日 フィリピン レイテ島で豪雨による大規模な地滑りが発生 死者行方不明2,000人に達するとの情報あり
- 2月18日 宇宙航空研究開発機構 H2Aロケット9号機(運輸多目的衛星「MTSAT2号機」を搭載)打上げ成功
- 2月22日 宇宙航空研究開発機構 M5ロケット8号機(赤外線天文衛星アストロF=「あかり」と命名=を搭載)打上げ成功
- 2月25日19:19(日本時間26日9:19) 「世界人口時計」(米商務省センサス局が5-10分おきに推計値を公表) 65億人を突破
- 2月26日(日本時間27日) 第20回冬季オリンピック・トリノ大会閉会式
- 2月28日 ライブドアメール問題で永田氏 鳩山幹事長 野田国対委員長が謝罪の記者会見 更に前原党首記者会見及び民主党声明でメールが偽物であったことを認め 謝罪 (民主党 永田寿康議員に6か月間の党員資格停止処分 野田佳彦氏 国対委員長職を引責辞任)
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