◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2006/11/15】



◇第138回◇
責任の所在

 シュレッダー(紙細断機)に、幼児が手を突っ込み 負傷したり、指を切断する事故が発生して問題になった。
その前に、六本木ヒルズのオフイスビルの回転ドアに幼児が挟まり、死亡するという事故も発生した。
いづれも 再び 起きてはならない痛ましい事故である。
回転ドアやシュレッダーに 安全上の欠陥があったとしてメーカー側の責任が問われた。
 しかし、事故の責任はメーカー側だけにあるのだろうか。決してそうではない。
シュレッダーは 玩具ではない。幼児の手の届くところに置いていた保護者の責任が 先ず問われるべきである。親が気配りをしていたら避けられた事故だ。
回転ドアの事故は、親の目の前で、閉まりかけたドアに子供が走り込んできて起きた。親がもう少し子供の安全に注意を払っていたら事故は防げた。
メーカーの責任を問うことに異論はない。しかし、このような幼児の事故については、保護者の注意義務や責任も 同時に問題にすべきである。
事故の再発防止のためには、幼児を持つ親に対して 警鐘を鳴らすことの方が先ではないか、と思うのである。

 脚立から転落して怪我をする事故が 何件か発生したそうだ。
経産省は、脚立に構造上の欠陥はないと思われるが、対策についての検討をメーカー側に指示したというニュースが報道された。 製品に欠陥がないのに、メーカーに 対策を指示するとは 理不尽だ。
事故防止のためには、ユーザーに使用上の注意や安全作業の徹底を図るしかない。
自分の不注意で負傷したのに、それは棚に上げて 脚立のせいにされたのでは、脚立も たまったものではない。

 長崎市のある中学生が、タバコを校内に持ち込み、担任教師から指導を受けたのを苦に、校舎の4階から飛び降り自殺をするという事件があった。両親は、自殺の原因は不適切な生徒指導にあったとして、市に対し損害賠償を求めて民事訴訟を提起した。
事件の細かい真相は よく分らないが、自分の子供の喫煙の非は棚に上げて、市の管理責任を問うというこの親の姿勢はいただけない。
自分の子供の教育もできず、非行に走らせた親の責任こそ問われなければならない。責任転嫁もいいところだ。

 最近の責任回避や責任転嫁の風潮は、由々しき問題だ。
格差拡大の典型と言われるフリーターやニートも、第一義的には本人の責任である。
努力を怠ったために 社会から取り残されたのに、全ては 格差社会をもたらした政治が悪いからだ…と責任転嫁をする風潮がある。これは 格差拡大は 政治の責任だと 過度に強調するマスコミの影響が大きい。
自らを反省することもなく、すぐ他に責任転嫁をするようでは、努力して 立ち直るどころか、益々 落ちこぼれてしまう。
こんな者には、再チャレンジの機会を与える前に、再教育が必要である。
努力する者が報われ、努力しない者が、落ちこぼれるのは当たり前の話だ。

 先の大東亜戦争の責任は、全てA級戦犯や軍部にあって、国民には 一切責任はない という考え方には賛成できない。
当時の首相でA級戦犯 東条英機氏に 仮に「何故無謀な戦争をしたのか」と問えば、彼は 恐らく「国民の意向に沿ってやった。当時はあれ以外に選択肢はなかった」と答えるだろう。
また、もし彼が 戦時中に「戦争を継続すれば 国が破滅するから、戦争を止めよう」と言いだしたら、多分 彼は国民から袋叩きに遭っていただろう。当時は一億一心、国民全体が“行け行けドンドン!”の勇ましい時代だったのである。
昭和20年8月、我国は ポツダム宣言を受託したが、時の政府(鈴木貫太郎内閣)は これを国民に説明して納得させることができず、天皇の肉声、即ち玉音放送に依らざるを得なかったことからも窺える。
 軍部が戦争を煽り、国民を戦争に駆り立てたのだから、責任は軍部にある(国民にはない)という意見もある。
しかし、軍部を構成する軍人と言えど国民だ。我々の父であり、兄弟であり、友人であって、国民と区別することはできない。我国は階級社会ではないのだから。
したがって、軍部即ち軍人が悪いと決めつけ、国民には一切責任がないという理屈にはならない。
 当時 指導的立場にあった政治家や軍部の中枢に居た人には、より重い責任があるとは言えるが、だからと言って 国民に一切責任がないと言うのは責任転嫁の典型だと思う。
 戦後の無責任や責任転嫁の悪弊は、どうもこの辺に起因しているのかもしれない。

 我国は民主主義国家、主権在民の社会である。政治は、民意によって成り立っているはずである。
悪いのは全て政治、責任は全て政治家にある では済まされないのである。
政治が良くても悪くても、最終的には それを選択した国民に責任があるのだから…。 (2006.11.15)

 次回は(第139回)「先端家電の進歩と戸惑い」(2006.12.01)
  【出来事】
  • 10月31日 米 中 朝 6カ国協議再開で合意 於北京
  • 11月5日 イラクのサダム・フセイン元大統領らに死刑判決(イラク高等法廷)
  • 11月7日 北海道佐呂間町で竜巻が発生 新佐呂間トンネル工事関係プレハブや住宅が多数倒壊 死者9名 重軽傷者26名
  • 11月7日 米国中間選挙(下院435全議席 上院100議席の内33議席 50州の内36州の知事 改選) 民主党が上下両院で過半数を制し圧勝
  • 11月12日 大相撲11月(九州)場所初日(福岡国際センター)
  • 11月12日 「KONAMI CUP アジアシリーズ2006」(日本 韓国 台湾 中国のプロ野球リーグ代表チームによる王者決定戦)決勝戦 日本ハム(日本)がラニュー(台湾)を1:0で破り優勝 於東京ドーム