◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2008/01/01】



◇第165回◇
期待できない? 2008年

 今年は、国会の衆参ねじれ現象の中で、臨時国会再延長による越年国会という 波乱含みの中で新年を迎えた。
国会会期が1月15日まで再延長されたため、民主党が執拗に反対している新テロ特措法は、参院での議決(否決)の有無に拘らず、衆院で3分の2以上の多数で再可決すれば 成立する見込みになっている。
 1月18日開会予定の通常国会の最重要案件、平成20年度の予算は、予算の衆院優越の憲法規定により、衆院の可決のみで成立する。しかし、予算関連法案が 野党の反対で成立しなければ、その予算は執行できない。
国家予算が執行できなければ、国民生活に重大な影響をもたらし、大変な事態に陥る。
 このような状況を迎えて与野党がどう対応するか、今から注目される。政府提出法案が参院で否決されれば、政府としては衆院での3分の2以上での再可決しか手段はない。
野党の抵抗で身動きが取れなくなれば、政府の採るべき道は衆院の解散しかない。衆院の解散総選挙が、いつ行われるかも 今年の大きな関心事である。
しかし、総選挙で与党が勝っても、国会の衆参ねじれ現象は 解消しない。少なくとも6年後の参院選までは ねじれ現象が続くとみなければならない。
打開策として、連立政権や政界再編が現実問題として浮上してくる可能性もあり、政局の先行きは極めて不透明である。

 このまま不安定な政局が続けば、政治が大きく後退することは避けられない。
与野党の妥協による政治は、場当たり主義、先送り主義的なものになり、国の将来を見据えた厳しい政策は敬遠される。
既に公表された平成20年度政府予算案を見ても、選挙を意識したばら撒きを含む歳出圧力を抑えることができず、これでは 国の財政再建も 後退を余儀なくされる。政府目標の平成23年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の黒字化は、困難になった。
福田総理のリーダーシップには 疑問符を付けざるを得ない。

 福田さんの構造改革に対する意欲は、小泉さん、安倍さんに比べると かなり温度差があるようだ。
福田内閣のもとでは、小泉内閣以来の改革路線は、停滞し、後退するとの見方が強い。
安倍前総理が掲げた戦後レジームからの脱却、例えば憲法改正や集団的自衛権、教育問題…等々の我が国の将来像に関わる高次元的な議論も棚上げされてしまうだろう。

 昨年上昇した国際原油価格の高止まりや世界的な穀物の高騰により、物価の値上がりが始まっている。食料品やガソリン 灯油等の生活用品の値上げは 国民生活に影響を及ぼす。
更に、世界の金融界に悪影響をもたらしているアメリカのサブプライム ローン問題(低所得者向け高金利住宅融資の焦げ付き)は、まだ収まりを見せず 我が国経済にも影響を与えている。
 政府は、平成20年度の経済成長率を実質2.0% 名目2.1%と見込んでいるようだが、楽観的過ぎると思う。
内外の状況を考えると、今年の我が国経済には、暗雲が見え隠れしていると言うべきだろう。

 最近、環境問題、とりわけ地球温暖化問題が世界的に問題になっている。
昨年12月3日〜15日、インドネシアのバリ島で 国連気候変動枠組み条約第13回締約国会議(COP13)が開かれ、バリ・ロードマップ(行程表)が採択された。
 温暖化現象は、地球規模での異常気象をもたらし、生態系にも変化を来たし、氷河や凍土も溶け始めている。海面の上昇により、南太平洋の島国ツバルは、将来 国全体が海中に没してしまうという深刻な状況にある。
長い目でみれば、人類の将来の存亡に関わる地球規模的な問題と言っても過言ではない。

 このような中で、今年は7月7日から、地球環境、地球温暖化問題をテーマに、北海道の洞爺湖でサミット(G8主要国首脳会議)の開催が予定されており、その意義は大きい。
地球温暖化対策の重要性については、世界共通の認識になっている。しかし、具体的な対応策になると、各国の思惑や利害がからみ 簡単には まとまらない。サミット議長国としての我が国の真価が問われる。
日本政府が主催する国際イベント「北海道洞爺湖サミット」については、与野党を挙げて成功に導いてもらいたいものだ。

 韓国では、盧武鉉大統領が任期満了を迎え、既に行われた選挙(昨年12月19日)の結果、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)氏が新大統領に就任することが決まっている。(新大統領の就任式は2月25日の予定)
左翼的な盧武鉉政権は、北朝鮮に対する宥和政策に徹し、日米とは距離を置く傾向が見られたが、李明博新政権の外交姿勢がどう変わるかが注目される。
 ロシアのプーチン大統領も、今年5月に任期が終了するため、3月2日に大統領選挙が予定されている。
昨年12月10日、プーチン大統領が 第1副首相ドミトリー・メドベージェフ氏(42才)を次期大統領候補者に指名したため、同氏が次期大統領選に当選することが確実視されている。
しかし、世界の関心は、誰が後任大統領に就任するかより、絶大な権力基盤を築いたプーチン氏が大統領辞任後、どんな形で存在感を示し、ロシア政治に影響力を維持しようとするかに集まっている。既にドミトリー・メドベージェフ大統領候補は、プーチン氏に首相就任を要請し、プーチン氏はこれを受けると言っている。権力の中枢が大統領中心から、実質的には 首相中心に移行する等と囁かれている。
 また、アメリカでも、ブッシュ大統領が 来年1月に任期満了を迎えるため、今年11月には 大統領選挙が行われる。
ポストブッシュの大統領選の行方については、国際社会の大きな関心事である。
共和党、民主党いづれが大統領選挙を制するか、今後の推移を見守りたい。
また、ブッシュ大統領にとって今年は最後の年になる。イラク、イラン、北朝鮮問題等、多くの難問を抱えているブッシュ政権の動向に 変化があるのかどうかも注目される。

 昨年12月27日、パキスタンでは、ベナジル・ブット元首相(野党パキスタン人民党総裁)が暗殺され、世界に衝撃を与えた。これに抗議して元首相支持者らによる暴動が相次ぎ 政情不安が続いている。1月8日に予定されていた総選挙の実施も分からなくなった。ムシャラフ大統領の対応に注目が集まっている。
当分は パキスタン情勢からも目が離せない。

 今年はオリンピックの年である。8月8日〜24日(17日間)、北京で開催される。
前回のアテネ大会では、我が国は史上最多の37個のメダル(金16、銀9、銅12)を獲得し、国中が沸いたが、今年は過度な期待はしない方がいいだろう。
 国を代表して出場する選手達には、これまで培ってきた実力を十分発揮して健闘してもらいたい。
特に、野球は、次回のロンドン大会(2012年)以降、大会種目から除外されるため、今年の北京大会が最後になる。 これまで 日本の野球は期待されながら 一度も金メダルを取ったことがない。最後のチャンス 今年こそは ! と星野ジャパンに勝たせたい。
 北京では、オリンピックを前に大気汚染が問題になり、北京市当局も公害対策には随分腐心したようだ。これを契機に、中国の公害問題に対する認識が一層高まれば、これも また結構なことだ。(2008.01.01)

 次回は(第166回)「立法府のシステム欠陥がもたらしたねじれ現象」(2008.01.15)
  【出来事】
  • 12月19日 韓国大統領選挙 保守系野党ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)氏が当選 新大統領就任式は来年2月25日の予定
  • 12月24日 政府 2008年度予算政府案(一般会計総額83兆613億円)を閣議決定
  • 12月27日 福田首相 中国の胡錦涛国家主席 温家宝首相らとの首脳会談のため北京へ向けて出発(30日帰国)
  • 12月27日 パキスタンでベナジル・ブット元首相(野党パキスタン人民党総裁)が狙撃により暗殺される 同時に発生した爆弾テロにより約20人が死亡 負傷者多数の模様