◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2008/12/15】



◇第188回◇
2008年を振り返る

 今年は、政治 経済の分野では、激動の年だったと言っていいだろう。
 昨年9月 総理に就任した福田さんは、ねじれ国会による国政の行き詰まりと支持率の低下により、わずか1年で政権を投げ出してしまった。
後任の自民党総裁選挙では、挑戦4度目の麻生太郎氏が、第1回目の投票で過半数を制して当選(9月22日)、第23代自民党総裁に就任した。(立候補者は 麻生太郎、与謝野馨、小池百合子、 石原伸晃、石破茂の5氏)
 今年の政治は、ねじれ現象による混乱国会の1年であった。特に参院で多数を占める民主党は、政策より 政局優先で 参院で 採決拒否等の戦術を行ったため、国政に停滞 混乱をもたらした。
例えば、海上自衛隊のインド洋上での給油活動は、民主党の参院での採決拒否戦術により、2ヶ月半に亘って中断を余儀なくされたし、国会同意人事案件である日銀総裁、副総裁、審議委員人事も民主党の承認拒否に遭い、長期間に亘って空席が生じた…等々。
このような 国民や国益を無視した政局優先の対決は 今も続いている。
 最近では、第2次補正予算を今臨時国会に提出するよう民主党が求めて行われた 麻生、小沢党首会談(11月17日)が もの別れに終わったため、民主党は 既に参院の委員会理事懇談会で合意していた“「新テロ特措法改正案」の11月18日の採決”を 反故にして、「金融機能強化法改正案」とともに 参院での採決を拒否する方針に転換した。政局のためには、与野党間の合意も破り、法案を人質にとるという民主党の態度は、議会制民主主義の否定に繋がる。
このため 政府与党は、「新テロ特措法改正案」を衆院での3分の2以上での再可決に持ち込むため、11月30日までの国会会期を、とりあえず12月25日まで延長した。
結局、、民主党は 再度方針を転換して、12月12日 参院で「新テロ特措法改正案」と「金融機能強化法改正案」の採決を行い 否決したため、政府与党は 同日 衆院で3分の2以上の賛成多数で再可決し、両法案は 共に成立した。

 今年は、アメリカのサブプライム ローン問題に端を発した金融不安・経済不況が 世界に広まり、その深刻さは 昭和初期の世界大恐慌以来とも、また 100年に一度のものだとも言われている。
金融危機からの脱却や景気回復が、世界各国共通の課題になっているが、先の見通しは まだ見えてこない。
サブプライム ローンの影響が比較的少ないと言われていた我が国にも、深刻な影響が及んでいる。
 尚、世界的な金融危機や経済不況、これに対する政府の対策については 前回〔187回〕「世界的金融不安と政府の経済対策」で詳述した。

 今年前半は、原油をはじめとする鉱物資源や穀物の国際価格が、先物取引の投機資金の流入によって急激に上昇し、世界的な問題になった。 原油は、7月には147ドル/バーレルまで高騰し、国内ガソリン価格が一時約180円/リットル台にまで上昇した。燃料費の高騰は 漁業や農業経営にも深刻な影響を与えた。穀物価格の高騰は、食料品の値上げを もたらし、また 酪農経営に打撃を与えた。
しかし、今年秋口になると 世界的な不況により需要が減少し、原油価格は 50ドル/バーレル以下にまで暴落し、その他の鉱物 穀物資源の国際価格も下降傾向になり、資源価格の高騰は、一応収束を見せている。(現在 ガソリン価格は、110円/リットル前後にまで下落している)

 中国から輸入した毒入り冷凍餃子による中毒事件が発生し、中国製食品に対する不信感が高まった。(中国製餃子に混入された農薬「メタミドホス」により、意識不明の重症患者を含む多数の健康被害者を出した)
国内でも、老舗と言われる有名企業で 産地や賞味期限の偽装表示が次々に発覚し、いづれも健康被害はなかったが、中には 廃業に追い込まれた企業もあった。
残留農薬やカビ毒で汚染された工業用の輸入米(事故米)を、食用に不正転売していた事実が発覚して 問題になった。この件では、農水相(太田誠一氏)と事務次官(白須敏朗氏)が引責辞任している。
このように 今年は 食の安全が社会問題になった。

 11月4日、アメリカでは 大統領選挙が行われ、民主党のオバマ候補が、共和党のマケイン候補を破り 第44代大統領に決まった。(来年1月20日に就任予定)
アメリカ史上初の黒人大統領として注目され、期待されている。
 ロシアでは プーチン大統領の任期満了に伴い 大統領選挙が行われ(3月2日)、予想通り メドベージェフ氏が 圧倒的多数で当選し、5月に大統領に就任した。しかし、政治の実権は、首相に指名された前大統領プーチン氏が握っていると言われている。
 また、韓国でも昨年12月の大統領選挙で当選した保守系ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)氏が 2月25日に大統領に就任した。 高い支持率を背景に当選した李明博新大統領だったが、最近では低支持率に喘いでいる。
 パキスタンでは ムシャラフ大統領の辞任に伴い、9月の大統領選挙で当選した人民党のアシフ・ザルダリ氏が 新大統領に就任した。
 タイでは、11月下旬、反政府勢力が バンコク国際空港を占拠して 混乱が続いたが、憲法裁判所が選挙違反事件で与党の解党処分の決定をしたため、ソムチャイ政権は崩壊した。しばらく 政情不安が続くものと思われる。

 11月26日、インドのムンバイで、同時多発テロ事件が発生し、高級ホテルやレストラン 病院 鉄道駅等約10か所が襲撃され、日本人1名の犠牲者を含む多数の死傷者を出した(死亡195人、負傷約300人と言われている)。2001年の米同時多発テロを想起させるもので、改めてテロ対策についての国際的な関心が高まった。

 今年は 北京でオリンピックが開催された。中国は、オリンピックを国威発揚の場と位置づけて力を注いだ。しかし、公害による北京の大気汚染が問題になったし、世界各地を巡った聖火リレーでは、中国政府によるチベット弾圧に対する抗議行動が 各地で相次いだ。
 日本のメダル獲得数は 26個(金9、銀6、銅11⇒男子ハンマー投げで、2位 3位の選手がドーピング違反で失格したため 5位から銅メダリストに繰り上がった室伏広治選手を含む)で、前回アテネ大会の獲得メダル37個(金16、銀9、銅12)には 遠く及ばなかった。
星野ジャパンとして期待された野球は、銅メダルにも届かず、期待外れに終わった。女子ソフトボールは、上野投手の活躍等により 悲願の金メダルを獲得し、大いに沸かせた

 大相撲界でも 今年は色々なことがあった。大麻所持や吸引疑惑問題で 若ノ鵬、露鵬、白露山(いづれもロシア出身の幕内力士)が解雇された。横綱朝青龍は、故障で4場所も休場し、横綱白鵬の強さが目立った1年だった。関脇安馬が 11月福岡場所で念願の大関昇進を果たした。同時に しこ名を「日馬富士(はるまふじ)」に改名した。今後を期待したい。
 プロゴルフ界では、弱冠17歳の高校生 石川遼選手が、プロ入り1年目で ツアー優勝や準優勝を果たし、獲得賞金1億円を突破する好成績を挙げて注目を集め、低迷する男子プロゴルフの人気を盛り上げた。将来が楽しみだ。(獲得賞金約1億632万円で賞金ランキング5位、最優秀新人賞も受賞)

 ノーベル賞に日本から4人の科学者が選ばれ、久々に明るい話題になった。
南部陽一郎氏(物理学賞)、小林誠氏(物理学賞)、益川敏英氏(物理学賞)、下村脩氏(化学賞)の4氏である。

 今年の流行語大賞(自由国民社)には 『グ〜!』(お笑い芸人のエド・はるみ)と 『アラフォー』(女優の天海祐希)が選ばれた。
また、日本漢字能力検定協会は、恒例の今年の世相を表す漢字を『変』と発表した。(2008.12.15)

 次回は(第189回)「どうなる?2009年」(2009.01.01)
  【出来事】
  • 12月2日 タイ憲法裁判所 昨年12月の総選挙での選挙違反事件について最大与党「国民の力党」に有罪判決と解党処分を命ずる 同党の党首であるソムチャイ首相は被選挙権5年間停止となり失職 内閣総辞職 ソムチャイ政権は崩壊
  • 12月8〜11日 北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議首席代表会合 合意に達せず成果なく終わる 於北京
  • 12月12日 衆院本会議 新テロ対策特別措置法改正案 金融機能強化法改正案を与党の3分の2以上の多数決で再可決成立(両法案は参院で野党の反対多数で否決されたもの)
  • 12月13日 日中韓首脳会談(麻生太郎 温家宝 李明博) 於福岡県太宰府市九州国立博物館