◇第124回◇
拉致事件の国内捜査
去る3月23日、警視庁公安部は、北朝鮮による原敕晁さん拉致事件(1980年)に関し、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)傘下の在日本朝鮮大阪府商工会など6ヶ所を家宅捜索した。
これに対し朝鮮総連は、反朝鮮、反総連の意図による不当な政治弾圧だと激しく反発している。
原敕晁さん拉致事件の主犯格は、現在北朝鮮にいる辛光洙(シン・グァンス)と言われ、共犯者としては、韓国・済州島に住んでいる元服役囚の金吉旭(キム・キルウク *1985年 韓国の捜査当局にスパイ容疑等で逮捕)や元在日本朝鮮大阪府商工会理事長だった大阪市天王寺区の中華料理店主の男性らの容疑が濃厚とされている。(大阪の中華料理店や店主の自宅も家宅捜査を受けている)
これらの共犯者を含めて、原さん拉致に協力した在日朝鮮人16人が特定されていると言う。
辛光洙容疑者は、既に国際手配されているが、済州島在住の元服役囚についても、犯罪人引き渡し条約に基づき 早急に身柄の引き渡しを求め、取り調べる必要がある。日韓間に 犯罪人引き渡し条約があるとは言え、北朝鮮寄りの韓国が直ちに応じるかどうかが注目される。
北朝鮮から潜入した工作員だけで、あれだけ多くの日本人を 日本領土内で拉致誘拐することは不可能であろう。
日本国内に、拉致の手引きをするなどの協力者や組織が存在していたはずだ。
北朝鮮政府の出先機関とも言うべき朝鮮総連が、拉致という北朝鮮の国家犯罪に 裏で関わっていたことは、容易に推察できる。(※注 朝鮮総連は、拉致問題は 既に2002年9月17日の日朝首脳会談で解決済みという立場をとっている。)
警察は、北朝鮮の工作活動への協力者や協力組織を なぜもっと早く徹底的に捜査しなかったのだろうか。特に朝鮮総連への対応が生ぬるいと多くの国民が感じている。
原さんが勤めていた大阪市の中華料理店主の在日朝鮮人が拉致事件に関わっているらしいことは、原さん拉致事件が判明した時からマスコミが報じていたのに、なぜその時 強制捜査をしなかったのだろうか。
拉致事件の国内捜査には、朝鮮総連が壁になっているように思われる。
これまで朝鮮総連は、まるで治外法権があるように振る舞ったり、朝鮮総連関連施設の固定資産税が減免されるなど理不尽な優遇措置を受けてきた。
朝鮮総連のこのような理不尽な特権は、北朝鮮労働党と友党関係にあった社会党(現社民党)がもたらしたものと言ってよい。
朝鮮総連の違法行為を警察が取り締まろうとすると、社会党(現社民党)が出て来て、警察の動きを阻止することが常態として行われてきたのである。(最近、北朝鮮による拉致問題が明るみに出てからは、社民党は動き難くなったようだが…)
社会党の朝鮮総連擁護姿勢と我国行政(警察等)のまあまあ主義が、朝鮮総連の身勝手な振る舞いや理不尽な優遇措置を許す結果になったものだ。
朝鮮総連が特権を得たり 優遇措置を受ける根拠や理由は全くない。最も疑わしい朝鮮総連には 徹底した捜査のメスを入れるべきだ。
4月11日 政府は、DNA鑑定の結果、横田めぐみさんの娘キム・ヘギョンさんの父親は、1978年に韓国で拉致された金英男さん(当時16才高校生)の可能性が高いと発表した。これまで北朝鮮は、めぐみさんの夫は自国の特殊機関勤務員キム・チョルジュン氏だと言ってきたが、これがまた嘘だと言うことが分った。
しかも 北朝鮮は、今回のDNA鑑定結果についてさえ 受け入れ拒否の構えを見せている。
嘘を重ね 不誠実極まりない北朝鮮との交渉による解決は 期待できない。
北朝鮮での捜査が不可能である以上、日本国内に於ける共犯者や協力者、協力組織を徹底的に捜査し、拉致事件の真相に迫るべきだ。
辛光洙は、原
敕晁さんの拉致のみならず、地村保志さん、蓮池薫さん両夫妻の拉致実行犯とみられ、更に横田めぐみさん拉致に関わった容疑もあり、一連の拉致実行犯の最重要人物である。
[辛光洙について]
1929年静岡県生まれ(日本名 立山富蔵) 戦後北朝鮮に移住
1985年韓国ソウル市内で韓国当局に逮捕 死刑判決 後に無期懲役に減刑
1999年12月恩赦で釈放 北朝鮮へ送還 北朝鮮では英雄扱いを受ける
【辛光洙を含む「在日韓国人政治犯の釈放に関する要望書」事件】
1998年、菅直人(現 民主党代表代行)や土井たか子(元 社民党党首)らが署名して、韓国盧泰愚大統領宛に辛光洙を含む在日韓国人政治犯の釈放要望書を提出した事件。(在日韓国人政治犯の中には、辛光洙以外にも多数の工作員が含まれていたという)
参考⇒「釈放要望書」はここをクリック
後日、菅直人は、政治犯の中に辛光洙がいたとは知らなかったと弁解しているが、政治犯の確認もせずに 署名して釈放を嘆願するとは、軽率極まりない。大バカ者と言いたい。こんな人物が今でも国会議員として堂々と まかり通っているのだから、何をか言わんやである。
国益に関する問題だけに、その政治的責任は、極めて大きいと言うべきである。
(2006.04.15)
次回は(第125回)
「偽メール問題で露呈した民主党の体質」(2006.04.15)
【出来事】
- 4月4日 選抜高校野球大会決勝戦 横浜(神奈川)が清峰(長崎)を21対0で破り優勝
- 4月7日 民主党 両院議員総会で代表選挙 小沢一郎氏が菅直人氏を119票対72票で破り当選
- 4月10〜11日 北東アジア協力対話(NEACD)(米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究機関主催の国際会議) 於東京 これを
機に北朝鮮核問題をめぐる6か国協議参加国の首席代表が東京に集まる
- 4月11日 民主党 両院議員総会で新執行部を承認 菅直人氏の代表代行就任以外は主要ポスト再任
【民主党新執行部】 代表 小沢一郎 代表代行 菅直人 幹事長 鳩山由紀夫 政調会長 松本剛明 国対委員長 渡部恒三 etc
- 4月11日 政府 DNA鑑定の結果 北朝鮮拉致被害者の横田めぐみさんの夫が韓国人拉致被害者の金英男(キム・ヨンナム)さんである可能性が高いと発表
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