◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2007/12/15】



◇第164回◇
今年(2007年)を振り返る

 今年の最大の出来事は、7月29日に行われた参院選での自民党の惨敗と9月の安倍総理の突然の辞任、福田政権の誕生と言ってよいだろう。
昨年9月に発足した安倍内閣は、教育基本法の改正、防衛庁の省への昇格等を実現し、今年になってからも 国民投票法を制定するなど、戦後レジームからの脱却を 推進していくものと期待されていた。
しかし、その後 閣僚の失言問題や政治資金をめぐる不祥事が相次いだところに、社会保険庁の公的年金5,000万件の記載漏れが発覚し、政府に対する国民の不信感が一気に高まった。
 7月の参院選挙は、このような情勢の中で行われたため、与党自民党が大敗し、野党が過半数を制した。
この結果、国会は、衆参のねじれ現象により、機能不全に陥り 国政が停滞する事態になっている。
 特に、10月末で期限を迎えたテロ特措法の延長に 野党が反対したため、自衛隊によるインド洋での国際給油活動が中断を余儀なくされた。テロ対策の一環として、我が国が提供する給油活動は、諸外国からも高く評価され、期待されていただけに、我が国の国際的な信用を害し、国益を損なうことになった。

 国会のねじれ現象の中で、突然 総理を辞任した安倍さんの後を継いだ福田総理は、小泉、安倍路線を修正する方向に政策転換したと見られる。福田内閣の評価については、既に述べた。⇒第161〜162回「期待できるか福田内閣」参照
構造改革路線が見直されれば、各種改革の停滞や後退は避けられないだろう。
 現に、安倍内閣から引き継いだ独立行政法人の改革(廃止や民営化を含む整理合理化)は、渡辺喜美行政改革担当相の奮闘にも拘らず、所管大臣を含む霞ヶ関の強い抵抗に遭い、遅々として進まない。また、揮発油税等、道路特定財源の一般財源化は、すでに 道路族議員や国交省により、事実上反故にされてしまった… etc。
福田首相の改革に対する意欲や指導力には、疑問を感じざるを得ない。

 ねじれ国会による国政停滞の打開策として、福田首相、小沢代表による党首会談が行われ、自民、民主大連立構想が話し合われた(11月2日)。しかし、民主党が会談内容を拒否したため、小沢代表の辞任騒ぎに発展した。結局、本人は党の強い説得に応じ 辞意を撤回したが、これは、民主党の人材難等の欠陥を曝け出す結果になった。

 今年は、防衛省をめぐる不祥事が大問題になった。
海上自衛隊イージス艦の機密漏洩、インド洋の海上自衛隊補給艦航海日誌の破棄事件等の不祥事が相次いで発覚したが、致命的だったのが 守屋前防衛事務次官と(株)山田洋行(宮崎元伸元専務)との癒着構造の発覚であった。
取引業者による 防衛省トップ(守屋事務次官)の丸抱えとも言うべきもので、水増し請求も行われていた。言語道断、徹底究明が求められる。自衛隊の士気にも悪影響を与えているはずだ。
 野党側は、これら防衛省の不祥事を利用して 新テロ特措法の成立阻止を狙っているが、新テロ特措法と不祥事は、次元が違う別問題である。 それはそれ、これはこれで 進めるべきで、何でも反対の材料にしようとする民主党の姿勢は間違っている。

 海外でも、色々なことがあった。
ミャンマー軍事政権の独裁政治に対する国際批判、パキスタンの政情不安(ムシャラフ大統領による非常事態宣言と独裁体制=非常事態宣言は12月16日には 解除すると言っているが‥)に対する憂慮等が報じられた。
ロシアでは、国内で 圧倒的支持を得て磐石な体制を固めたプーチン大統領が、豊富なエネルギー資源を背景に、対欧米 強硬路線に転じつつあることへの懸念が広がっている。

 ブッシュ大統領の任期が 残り1年余りとなった米国には、北朝鮮核問題に早くけじめをつけたいという姿勢が見られる。
今年初めに ドイツのベルリンで行われた米朝2国間協議から、アメリカの対北朝鮮柔軟路線が始まった。アメリカは、6カ国協議を進展させるため、北朝鮮に対する金融制裁措置の解除に踏み切った。
更に 米国務省には、テロ支援国家指定解除の動きがある。北朝鮮との駆け引きの材料に使っているが、早晩解除されるだろう
今 北朝鮮核問題で採り上げられているのは、寧辺にある核施設の当面の無能力化であって、寧辺以外の核関連施設や既に保有しているとされる複数の原爆等については不透明のままである。
今進められている6カ国協議がまとまったとしても、朝鮮半島の完全非核化が 将来に亘って保障されることにはならない。

 拉致問題は、今年も一向に進展しなかった。
拉致問題を抱える我が国は、米国の北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除に 強く反対しているが、予断を許さない。
アメリカの国益と日本の国益がいつも一致するものではなく、拉致問題は、最後は やはり日朝間の問題になるだろう。
アメリカの出方如何に拘らず、我が国独自で テロ国家北朝鮮に対する制裁措置を強化する態勢を考えるべきである。
 11月に行われた日中韓首脳会議で、福田首相は「拉致問題の解決と“不幸な過去の清算”の双方の実現に努力する」と述べたそうだが、「拉致問題の解決なくして国交正常化はあり得ない」と言うのが我が国の方針ではなかったのか。福田さんの発言は、拉致問題に対する認識の軽さを見せつけるものだ。

 グローバル化した世界経済の中で、今年は原油が高騰し、国内のガソリン価格が最高値を更新した。
また、穀物から燃料を作るバイオ燃料の実用化に伴い、世界的に穀物価格が上昇し始めた。穀物の大部分を輸入に頼っている我が国への影響は大きい。
いづれも物価値上がりの要因になっており、国民生活に与える影響も出てくるだろう。
 アメリカの低所得者向け高金利住宅融資(サブプライム ローン)の焦げ付き問題は、アメリカだけに止まらず、世界の金融界に悪影響をもたらし、我が国の大手金融機関にも多大な損失を与えている。まだ先行きは不透明である。

 食品業界、特に老舗企業で、産地や賞味期限の偽装表示が多数発覚し、大きな社会問題になった。不二家、ミートホープ、白い恋人の石屋製菓、赤福、マクドナルド、船場吉兆等々。
消費者を欺くもので、再発防止のためにも 徹底した追及が求められる。
偽装表示は、今始まったものではなく、以前から行われていたはずだ。味や品質よりも ブランド志向に走る消費者にも問題なしとは言えない。この事件で腹痛などの被害は皆無であり、連日トップで報道するマスコミは、少し騒ぎすぎではないかと思う。

 大相撲界、今年は受難の年だった。
日本相撲協会は、横綱朝青龍を、秋場所と九州場所の出場停止と11月までの謹慎処分にした。身体の故障を理由に夏巡業を休み、無断で帰国したモンゴルでのサッカーのイベントに興じていたことが発覚したものだ。
横綱の品位を汚したことを深く反省し、一刻も早く立ち直り、再びナンバー1の実力を見せて 汚名を挽回してもらいたい。 11月30日にモンゴルから再来日した朝青龍に対し、マスコミが「謝罪せよ」と大声で叫ぶのは、一種のいじめとしか映らない。
相撲界では、その外に 時津風部屋の若い力士(17才)が稽古中に急死したことも問題になった。
最近では、力士入門希望者も減少してきたし、大相撲の人気に陰りを感じた年だった。国技である相撲人気回復に、関係者の努力を期待したい。
 今年のプロ野球日本シリーズでは、セ・リーグ2位の中日ドラゴンズが、パ・リーグ優勝の北海道日本ハムファイターズを破って日本一に輝いた。
セ・リーグで優勝した巨人は、クライマックスシリーズで敗れたため、日本シリーズに出場できなかった。
今年も 日本シリーズ参加資格を決めるクライマックスシリーズ制(両リーグ上位3チームによるプレイオフ制度)についての賛否が話題になった。
興行的観点からクライマックスシリーズ制が採られているが、やはり日本一は、両リーグの優勝者同士で争うのが筋だと思うのだが…。

 今年の流行語大賞には『どげんかせんといかん』(東国原英夫宮崎県知事)と 『ハニカミ王子』(ゴルフの石川遼選手=マンシングウェアオープンKSBカップで優勝、15才9ヶ月日本ツアー最年少優勝記録達成)が選ばれた。
また、日本漢字能力検定協会は、今年の世相を表す漢字を『偽』と発表した。(2007.12.15)

 次回は(第165回)「期待できない? 2008年」(2008.01.01)
  【出来事】
  • 12月3日 野球日本チーム(監督星野仙一氏)アジア野球選手権2007(於台湾)を制し北京五輪出場権を獲得
  • 12月10日 ロシアのプーチン大統領 次期大統領候補にドミトリー・メドベージェフ第1副首相(42才)を指名(大統領選挙は来年3月実施予定)
  • 12月11日 アルジェリアの首都アルジェで2件の連続爆弾テロが発生 国連職員11名以上を含む67名以上が死亡 アルカイダ系組織が犯行声明
  • 12月14日 第168臨時国会の会期(12月15日まで)を来年1月15日まで31日間再延長することを衆院本会議で自民、公明等の賛成多数で議決
  • 12月14日 佐世保市のスポーツクラブ「ルネサンス佐世保」で銃乱射事件が発生 2名死亡子供を含む6人が負傷