◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2006/09/01】



◇第133回◇
中国と北朝鮮の関係

 これまで あんなに親密な関係にあった中国と北朝鮮が、去る7月5日の北朝鮮ミサイル発射以来、ぎくしゃくしている。(ミサイル発射について 中国側に事前に連絡がなかったこと、ミサイル発射の凍結や6カ国協議への参加を求める中国側の説得を北朝鮮が拒否したこと、国連安保理での北朝鮮のミサイル発射非難決議案の採択に中国が賛成したことへの北朝鮮の反発…etc) 。

 中国(中華人民共和国)は、中華民国の蒋介石軍を破った中共軍 毛沢東により、1949年に共産党独裁国家として建国された。
北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、戦前 ソ連に亡命していた共産主義者金日成により、1948年にソ連の傀儡政権として発足したものである。
両国は、いづれも毛沢東と金日成という共産主義者の独裁国家としてスタートした点で共通し、価値観も共有できただろう。
北朝鮮が中国との関係を緊密化したのは、朝鮮戦争に際し、中共(中国)が北朝鮮軍支援のために参戦してからだ。それまでは、占領国ソ連との関係が深かった。 【朝鮮戦争 1950.06.25〜1953.07.27】
 1950年6月25日、北朝鮮は突如38度線を越えて韓国へ侵攻。不意を喰らった韓国軍は敗退、北朝鮮軍は 韓国の大部分を占拠し、韓国政府は 一時 釜山まで後退した。
その後 国連軍(米軍が主力)が参戦し、仁川上陸作戦等を経て逆襲し 北朝鮮軍を中朝国境付近まで追い詰めた。この過程で中共(中国)軍が北朝鮮支援のため参戦。1953年7月に停戦が実現したもの。
金日成は、事前にソ連のスターリンの許可を得て、この武力侵攻を敢行したと言われている。

1961年7月、中朝間に"中朝友好協力相互援助条約"が締結されて、両国の親密度は一層深まり 現在に至っている。

 北朝鮮は、共産主義社会(ソ連邦)の崩壊、東西冷戦の終焉等、時代の趨勢に適応できなかったため、経済的にも破綻し、今や中国の支援なしには存続し得ない状況にある。
 ロシアは、北朝鮮の弱みにつけ込み、同国から安い労働力を得ている。例えば、シベリヤの木材伐採作業に大勢の北朝鮮労働者が従事している。これは政府間の契約によるもので、賃金は一括北朝鮮政府に払われ、その内のごく一部が本人達の手に渡る。逃亡監視の中で 厳しい労働条件で働かされるという朝露合作の人権蹂躙が行われている。
 中国の北朝鮮への関与は、ロシアとは違い、もっと密接で政治的な面も大きい。
中国依存度が高い北朝鮮を 保護下に置き、植民地化しようとする中国の意図が見え隠れする。即ち
2005年5月、中国は北朝鮮東北端の羅津港の50年に亘る租借権を入手している。これで中国は日本海への直接の出口を確保したことになる。
中国国内から羅津港に至る幹線道路拡幅や周辺一体の開発の利権も得ている。(羅津は清津の北に位置する ⇒ クリック【 朝鮮地図 】参照
北朝鮮の茂山鉄鉱山の50年間の独占採掘権や中朝国境の銅山の採掘権を取得している。レアメタルも狙っているという。
北朝鮮と 黄海での30年間の石油開発契約をしている。
北朝鮮に中国資本の工場が多数建設されている。等々
 このような状況を見ると、19世紀に、西欧列強が中国に介入し、利権獲得競争を繰り広げた構図を連想させる。

 中国としては、このような国益に叶う中朝関係を維持するためには、金正日体制を崩壊させるわけにはいかない。
北朝鮮ミサイル発射問題に関する国連決議に際しても、金正日体制の崩壊に繋がるような制裁措置だけは、避けねばならなかったのである。
しかし、一方で 今や国際社会の中で大国となった中国は、国際世論に反する北朝鮮擁護は、孤立化を招くと考えたのだろう。
これが、北朝鮮制裁決議には反対し、非難決議には賛成した中国側の事情である。
 中国には、これまで北朝鮮を支えてきたという自負がある…、にも拘わらず 今回は中国の説得に耳を貸さなかった北朝鮮の態度に強い不快感を持ったに違いない。
一方北朝鮮は、これまでの中国との蜜月関係からも、唯一信頼していた中国が、まさか国連で北朝鮮非難決議に賛成するとは…、と中国へ信頼感が一気に不信感に変わったのだろう。

 これから、中国と北朝鮮の関係はどうなっていくだろうか。
このまま中朝間の対立が続けば、北朝鮮は 完全に孤立無援に陥り 暴走する危険もある。
金正日体制の内部崩壊も考えられる。
いずれの場合も、その後の予想はできないが、朝鮮半島に緊張が高まることだけは確かだ。
しかし、現体制の北朝鮮は、中国なくして生き残ることはできない。
中朝対立を解消し、元の鞘に納まって、北朝鮮は 中国の衛星国として存在する可能性が最も高いだろう。中国は北朝鮮に対する支配力を一層強めることになる。

 最近、韓国の盧泰愚大統領の姿勢がおかしい。
親中国、親北朝鮮の姿勢を強め、反日、反米指向に傾いてきた。
この韓国の姿勢は、中国にとっては大いに歓迎すべきことだろう。
考えてみると、朝鮮半島の歴史は、僅か30数年間の日本統治時代を除いて、大部分が清や明等の大陸圏の属国や植民地であった。
韓国にも やはり中国指向のDNAがあるのかもしれない。
数十年後、昔のように 朝鮮半島は 南北一体となって 中国の衛星国になっている可能性なしとは言い切れない。 (2006.09.01)

 次回は(第134回)「小泉政治を採点すると」(2006.09.15)
  【出来事】
  • 8月15日 小泉首相 靖国神社参拝
  • 8月16日 北方領土・貝殻島付近の海域で日本漁船(乗組員4人)がロシア国境警備局の警備艇の銃撃を受け拿捕される 漁船乗組員1名が銃撃により死亡
  • 8月20日 第88回全国高校野球甲子園大会決勝戦 駒大苫小牧(南北海道)対早稲田実(西東京) 1対1で延長15回引き分けで翌日再試合
  • 8月21日 第88回全国高校野球甲子園大会決勝戦再試合 早稲田実(西東京)が駒大苫小牧(南北海道)を4対3で破り初優勝
  • 8月22日 ロシアのツポレフ154型旅客機がウクライナ東部のドネツク北郊で墜落 同機はロシアの黒海沿岸の保養地アナパからサンクトペテルブルクに向かう途中で乗員乗客169人全員死亡
  • 8月28日 小泉首相 カザフスタンとウズベキスタン訪問に出発 カザフスタンのナザルバエフ大統領と首脳会談 29日ウズベキスタンの カリモフ大統領と首脳会談 (31日帰国)
  • 8月30日 日本オリンピック委員会(JOC) 2016年第31回夏季五輪招致国内候補都市を東京都に決定(投票結果東京都33票 福岡市22票)