◇第189回◇
どうなる?2009年
厳しい不況の中で迎えた2009年、今年は 内外ともに 問題多き年になりそうだ。
昨年、野党が強く求めていた衆院の解散は、深刻化した不況対策優先を理由に先送りされ、今年に持ち越された。
しばらくは、衆院の解散をめぐって 与野党の激しい駆け引きが続くものと思われる。衆院解散は いつ行われるのか、いづれにしても、衆院議員の任期が満了する今年9月までには、総選挙がある。
総選挙の結果によっては、政権が交代する。今年最大の関心事だ。
自公政権が続けば、ねじれ国会も まだ続くことになるし、民主党政権には 不安と期待が交錯する。政界再編の可能性もある。
低支持率に喘ぐ麻生政権に、はたして起死回生の秘策はあるのか。今年は 政局から目が離せない。
昨年から続く、金融不安や経済不況は、今年は一層厳しくなるものと思わねばならない。
今年3月期決算では、トヨタ自動車等 一流企業を含む多くの企業が 赤字に転落すると言われている。
厳しい経営環境にある輸出依存型の製造業を中心に、解雇を含む雇用調整が行われ、社会問題化してきた。
我が国の景気の回復は、今 世界を覆っている金融危機や経済不況の動向如何にかかっている。今回の不況の規模は 全世界に及んでいるだけに、その根は深く 長期化することも視野に入れ、厳しく受け止める必要があると思う。
今年 政府の最大の課題は、深刻化した不況への対応であろう。
1月5日開会予定の通常国会で、20年度の第2次補正予算を含む追加経済対策が打ち出され、続く21年度の予算でも 更なる対策が盛り込まれる。
不況の影響で、法人税を中心に大幅な税収減が見込まれている。平成20年度の第2次補正予算案によると、(20年度の)国の税収は、当初の見積りより 7兆円以上も減収になる見通しで、赤字国債の追加発行も6.7兆円が予定されている。
21年度の政府一般会計の予算規模は 過去最高の約88.5兆円になる見込みだ(政府原案)。これは、緊急経済対策のための財政支出の拡大、社会保障費の伸び、基礎年金の国庫負担の引き上げ(従来3分の1⇒2分の1負担へ 約2.3兆円)等による大幅歳出増によるものである。一方、歳入面では、大幅な税収減が見込まれるため、国債発行も33.3兆円という大きな額になる見通しだ。(国債発行額30兆円突破は当初予算としては 4年振り)
小泉内閣以来の政府の方針である“平成23年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化達成”は 絶望的になった。
今 与党内では、景気対策に便乗して、財政規律を無視した財政出動圧力が高まり、構造改革路線を後退させる動きがある。政府の概算要求基準(公共事業費3%削減、社会保障費の自然増分2,200億円抑制)も崩れた。
しかし、不況克服のためには、構造改革は不可欠であり、改革路線を後退させるべきではない。
政府の経済対策は、近視眼的で 中長期的な戦略に欠けている。経済活性化のための財政出動は、将来の成長力につながる投資に もっと重点を置くべきだ。
赤字国債を出しながら、定額給付金を ばら撒くような愚策は 御免蒙りたい。これでは、経済対策なのか 選挙対策なのかと言いたくなる。
財政悪化に対する国民の不安も募っている。
今や世界に広まった深刻な経済不況に、まだ回復の見通しはない。
欧米諸国には、昨年に引き続き 一層の金融・経済対策が求められる。
世界同時不況の影響は、中国、インド等の新興国にも、大きななダメージを与えつつある。
オイルマネーで潤ってきた中東産油国でも、原油の暴落は、財政や経済に深刻な影響を与えているようだ。
今年の国際社会の最大の課題は、世界に広まる不況の連鎖反応を食い止め、経済不況からの回復の兆しを見出すことであろう。
アメリカでは、共和党ブッシュ大統領から、民主党オバマ大統領に政権が変わる(1月20日)。
オバマ政権が直面する課題も、金融危機・経済不況への対応であろう。昨年12月、ブッシュ政権は 経営危機に陥ったゼネラル・モータース(GM)とクライスラーに対し 174億ドル(約1.5兆円)のつなぎ融資を決めたが、あとは、次期オバマ政権に委ねられる。
米国経済の動向は、日本経済にも 大きな影響を及ぼすため、我々としても目が離せない。
外交面では、ヒラリー・クリントン氏を国務長官に任命したオバマ政権の対外政策が注目される。
テロ対策を含むアメリカの世界戦略に 変化があるのか。イラクからの撤収、アフガニスタン、イラン、北朝鮮問題への対応等々に関心が集まっている。日米関係、日米中関係等々…色々憶測がとんでいるが、全ては蓋を開けてみないと分からない。
民主党は、伝統的に保護貿易の傾向が強いと言われているが、果たしてオバマ政権では…不景気であるだけに 一抹の懸念もある。
今年も、我が国の関心事である北朝鮮問題については、核も拉致も実質的な進展は望めないだろう。
北朝鮮の核の全面廃棄、放棄の実現は 困難になった。それは、北朝鮮が 既に核保有国として 6カ国協議に臨んでおり、核という強力な外交カードを 手放すはずが ないからである。
昨年 何度か行われた米朝協議をはじめとするアメリカの北朝鮮政策(融和政策)は、完全な失敗であった。
もはや6カ国協議は、北朝鮮の核廃棄に関しては、意義を失ったと言ってもいい。
核保有国北朝鮮のミサイルは、日本に向けられている。我が国の防衛態勢を一層強化しなければならない。
拉致問題も北朝鮮の度重なる不誠実な態度から見て、進展は期待できない。
拉致問題解決を外国(アメリカ)に依存するやり方には 限界がある。我が国としては、北朝鮮に対する制裁措置を一層強化していくべきである。
最近、金正日総書記の重病説が流れている。もし、金正日の死亡等で 政権に異変があったら、内部混乱が起こると予想する見方もある。そうなったら 核や拉致問題にも 変化があるかもしれない。
今年は 3月に第2回目のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック…国際野球大会)が 米国で開催され、世界16カ国のチームが優勝を争う。
今年の日本チームの監督は、巨人軍監督の原辰則氏だ。
前回の2006年の第1回大会では、王貞治監督率いる日本チームが優勝している。
今年は、昨年の北京オリンピック惨敗の雪辱の意味もあり、原監督率いる『SAMURAI JAPAN』チームには 頑張ってもらいたい。しかし、過度の期待はしないことにしている。(2009.01.01)
次回は(第190回)
「脱化石燃料」(2009.01.15)
【出来事】
- 12月16日 アメリカFRB(連邦準備制度理事会) FF(フェデラルファンド)金利(政策金利)を1%から0〜0.25%に引き下げを決定
- 12月19日 日銀 政策金利を0.3%から0.1%に引き下げを決定 同時にコマーシャルペーパー(CP)の買い取りや長期国債の買い入れ増額等資金供給の拡充策も決める
- 12月25日 第170臨時国会(延長国会)閉会
- 12月25日 イスラエル パレスチナ自治区ガザにあるイスラム原理主義組織ハマスの治安施設等に対する空爆開始 イスラエル、ハマス間の停戦合意失効後(12月19日) ハマスがイスラエル南部へのロケット攻撃を拡大していため
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