◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2006/07/01】



◇第129回◇
我国の対中、対韓外交(U)

 現在の中国や韓国とのぎくしゃくした関係は、小泉外交の責任だという声がある。
では、小泉外交のどこが悪かったのか、どうすべきだったのか。
小泉外交批判論の多くは、靖国神社参拝は、中国、韓国が反対しているからやめるべきだと言っているようだ。

 ここで、靖国参拝をやめることは、中国、韓国の不当な内政干渉に屈したことになる。多くの国民は日本人の心が外国から侵害されたと感じるだろう。
靖国参拝をやめても、中国が東シナ海での資源侵害をやめるわけではない、我国固有の領土である尖閣諸島や竹島問題が解決する わけでもない。
仮に、靖国参拝を中止することにより 首脳会談が可能になっても、靖国で味を占めた中国は、歴史認識(歴史教科書)問題、東シナ海の資源採掘、尖閣諸島の領有権問題 等を含めて 更に強い要求を持ち出してくるだろう。(韓国についても同じ)
靖国参拝の中止は、中国、韓国両政府を満足させても、日中、日韓関係を決して好転させるものではない。
これは、内政干渉に屈したという面子の問題に止まらず、我国の国益が損なわれていくことに繋がっていく。

 今日の対中、対韓の不正常な関係は、相手国の反日姿勢とともに、我国の欠陥外交の結果でもある。
友好、平和の美名のもとに、とにかく相手を刺激しないことを至上とし、事なかれ主義を貫いてきた結果である。
中国、韓国との紛争案件は、全て先方から仕掛けてきたもので、我国は防御一方で、押されっぱなしではないか。これでは対等な付き合いをしてきたとは とても言えない。
 外交に曖昧は禁物だ。相手方に 我国の立場や意見を明確に伝えることが先ず基本だ。特に、我国の主権に関わるもの、例えば竹島、尖閣諸島の領有権問題、中国による東シナ海の資源侵害等については、強固な姿勢を貫くことが肝要だ。
歴史認識について異議を唱える国には、我国の歴史認識の立場や正当性をはっきりと主張しなければならない。我国の歴史教科書の是正を要求してくる国に対しては、逆にこちらから、相手国の教科書の是正を求める等の姿勢を示す必要もある。
外交は、お互いに対等であるべきだ。
反日教育や反日施設は、相互親善友好に反するではないかと抗議することも必要だろう。
中国に対する人権問題改善要求、韓国に対しては、日本文化移入規制の全面解禁の要求、親日出版物の販売禁止等について抗議すべきである。
 こんなことをすれば、中国、韓国を刺激すると言う意見も多いだろう。
勿論相手方を刺激する。弱腰日本がこんな要求や抗議をしてくるとは思わなかっただけに、彼らは、大いに反発するだろう。
しかし、我国は、相手国から主権侵害を受けたり、不当な内政干渉を受けても、あまり反発をしてこなかった。相手国の理不尽な言動に反発をしてこなかった我国の方が異常なのである。

 例えば、中国の文化大革命では、多くの人々が犠牲になる等、常軌を逸した人権侵害が行われた事実は 中国近代史上 重大な汚点である。しかし、中国政府は、この中国共産党の暴挙の評価を自国の近代史の中でも曖昧にして、犯した過ちを認めようとはしない。
そもそも、自らに都合が悪い事実には まともに向き合おうとしない国に、他国の歴史認識を批判する資格は ないと言うべきである。


 首脳会談が開けないのは、小泉さんの責任だと言う意見がある。 しかし、小泉さんは「いつでも会う、私は日中、日韓友好論者だ」と冷静な姿勢を貫いている。
これに対し、先方は、言うことを聞くまでは 会わないと言っている。どちらが正しい?首脳会談が開けないのは、小泉さんの責任ではなく、中国、韓国側に原因がある。
中国首脳の本心は、小泉さんの冷静な態度を苦々しく思っているかもしれない。
日中、日韓首脳会談さえも開けない状況は、中韓両国政府にとっても不都合であるはずだ。 こちらから会ってくれという必要は微塵もない。
しかし、我国の立場や意見、要求すべきことは 外交ルートで相手国に率直明確に伝えておくべきだ。 また、話合いや交渉の窓口は常に開けておくことが大切だ。

 靖国参拝問題をめぐっては、国内に賛否両論がある。中韓両国は、ここをうまく捉えて、これを外交カードにしている。
靖国問題は外国(中韓)による不当な内政干渉だと国内世論が一致しいれば 外交カードにはなり得ない。
外交には、超党派体制、一致した国内世論が最も大切だ。国内がばらばらでは、外国に付け入られて国益を守ることはできない。
今の日本国民は、無責任な政治家、マスコミ、評論家等に毒され、愚かさを露呈している。
また、靖国問題を自民党の次期総裁選の争点にするが如きは、中国、韓国の内政干渉の策略にまんまと陥るだけだ。

 対中、対韓外交を阻害しているものに、議員外交というのがある。
議員外交と称して、中国、韓国を訪れた連中は、我国の意見や主張を述べるのではなく、専ら相手国の不満や要求を聞いて帰ってくる、まるで御用聞きのようだ。中には、先方に洗脳されて帰ってくる者もいる。
相手方の主張に毅然として反論した代議士は果たして何人いるだろうか。

 外交は、常に国益と一体でなければならない。外交は国益と国益がぶっつかり合う厳しい世界だ。綺麗事は通用しない。
「国際平和」「善隣友好」「対外援助」…等と言う美辞麗句も、外交の世界では 国益に合致するものでなければ意味がない。
『国益なくして外交なし』、外交活動は、国益と無関係には存在しない。
政治家は勿論、外務省職員は 末端に至るまで、国益についての認識と職責の重要性をよく噛み締めてもらいたいものだ。(2006.07.01)

 次回は(第130回)「小泉さん最後の国会(第164通常国会)」(2005.07.15)
  【出来事】
  • 6月15日 北陸 東北北部地方が梅雨入り
  • 6月18日 第164通常国会閉会
  • 6月20日 沖縄 奄美地方 梅雨明け
  • 6月20日 政府 イラクに派遣している陸上自衛隊の撤収を決定 額賀防衛庁長官 撤収を命令
  • 6月21日 政府 米国産牛肉の輸入再開で米政府と合意
  • 6月26日 村上ファンド前代表村上世彰被告保釈(保釈保証金5億円)
  • 6月27日 小泉首相 カナダと米国訪問に出発 (28日ハーパー首相と日加首脳会談 29日ブッシュ大統領と日米首脳会談 7月1日帰国予定)
  • 6月28日 横田めぐみさんの元夫と言われる韓国人拉致被害者 金英男氏(44)と母親の崔桂月さん(78)ら家族が北朝鮮金剛山のホテルで面会(翌29日金英男氏が記者会見)