◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………◇ これまでの云 い た い 放 題 ………
【2009/03/01】



◇第193回◇
小泉さんの造反

 麻生総理が 国会で 「自分は、もともと郵政民営化に賛成ではなかった」と述べたこと等に関して、小泉元首相は、「私は最近の総理の発言について、怒るというよりも、笑っちゃうくらい、ただただ あきれている …… 私は 本当に この法案(定額給付金)が3分の2を使ってでも成立させなければならない法案だとは思っていない …」と述べた。(2月12日“郵政民営化を堅持し 推進する集い”の幹事会にて)
 更に小泉さんは、2月18日 訪問中のモスクワでの記者会見で、定額給付金を衆院で再議決する場合は 本会議を欠席する考えを表明し、「総理や自民党執行部は、現在の与党の議席がどういう形で得られたか理解していないのではないか」「2兆円の税金を使うのなら、ほかにも違う方法があるのではないか」等と述べて 麻生総理をあらためて強く批判した。

 小泉発言 特に、定額給付金を再議決する衆院本会議を 欠席する旨の発言は、自民党内に衝撃を与えた。
確かに この時点で、定額給付金の衆院3分の2の再議決に 異を唱える小泉さんの行動は、政府・与党側にとっては 建設的ではない。
本会議を欠席した場合の党議拘束違反での処分等が話題に上っているが、今のところ小泉さんに同調する者はなく、3分の2以上での衆院再議決は実現しそうだ。しかし、予断は許さない。

 これまで沈黙を守ってきた小泉さんが、引退を前にして、あえて麻生内閣の姿勢に反旗を翻した真意、狙いは一体どこにあるのだろう。
小泉さんに言わすれば、今の衆院3分の2の与党体制は、郵政民営化を争点とした前回総選挙(H.17年9月)での国民の圧倒的な支持により 得られたものではないか。
小泉内閣の閣僚(総務大臣)として小泉さんを支えてきた麻生さんが、今になって 当時 郵政民営化に反対だったと言うのは、民意に反した考え方の持ち主であり、総理の資格なしと思ったのだろう。(麻生さんは、“総務大臣として勉強して最終的には、郵政民営化に賛成する気持ちになった”等と弁解しているが、国民には 言い逃れにしか聞こえない)
 小泉構造改革の弊害論を否定しない麻生総理の政治姿勢は、改革に積極的ではなく、むしろ改革を後退させる印象を与えている。
例えば“官僚の天下り・渡り”問題での麻生さんの煮え切らない態度は、公務員制度改革に 後ろ向きにしか見えない。(この問題では、“渡り”斡旋容認の政令に固執する麻生総理に 業を煮やした元公務員制度改革等担当大臣渡辺喜美衆院議員が、自民党を離党してしまった⇒渡辺喜美氏の麻生総理に対する公開質問状

  今回、小泉さんは、定額給付金には 賛成できない姿勢を明確にした。
 確かに大多数の国民は定額給付金を評価していない。小泉さんの発言「3分の2を使ってでも成立させなければならない法案とは思っていない …」を補足すると、国民の支持がない法案を再議決してまで通す必要があるのかという趣旨だろう。国民の圧倒的な支持をバックに実現した郵政民営化と定額給付金は大違いだ。

 今や 麻生内閣の支持率は、10%前半にまで低下し、国民の政治不信は 限界にきていると言っても過言ではない。
自民党内でも 公然と麻生批判が出るなど麻生総理への求心力は 著しく失墜している。
党内に麻生降ろしの動きもあるが、今の混乱した自民党を 強力なリーダーシップで まとめ得る人物は見当たらない。
野党民主党は、自民党の自壊必至と見て政権獲得に自信を深めている。

 小泉さんは、自民党の現状を、このままでは もはや再生不可能と見たのだろう。
政治の混迷を打破するには、政界再編や大連立等の大改革が必要だと思っているのかもしれない。
小泉さんの総理就任時の「自民党をぶっ壊す」発言は、旧来の自民党をぶっ壊すぐらいの気持ちで、改革に取組む意気込みを示したものであったが、今回の小泉造反は、末期的症状の自民党を文字通り本当にぶっ壊す気持ちから出たものと思う。

 国民から遊離した今の政治の状況は、国家 国民にとって極めて不幸なことだ。
民主党が政権をとっても、安定政権は望めない、むしろ現状より悪くなる危険性もある。
今こそ、党利党略を超えた政治体制の大改革が求められていると思う。
その意味で、今回の小泉さんの造反劇は、そのもたらす結果如何に拘らず 理解できる。(2009.03.01)

 次回は(第194回)「小沢代表の秘書逮捕と民主党」(2009.03.15)
  【出来事】
  • 2月16日 ヒラリー・クリントン米国務長官来日
  • 2月17日 ヒラリー・クリントン米国務長官 中曽根外相と日米外相会談 浜田防衛相と会談 麻生首相と会談 民主党小沢代表と会談 この間拉致被害者家族とも面会(18日朝離日インドネシアへ)
  • 2月17日 中川昭一財務・金融相が辞任(先進7か国財務相・中央銀行総裁会議閉幕後の醜態記者会見の引責辞任) 後任は与謝野馨経済財政担当相が兼務
  • 2月18日 麻生首相 石油・ガス開発事業「サハリン2」の稼働式典への招待を受けサハリン(樺太)へ ロシアのメドベージェフ大統領と首脳会談
  • 2月23日(現地時間22日) 第81回米アカデミー賞発表・授賞式で「おくりびと」(滝田洋二郎監督)が外国語映画賞を 「つみきのいえ」(加藤久仁生監督)が短編アニメーション賞を夫々受賞 於 ロサンゼルス
  • 2月23日 麻生首相 日米首脳会談のためワシントンへ出発 24日(現地時間)オバマ米大統領と日米首脳会談
  • 2月27日 衆議院本会議 平成21年度予算案 関連4法案を与党の賛成多数で可決 参院へ送付(平成21年度予算の年度内成立確実に)