◇第128回◇
我国の対中、対韓外交(T)
中国や韓国は、小泉首相の靖国神社参拝に反発して首脳会談を拒否している。
中国政府や韓国政府が 我国首相の靖国神社参拝を外交問題にしていることは、言われなき内政干渉である。
特に中国が、ポスト小泉の次期総理の靖国参拝にまで言及し、圧力をかけているのは典型的な内政干渉以外の何ものでもない。
首相が、国のために自らの命を犠牲にした戦没者に敬意を表し、供養するのは当然のことだ。靖国神社に参拝するのは、国の責任者の務めだと思う。勿論 外国からとやかく言われる筋合いのものではない。
中国や韓国の靖国反対の理由は、A級戦犯が合祀されているからだと主張する。
国内にも、中国や韓国に迎合してA級戦犯を分祀すべきという意見がある。
極東国際軍事(東京)裁判は、勝者が敗者を一方的に裁いたもので、公正な裁判だったとは到底認められない。
命を差し出して戦争責任を取った(或いは取らされた)戦犯たちは、やはり国のために犠牲になった人々であり、靖国神社に合祀される合理的な理由があると思う。
また、A級戦犯達は、昭和28年の国会で、圧倒的多数で免責決議されている。(その結果、刑死した方の遺族にも恩給が支給されることになった)
靖国神社が合祀しているA級戦犯を、国が分祀することはできない。それこそ宗教に対する国家の介入であり、重大な憲法違反だ。A級戦犯分祀論者は、憲法に定める信教の自由との関係どう考えているのだろうか。
靖国神社に代わる国立の戦歿者追悼施設を新設すべきという意見がある。国のために戦った戦死者を本当に供養しようとする者は、 そんな俄か造りの施設には見向きもしないだろう。英霊達は、靖国で会おうと言って散って逝ったのではないか。
小泉さんは、近隣諸国に誤解を与えないために、「戦没者の供養と二度と戦争をしないという平和のための誓いを込めて参拝するものだ」と何回も説明している。これで十分だ。
しかし、中韓両国は、靖国参拝問題を外交カードにしており、彼らは、このカードが まだまだ有効に機能すると思っているから、この問題は収まりそうにない。
これは、我国外交が、事なかれ主義を続け 我国の意思を明確にしてこなかった結果でもある。靖国問題に限らず、これまでの我国の「事なかれ主義外交」は、国益に関して取り返しのつかない過ちを犯してきた。
北朝鮮を刺激しないために、外務省内部に於いてさえ、拉致という言葉を使わず、行方不明者と言っていた事実、まさに驚くべき外務省の体質である。
対中国、対韓国で共通しているのが、歴史認識問題である。歴史認識の対立は、日中、日韓間だけでなく、高句麗史をめぐって中韓間にもある。
我国の歴史教科書を他国政府が取り上げ、内容の変更を要求するのは 明らかに内政干渉である。
中国は我が国に対し、これまで数々の背信行為を行ってきた。例えば
瀋陽市で 北朝鮮からの亡命者を追ってきた中国武装警察官による日本総領事館への不法侵入事件(2002年5月)
上海の日本総領事館員が、中国側から 外交機密情報提供を強要されて自殺した事件(2004年5月)
中国原潜による沖縄県・先島諸島周辺の日本領海侵犯事件(2004年11月)
反日デモによる北京の日本大使館等に対する破壊活動(2005年4月)
東シナ海の我国排他的経済水域(EEZ)境界線付近での一方的な天然ガス田の採掘…等々
いずれも、我国の主権に関わる中国側の一方的な背信行為である。
韓国は、我国固有の領土「竹島」の不法占拠を続け、「日本海」の呼称を「東海」に改めよ等と言っている。
このような一方的な不法不当な行為に対する我国の抗議は、全て無視され、拒否されている。
中国原潜による領海侵犯は、中国政府は事実は認めても 謝罪はしない。
反日デモによる北京の日本大使館等に対する破壊活動に関しては、デモ隊の行為は愛国心から出たもので、原因は日本側にあると居直る有様で、我国の復旧補償の要求にも応じていない。
外交官に対する強要や大使館に対する破壊活動は明らかに国際法違反である。
竹島問題について、韓国盧武鉉大統領は「国粋主義性向を持つ日本の政権が 過去の侵略の歴史を正当化し、未来の北東アジア秩序に挑戦しようとする行為…」と言いだす始末だ。今の韓国の大統領は この程度の人物だ。
小泉首相は、「ある一つの事で対立しているから、首脳会談をやらないと言うのはおかしい。私はいつでも首脳会談に応じる。私は、日中友好論者だ。日韓友好論者だ」と繰返し述べている。
小泉さんの冷静さとは逆に、中韓両国の首脳(胡錦濤主席と盧武鉉大統領)は、正反対の姿勢だ。
対立や紛争を更にエスカレートさせ、益々反日姿勢を強めているようにしか見えない。
中韓両国は、話合いによる解決の姿勢よりも、実力行使を先行させている。(中国の海底資源侵害、韓国の竹島不法占拠等)
中国の場合は、大国主義、覇権主義をかざして我国に迫っているように見える。
韓国の場合は、国民の関心を反日に向けさせることによって、盧武鉉大統領の不人気を乗り切ろうとしているように見える。
中国は、日本にとって重要な国だから、日中友好は大切だ。だから早く正常な関係にすべきだ、それなのに…という意見がある。
確かにその通りだ。韓国についても同様なことが言えるだろう。
しかし、日本だけが いくら親善友好関係を築こうとしても、相手にその気がなければ、所詮無理な話だ。お互いに 相手国の重要性を認識し、双方が友好親善に努力しなければならない。
しかし、今の中国や韓国は どう見ても、我国との関係を正常化し、友好関係を願っているようには見えない。
こんな国とは、我国がどんなに誠意をもって接してもうまくいくはずがない。
(2006.06.15)
次回は(第129回)
「我国の対中、対韓外交(U)」(2005.07.01)
【出来事】
- 6月1日 改正道交法施行 駐車違反取り締まりに民間監視員の導入等の新制度発足
- 6月3日 東京都港区芝の区住宅公社「シティハイツ竹芝」のエレベーターの故障により 高校生が挟まれて圧死 (該エレベーターはスイスに本部を置くシンドラーエレベータ社製)
- 6月5日 東京地検特捜部 村上ファンド代表村上世彰氏を証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕 関係先を家宅捜索 (村上世彰容疑者は逮捕前に記者会見し インサイダー取引の容疑を認め謝罪 ファンドからの引退を表明)
- 6月8日 九州北部 四国 中国 近畿 東海地方が梅雨入り
- 6月8日 天皇 皇后両陛下 東南アジア3カ国(シンガポール マレーシア タイ)訪問にご出発(15日まで)
- 6月9日 関東甲信 東北南部地方が梅雨入り
- 6月9日(日本時間10日) 第18回サッカーワールドカップ(W杯)ドイツ大会開幕(7月9日<日本時間10日>の決勝戦まで)
- 6月12日 大分県中部を震源とする地震(マグニチュードは6,2) 震度5弱大分県佐伯市 広島県呉市 愛媛県今治市 八幡浜市 西予市等
- 6月14日 医療制度改革関連法が参院本会議で可決 成立
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