◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2007/12/01】



◇第163回◇
期待できない民主党

 参議院で 与党を過半数割れに追い込み、主導権を握った民主党は、今や自民党とともに責任政党の一翼を担うべき立場にある。
先月2日の福田-小沢両氏による党首会談では、自民、民主両党の連立政権について話合いが行われた。小沢さんが持ち帰った党首会談の内容(自民との連立政権構想)が 党役員会で拒否されたため、小沢氏は辞表を提出した。
 小沢氏は、「民主党は、いまだ さまざまな面で力量が不足しており、国民から本当に政権担当能力があるのかという疑問が提起され続け、次期総選挙での勝利は大変厳しい情勢にあると考えている。政権の一翼を担い、政権運営の実績を示すことが民主党政権への近道と判断した」と辞任表明の記者会見で述べている。
この小沢氏の発言は、民主党にとっては 厳しいものだが、党の現実を冷静に見据えたもので、的を得た貴重な意見と言うべきだろう。しかし、民主党は これに強い拒否反応を示した。
その後 小沢氏は、党側の強い説得に応じて、わずか3日で辞任を撤回してしまった。同時に、この小沢発言も葬られてしまったようだ。
 民主党は、今回 大連立構想を一蹴したが、話合い重視の自民党政府に どう対応していくか、民主党にとって、今程大切な時期はない。
民主党が、本当に政権政党を目指すなら、国政の責任を負っている与党と同じレベルで、国家、国民のための政治スタンスに立つべきである。政権担当能力があることを、責任ある具体的な姿勢で示すことが肝要である。
小沢氏は まさに この点を指摘したかったのだと思う。

 民主党は、政権獲得のみに執着し、国益や国民のためよりも 党利党略的な姿勢が目立つ。
民主党は、自民党政府を追い詰め 衆院の解散に持ち込みたいのだろうが、政府与党との対決姿勢のみでは、徒に政治を混乱させるだけで、そのツケは 全て国民に回ってくる。これでは、民主党は とても責任政党とは言えないし、国民から“政権を任せられる政党”のお墨付きは得られない。
 その最たるものが 新テロ特措法に対する民主党のかたくなな反対姿勢である。反対の理由は、自衛隊による給油活動が 国連決議によるものではないからだと言う。(小沢党首の持論は、国連決議に基づくものであれば、自衛隊の海外での武力行使も可能だと言う)
しかし、我が国自衛隊によるインド洋での給油活動は、去る9月の国連安保理事会決議(UNSCR1776)の中で謝意が盛り込まれる等、国際社会から高く評価され、期待されている。
国際社会が挙ってテロ対策に参加している中で、海外で武力行使ができない我が国の国際協力の方法としては、インド洋に於ける諸外国への給油活動は最適であり、それ以外には考えられないだろう。
海上給油は国連の意向に沿ったものであり、民主党の態度は、我が国の国際的な立場や国益よりも、党利党略、即ち自民党政府の追い落としを意図したもの以外の何ものでもないと断ぜざるを得ない。

 民主党は、次期衆院選を意識し、国民に対する無責任な迎合的姿勢が目立つ。
 その一例が、民主党が 今国会に提出した農業者戸別所得補償法案だ。これは、農家の販売価格が生産額を下回った場合、国がその差額を補償するもので、ばら撒き政治の色彩が強い。
確かに 我が国の農業は、食料自給率の観点からも 大変重要だが、困難な問題も抱えている。(農業の採算性、農業従事者の減少<跡継ぎ>問題etc)
要は、我が国農業経営を育成強化し、競争力をつけて自立できる農業にすることである。(自民党の方針は、集約化、大規模化により競争力を高めるとしている)
民主党の農業者戸別所得補償法案は、我が国農業を育成強化するどころか 弱体化させるもので、農家安楽死法とも言うべきものだ。
しかも、これに要する財源1兆円についての確たる説明もない。これこそ、農家からの集票を狙った人気取り政策の最たるものと言うべきだろう。

 国民年金の基礎年金を2009年までに現在の国庫負担3分に1を、2分の1にする方針が決まっている。
民主党は、2分の1ではなく、全額国庫負担にせよと主張している。全額国庫負担も一つの考え方として理解はできる。
しかし、これに必要な膨大な財源について、民主党は 消費税は上げない、無駄な支出を減らすことによって捻出すると言っている。歳出削減だけで10兆円以上の財源を捻出することは、到底不可能な話だ。
財源の具体的な説明もできない民主党の提案は 極めて無責任である。
[注]
 基礎年金の国庫負担3分の1を 2分の1にするだけで、新たに約2.5兆円 (消費税1%に相当)の財源が必要になる。全額国庫負担にすれば 財源は消費税換算で5〜7% (現行5%の消費税を10〜12%にアップ)が必要になると試算されている。

[小沢党首の辞任表明撤回ドタバタ騒動について]
 先月初めの 福田-小沢党首会談をめぐっては、さまざまな憶測がなされた。
小沢氏は 11月7日の辞任撤回の記者会見で、党首会談の経緯について 次のように説明している。
 “2ヶ月前、さる人から呼び出され、食事をともにしながら、話をした。その内容は大連立に関するものであった。(2ヶ月前は まだ安倍内閣の時期である。さる人とは、渡辺恒雄・読売新聞グループ本社会長であることが判明している)
10月半ば以降に、福田首相の代理人に会ってくれという話があり、その人と会った。そこで首相が本当に連立を考えていることを確かめ、それなら福田さんから直接話を伺うのが筋だと言った。そして党首会談の申入れになった。(福田首相の代理人とは、森喜朗元首相と言われている)”
 党首会談の申し入れや、連立政権構想を持ち出したのは どちらからか が世間の関心を集めた。読売新聞等は、小沢氏の方から言い出したものだと報道したが、小沢氏はこれを強く否定し、朝日、日経以外の報道を一方的な中傷記事だと非難している。
一部マスコミによると、小沢氏の方から“連立政権構想を持ち出したのは 福田さんからにしてもらいたい”との要請があった。連立政権ができた場合は、小沢さんが副総理に、閣僚は自民党が10名、民主党が6名、公明党が1名と具体的な話にまで及んだとの報道まであった。
 福田首相は、連立政権協議の話を どちらが持ち出したのかについては、「あうんの呼吸という感じだ」と言うのみだ。
11月2日 党首会談を前にして、会談する部屋に盗聴器が仕掛けられていないか、国会職員による入念なチェックが行われたという。党首会談は、その内容が外部に漏れぬよう 当初から極秘の密室会談として設定されたことは疑いない。真相は明らかにされず、闇の中だ。
 ただ、福田首相は、マスコミ関係者に対し、大連立について”小沢氏が確実に乗ってくるとの確信があった”と語っている。
一方 小沢氏も11月4日の代表辞任表明の記者会見では、個人としては連立政権協議の提案を受容れる意向だったと述べている。


 自民ー民主の党首会談は、民主党の拒絶により不調に終わったが、この一連の動きが、民主党に与えた影響は大きい。
小沢氏は、辞表提出の理由を 連立政権構想に関して政治的混乱を生じさせたためと述べているが、更に 「私が選任した党役員から不信任を受けたに等しく、けじめをつけたい」とまで言い切っている。
党は、小沢党首の考え方を拒否したにも拘らず、長老たちが真っ先になって説得に当たる等、党を挙げて小沢氏の辞任撤回運動を繰り広げた。
これは、民主党には 小沢氏以外には 党を治め得る人物がいないことを天下に示したことになる。
同時に、寄せ集め的な民主党では、小沢氏は、自らの理念や路線に基づくリーダーシップを発揮できないことも明白になった。
 民主党では、政府提出の新テロ特措法への対案(「国際テロ防止・根絶とアフガニスタン復興支援等に関する特別措置法案」)を検討したが、党内意見をまとめきれないでいる。

小沢氏の党内での力が一段と強まることも予想される。彼の独断専行的な体質が再び表面化し、反発を招くこともあり得る。小沢党首のもとで本当に党内結束が図れるかどうかは疑問だ。(2007.12.01)

 次回は(第164回)「今年(2007年)を振り返る」(2007.12.15)
  【出来事】
  • 11月15日 福田首相 ブッシュ米大統領との会談のため 米国に向けて出発(福田・ブッシュ日米首脳会談は現地時間11月16日)
  • 11月15日 バングラデシュ サイクロンが直撃し犠牲者は数千人〜1万人とも言われる
  • 11月19日 福田首相 ASEANプラス3(東南アジア諸国連合・日中韓)首脳会議 東アジア首脳会議等へ出席のためシンガポールに向け出発
  • 11月25日 大相撲11月(九州)場所千秋楽 横綱白鵬が12勝3敗で優勝
  • 11月28日 東京地検特捜部 前防衛事務次官守屋武昌容疑者を収賄 妻幸子容疑者を共犯の容疑で逮捕 既に業務上横領容疑で逮捕の山田洋行元専務宮崎元伸容疑者を起訴 贈賄容疑で再逮捕