◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2006/06/01】



◇第127回◇
格差拡大

 最近、格差が拡がってきた、勝ち組と負け組がはっきりしてきた、小泉政治の光と影の部分が はっきりしてきた等と言われる。
格差とは、国民の所得格差のことを言っているようだ。
具体的には、どういう現象を言っているのか、また、今 なぜ格差が問題なのか、よく分らない。
格差なき社会は存在しないし、日本は世界の中でも格差が少ない方だ。
 確かに 昔はフリーターやニートと呼ばれる人はいなかった。
また、高齢者の一部に、経済的弱者がいることも事実だろう。
 しかし、格差が拡大したと言うならば、それは長く続いたデフレ不況のせい、即ち企業のリストラや採用抑制、失業者の増加等によるものだ。
小泉さんの構造改革や規制緩和は、構造的と言われたデフレ不況からの回復策でもあったわけで、これは格差拡大には結びつかない。
もし構造改革や規制緩和が行われなかったら、デフレ不況は深刻化して、格差はもっと拡大しただろう。

 ようやく景気も回復し、今やデフレ不況からも脱却しつつある。
景気が良くなれば、不健全な格差も徐々に解消されてくるだろう。
現に新卒学生の就職状況は、バブル期を思わせるほどの売り手市場で就職難時代は去ったと言ってよい。

 しかし、求職側と求人側のミスマッチが雇用問題を難しくしている。
また、数百万人とも言われるフリーターやニートの問題は、解消していない。これは大きな社会問題になっている。
以前は「フリーター」とか「ニート」という言葉さえなかったのに、フリーター族やニート族が増えてきたのはなぜだろうか。
一時期、自分がやりたい仕事が見つかるまで定職に就かない者をフリーターと呼び、これをマスコミが好意的に取り上げたり、社会も肯定的に受け止める風潮があった。
せっかく就職したのに、自分に向かないからと退職して そのままフリーターになる人も増えてきた。
 最初から 自分に適した職業などそんなにあるはずはない。給料をもらうのだから、仕事には つらい厳しい一面 があるはずだ。 楽しい仕事なら こちらから金を払わねばならない。
フリーターやニートは、所詮 社会の落ちこぼれである。
その背景には、厳しさを知らない 甘えの精神構造がある。それは マスコミをはじめとする社会の責任でもある。
とりわけ教育が大きく影響している。安直で 厳しさのない無責任な教育がもたらした面が多分にあると指摘したい。
 また、不況のため就職できず、心ならずもフリーターになった人も多いだろう。
景気回復とともに、就職難も解消されてきた。早くフリーターを卒業して定職に就いてもらいたいものだ。

 格差拡大の一因として、パートタイマーの増加が指摘される。
企業は 長期化したデフレ不況を乗り切るため、人件費削減の一環として正社員の採用を抑え、人件費が安いパート社員を採用する会社が増えてきた。
一時期 フリーターが社会的に認知される風潮があったが、企業側が これにうまく便乗した側面もある。
 安易に正社員をパートに置き換えることは、会社への帰属意識(愛社精神)を失わしめ、場当たり的で 長期ビジョンに立脚した経営とは言い難く、企業にとって決して好ましいことではない。
正社員をパート社員に切り替えることは、企業倫理上も大いに問題ありと言うべきだ。
増加する派遣社員についても同様で 好ましい現象ではない。

 格差拡大強調論者は、最近の生活保護世帯の増加を挙げる。
なぜ生活保護世帯が増えたのか、それは、高齢者の単身世帯が増えたからだ。
家族や親子の絆が薄れゆく中で、介護保険があるのだから、子は親の面倒を見る必要はないという風潮になってきたからだ。
介護保険制度の陰の部分がもたらしたものと言ってよい。
私は、高齢者の介護は 保険には なじまないと今でも思っている。困窮高齢者の介護は、行政による、即ち 税金による救済措置でやるべきだったし、その方が国民負担も少なくなったはずだ。

 格差拡大の主張は、専らこれまでの小泉政治の批判として行われているようだ。
 規制緩和がもたらした格差拡大の例として、タクシー業界の規制緩和が挙げられる。
規制緩和によって、タクシーの台数が増え 過当競争の結果、運転手の所得が下がり、格差が拡大したと言う。
確かに一人一人の運転手の所得は減ったかもしれないが、それが格差拡大をもたらしたと言うのは早計である。
運転手の所得は減っても、規制緩和のお陰で これまで失業していた運転手が職を得ることができたのだから、全体から見れば 格差が縮小したとも言えるのである。

 社会を進歩させ、豊かにするには、弛まない構造改革が不可欠だ。
その過程では、直接その恩恵を受けるところと、そうでないところも出てくる。その意味では格差が生じるのはやむを得ないし、むしろ それは 改革の成果の証でもあり、間違ってはいない。
全員が等しく豊かになるのが理想だが、一挙にそうはいかない。豊かになった部分が全体を押し上げる。
構造改革や規制緩和が格差拡大をもたらすと批判する者は、全員等しくに貧乏になろうと言っているようなものだ。
「格差拡大」等という妄言に惑わされて、構造改革が後退するようなことがあってはならない。(2006.06.01)

 次回は(第128回)「我国の対中、対韓外交(T)」(2005.06.15)
  【出来事】
  • 5月15〜17日 横田滋さんら拉致被害者の家族会と支援組織「救う会」のメンバーが韓国訪問 めぐみさんの夫とみられる韓国人拉致被害者金英男さんの家族らと面会(16日) 野党ハンナラ党の朴槿恵代表と面会(17日)
  • 5月17日 韓国民団(在日本大韓民国民団)と朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)が和解
  • 5月18日 医療制度改革法案 衆院本会議で賛成多数で可決 参院に送付
  • 5月21日 大相撲夏場所千秋楽 大関白鵬が14勝1敗で並んだ関脇雅山を優勝決定戦で下し初優勝
  • 5月26日 九州南部が梅雨入り
  • 5月26日 行政改革推進関連5法案 参院本会議で賛成多数で可決成立
  • 5月26〜27日 太平洋・島サミット 於沖縄県名護市
  • 5月27日 インドネシア・ジャワ島でM6,3の地震発生 (30日インドネシア政府は死者5732人に達したと発表 更に増加する見込み)
  • 5月29日 安倍官房長官 韓国拉致被害者金英男氏の家族らと面会 韓国「拉北者家族協議会」の崔祐英会長 横田さん夫妻らも同席 衆院拉致問題特別委員会にも参考人として出席 麻生外相も崔祐英会長らと面会