◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2006/07/15】



◇第130回◇
小泉さん最後の国会(第164通常国会)

 小泉首相にとって 最後の国会になった平成18年第164通常国会は、予定通り150日間の会期を終え 去る6月18日に閉会した。
この国会では、多くの重要法案が提出され その成立が期待されたが、成立したのは「行政改革推進法案」「医療制度改革関連法案」ぐらいで、「教育基本法改正法案」、憲法改正に必要な「国民投票法案」、共謀罪創設の「組織犯罪処罰法改正法案」、「防衛省設置法案」等の重要法案が先送りになってしまったのは 些か残念だった。
 会期延長を行わず、多くの重要法案を先送り(継続審議)にしたことについては、党の内外から批判の声があった。これは、それだけ小泉さんへの期待が大きかったからとも言えるだろう。
小泉さんとしては、6月下旬の公式訪米 ブッシュ大統領との首脳会談、7月中旬のロシアでのサンクトペテルブルク・サミット等、重要な外交日程を控えていたため、重視していた行政改革推進法案や緊急性のある医療制度改革関連法案の成立に重点を置き、会期延長は行わなかったものと思われる。
また、今の野党、特に民主党の姿勢から見て、会期を多少延長しても、残りの法案が成立する見込みは少ないと見たからだろう。
 いづれにしても、積み残された重要法案は、後継内閣に引き継がれることになり、次期政権に大きな課題を残したことになる。

 今年の通常国会では、民主党永田議員の偽メール事件が大きな話題になった。
執行部の責任が問われ、前原誠司代表らが引責辞任に追い込まれるという民主党にとっては、一時悪夢のような国会でもあった。
 偽メール騒ぎも ひとまず収束し、小沢新代表に多少の期待もあったが、国会での民主党の動きには 非建設的なものが目立った。
民主党は、「教育基本法改正法案」、「国民投票法案」、「共謀罪創設法案」等で対案を出した。しかし、自ら出した法案についてさえ、成立には消極的であり 廃案に追い込もうとした。
 例えば、民主党の「教育基本法改正法案」対案は、問題になった愛国心を前文で「…日本を愛する心を涵養し…」と表現する等 国民にも評判が良かった。しかし、なぜか民主党鳩山幹事長は、共産、社民との共闘会議で、与党案、民主党案 いづれも廃案にすることで意思統一をしている。
民主党は、「教育基本法」改正に反対なのだろうか。それにしては立派な対案を作ったものだ。民主党の真意が分らない。
 共謀罪創設法案は、国際社会の一員として是非必要な法案である。即ち、
テロ対策の一環として2000年11月の国連総会で「国際組織犯罪防止条約」が採択され、日本を含む約120カ国が署名した。この条約の批准の要件になっているのが、国内法の整備、即ち「組織犯罪処罰法」を改正して 共謀罪を創設することである。
民主党が出した対案は、「国際組織犯罪防止条約」批准の要件を満たしていないと言われている。そんな無意味な対案を出す民主党は、国連で採択されたこの条約に 反対なのだろうか。
ところが、自民党は、この民主党の欠陥法案を丸呑みすると言い出したのである。自民党の真意は、民主党の法案を一旦成立させ、これが欠陥法案であることを明確にして、後で条約批准に耐え得るように改正すれば良いと考えたのだろう。(民主党は 当然自民党が拒否するものと思って対案を提出したが、丸呑みすると言われて、慌てたのだろう)
民主党も これを察し、自ら提出した法案の採決を拒否したのである。
自民党の丸呑み対応も 批判されるべきだが、民主党のやり方は、支離滅裂で もはや健全な野党とは言えない有様だ。
 小沢民主党は、自公政権を倒すためには手段を選ばず、共産、社民と共闘し、政策や国益よりも 党利党略一辺倒の政党になったようだ。こんな調子では、野党としての責任も果たせない。
これでは 民主党の政権党への道は更に遠ざかり、二大政党時代の到来は夢物語のようになってしまった。

 国会論争を見ると相変わらず、次元が低い。
例えば、組織犯罪処罰法改正問題(共謀罪創設)では、井戸端会議をしただけで捕まる等と言う馬鹿げた議論がまことしやかに行われている。マスコミも同じだ。
国連で採択された「国際組織犯罪防止条約」を批准し、国際的な義務を果たすために必要な法案だと言えば、結論は自ずから決まっている。世界120ヵ国が加盟する条約を 我国だけが履行できないということはあり得ないではないか。

 民主主義社会は、少数意見や愚論も無視できず、手間や時間がかかる非効率な制度だと分っていても、あまりにも低次元な国会論議を見せつけられると、国民は政治不信に陥ってしまう。
国民の間に政治不信が蔓延すると、議会制民主主義は正しく機能しなくなる。
政治家諸氏の猛省を促すとともに、国民も政治にもっと関心を持ち、政治家の資質を見抜き 監視する責任がある。

 小泉総理の任期も残りわずかになった。当分ポスト小泉の行方が衆目の的だ。
小泉さんが積み残した重要法案が、今後順調に審議され 成立していくのか、首班指名が行われる今秋の臨時国会の動向が今から注目される。(2006.07.15)

 次回は(第131回)「自民党総裁選」(2006.08.01)
  【出来事】
  • 7月1日 元首相 橋本竜太郎氏が死去(68才)
  • 7月3日 民主党小沢代表 菅代表代行 鳩山幹事長 中国訪問
  • 7月5日 北朝鮮 未明から夕方にかけて複数のミサイル(テポドン2号を含む7発)を発射 着弾地点はロシア沿海州南方の日本海
  • 7月5日 政府 北朝鮮のミサイル発射の事態を受けて北朝鮮の貨客船万景峰号の半年間の入港禁止等制裁措置を決定(万景峰号は当時入港のため新潟沖に停泊中)
  • 7月5日 日本が国連安全保障理事会の招集を要請 北朝鮮制裁決議案を提示
  • 7月6日 韓国民団(在日本大韓民国民団) 去る5月17日に行った朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)との和解を白紙撤回
  • 7月9日 大相撲名古屋場所初日 (愛知県体育館)
  • 7月9日(日本時間10日未明) 第18回サッカーワールドカップ(W杯)ドイツ大会決勝戦 イタリアがフランスを破り優勝 3位はドイツ4位はポルトガル(日本は予選1次リーグF組最下位で敗退)
  • 7月11日 小泉首相 中東訪問(イスラエル パレスチナ ヨルダン)と15日からのロシア サンクトペテルブルク・サミット(主要国首脳会議)へ向けて出発
  • 7月11日 インド西部のムンバイで通勤列車を狙った同時多発(7箇所で)爆弾テロが発生 死亡190人 負傷625人に達する(7月12日現在) イスラム過激派の組織的関与か
  • 7月14日 日銀 ゼロ金利政策解除を決定