◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2008/09/01】



◇第181回◇
毒入り餃子事件その後

 我が国で中毒事件を起こした中国天洋食品製の餃子によって、中国国内でも 4人の重症中毒患者が発生していたことが、去る8月6日、マスコミ(読売新聞)のスクープによって明らかになった。
この情報は、既に 洞爺湖サミット前の7月7日に、中国から 外交ルートを通じて 密かに日本政府に伝えられていたと言う。
 回収されていたはずの天洋食品の餃子が、なぜ流通していたのかが問題になっていたが、8月28日、中国側は、中国国内での中毒事件は 市場には流通していないギョーザが原因だとの調査結果を 伝えてきた。
 中国が、中国国内で 毒物が混入された可能性が高いと認めた…等という一部報道があったが、これについて 外務省は 中国から そんな情報の提供はないと否定している。
これとは別に、中国側は 天洋食品工場での内部犯行の可能性が高いとして再捜査を進めていることが判明したとの報道がなされている。
いづれにしても、中国国内での中毒事件の発生は、毒物が中国国内で混入されたことを裏付けている。

 天洋食品製の毒入り餃子事件については、日中双方の警察当局が捜査に乗り出し、日本の警察は、科学警察研究所の鑑定結果に基づいて 毒物は日本国内で混入されたものではないと発表した。
これに対し、中国側は、科学的な根拠を示すこともなく 日本側の鑑定結果を頭から否定して、中国で混入されたものではない、即ち 日本国内で混入されたものだと一方的に主張して、日本の警察当局と真っ向から対立していたものである。
 中国国内で中毒事件が発生していた事実は “中国で混入されたものではない”というこれまでの中国側の強硬な主張が 崩れたことになる。
 “中国餃子中毒事件”については、〔第169回〕「毒入り餃子と食の安全」を参照

 餃子中毒事件をめぐる中国側の姿勢は、反社会的であり、問題である。
日本側が提示した鑑定結果に対して 科学的な反論ができないまま、中国国内での混入はあり得ないと 強引に表明した中国は、実は 早い時点から (遅くとも 日本側が鑑定結果を提示した今年2月の時点では) 中国国内で混入したしたものと 感じていたに違いない。
 しかし、北京オリンピックを控え、大気汚染や食の安全への懸念が指摘されていたため、少なくとも オリンピックまでは、中国国内での毒物混入は、国を挙げて 隠蔽しようとしたものとみていいだろう。
これは、食の安全の対外信用失墜を防ぐため、虚偽を流布して国際社会を欺いたことになり、反社会的と言ったのはこのためである。
 今回の事件を通じて、中国は、政治的にも、国際社会の一員としても、まだまだ未熟であり、信用できないことを露呈した。

 天洋食品製の餃子中毒が、中国国内でも発生していたという重大な情報を、日本政府は 1カ月間も 国民に隠していたことになる。
政府は、中国から、公表は避けるよう要請されていたと言う。
福田首相は “捜査上の理由から公表できない”、高村外相は “情報提供者が公表しないでほしいと言っている以上、公表しないのは 情報の世界の大原則だ”等と言い、この情報非公開を軽く考えているが、到底 納得できるものではない。
中国国内での餃子中毒事件発生が 日本で公になると、どうして捜査の支障になるのか、説明してもらいたいものだ。
これでは 日本政府は、自国民を欺いただけでなく、国際社会を欺く中国の反社会的行為に 手を貸したことになる。

 天洋食品製の毒入り餃子事件は、重症患者を含む多くの中毒患者を発生させ、国民に 輸入食品に対する大きな不安を与えた。
JTフーズをはじめ、中国食品輸入企業には 多大な損害を与えた。
捜査段階でも、中国は、毒物は日本側で混入されたものだと決め付けただけでなく、中国の捜査に 日本は非協力的だ等と言って日本を非難する有様だった。
このように 毒入り餃子事件は、その後の経過も含めて、日本国民の重大関心事になっていたのである。
 政府が1ヶ月間も隠していた重大情報が、やっとマスコミのスクープによって明るみに出た。マスコミのスクープがなかったらどうなっていただろう。最悪の場合、この事件は 日中両政府によって 永久に闇に葬られる可能性もあった。
政府による隠蔽は、他にも あるのではないか。例えば 北朝鮮との間でも、国民には 伏せられた情報があるのではないか…等々、疑えばキリがない。
政府に対する不信感は募るばかりである。

 今回の政府の情報隠蔽は、厳しく追及さるべきだ。
福田首相は、「国民の目線」「消費者重視」を強調しているが、これでは まるで中国の目線、国民より中国重視ではないか。「国民の目線」「消費者重視」は 口先だけのいい加減な言葉だと非難されても仕方がない。
 福田首相は、捜査段階でも 極めて中国寄りの不適切発言をして 国民の顰蹙(ひんしゅく)を買っている。
それは、中国が 日本側の鑑定結果を否定して、毒物は中国国内で混入されたものではないと一方的に表明した時(2月28日)の福田さんのコメントだ。「中国側は、日本と共同して、しっかり調査したいと言っているんじゃないですかね。非常に前向きですね」。これが日本の総理大臣の発言かと言いたい。
福田さんは、靖国神社参拝に関して、「人(友達)が嫌がることは しない」と言ったが、この方針だけは 忠実に守っているようだ。

 去る8月17日、高村外相は北京を訪問し、中国側との会談で、日中捜査当局が協力して早急に真相解明を果たす方針を確認したというが、これもおかしい。
毒入り餃子事件は、今や中国の捜査当局の問題で、中国々内の捜査に 日本が参加して 協力するわけにはいかない。日本側は、あくまで中国に 早期真相解明を迫る立場であるはずだ。(2008.09.01)


 【ちょっと一言】
 「せいぜい頑張ってください」

 去る8月8日、北京オリンピック開会式当日、福田首相が選手村を訪れ、日本選手団に述べた言葉が「せいぜい頑張ってください」というものだった。
本人は 激励したつもりだろうが、「せいぜい」とは、“できるだけ”とか“無理せずに”という意味に解される。
国を代表して、選手生命をかけて 極限の緊張感をもって競技に臨もうとしている選手を前にして、「せいぜい頑張ってください」は ないだろう。
 開会式に出席していた石原東京都知事によると、開会式の各国選手団の入場に際し 自国選手団が前を通過した時に 起立しなかったのは、出席した各国元首クラスの中で、日本の福田さんと北朝鮮だけだったそうだ。(照れくさいで済まされる問題ではない)

 次回は(第182回)「福田総理の退陣」(2008.09.15)
  【出来事】
  • 8月18日 第90回全国高校野球甲子園大会決勝戦 大阪桐蔭(北大阪)が常葉菊川(静岡)を17対0で破り優勝
  • 8月18日 パキスタンのムシャラフ大統領 大統領を辞任
  • 8月20日 スペイン・マドリードのバラハス国際空港で同国スパンエアの旅客機が離陸に失敗 炎上 乗客乗員172人のうち153人が死亡、19人が重傷
  • 8月24日 北京オリンピック閉会式
  • [参照]⇒日本選手のメダル獲得表(クリック)
  • 8月26日 アフガニスタン東部のジャララバード近郊で非政府組織(NGO)の伊藤和也氏(31)が拉致され 27日遺体で発見される(運転手も拉致されたが逃げて無事)
  • 8月26日 北朝鮮 米国のテロ支援国指定解除延期に反発して寧辺の核施設の無能力化作業を即時中断する旨の声明を発表(朝鮮中央通信)
  • 8月28日 民主党の参院議員 渡辺秀央氏 大江康弘氏 姫井由美子氏が離党届を提出 無所属の荒井広幸氏 松下新平氏と新党「改革クラブ」を結成 翌29日姫井由美子氏が離党届を撤回たため「改革クラブ」は4人となった