不眠について
睡眠は以下の3つの要素からなると考えられます。
・入眠
・(睡眠の)維持
・覚醒
不眠で問題となるのは「入眠」と「維持」です。
「入眠」が障害されれば「入眠障害」いわゆる「寝つきが悪い」 となり、 「維持」が障害されれば「中途覚醒」あるいは「早朝覚醒」となり、 いわゆる「熟睡感がない」「夢ばかり見ている」となります。
つまり、睡眠の障害としては、
・入眠障害
・中途覚醒
・早朝覚醒
・熟睡感の欠如
・悪夢
があります。
適度な心身の疲労は「入眠」も「維持」も助け、熟睡につながりますが、過度の心身の疲労によっては神経系が興奮し、まず「入眠」が障害され、入眠障害が生じます。さらに心身の疲労が高じると、「維持」も障害され、中途覚醒・早朝覚醒・熟睡感の欠如も生じます。いわゆる「夢の中でも仕事をしている」ような状態です。
これら睡眠に関する障害が強く、仕事にも支障が出るようであれば、睡眠薬を服用してでも睡眠を確保せざるをえないでしょう。よく、市販の薬を服用して、「あまり効かなかった」という人を見かけますが、市販の薬よりは保険が効く薬のほうが安全です。また、眠れないからといって、アルコールに走る人を見かけます。いわゆる「寝酒」です。ところが、不眠のある人がアルコールを飲んで睡眠を確保するとすれば、そのアルコールの量は相当なものになり、肝臓や神経系に対するダメージは重大なものとなります。はっきり言って、市販の薬やアルコールに走るぐらいなら、保険が効く薬のほうがよほど安全です。
前述の入眠障害があるだけの場合は、睡眠薬は入眠の前後だけに効果を発揮する作用時間の短いもので十分です。このような作用時間の短い睡眠薬を文字通り「短時間作用型」あるいは「超短時間作用型」といいます。つまり、入眠障害には「短時間作用型」あるいは「超短時間作用型」が適しています。
それに対して中途覚醒・早朝覚醒・熟睡感の欠如もある場合は作用時間の比較的長い「中間型」あるいは「長時間作用型」が適しています。
また、うつ病の不眠では特に維持が障害され、中途覚醒・早朝覚醒・熟睡感の欠如が出現します。つまり、うつ病にも「中間型」あるいは「長時間作用型」が適しています。
ところが、実際は朝早くから仕事に出かけなければならない人がほとんどであり、作用時間の長めの「中間型」あるいは「長時間作用型」は朝に残る可能性が強く、実際は「短時間作用型」ぐらいがよいと思います。
以下に各タイプに属する代表的な睡眠薬を挙げておきます。
| 超短時間作用型 | ハルシオン・アモバン・マイスリー |
| 短時間作用型 | レンドルミン・リスミー |
| 中間型 | サイレース=ロヒプノール・ユーロジン・エリミン・ベンザリン=ネルボン |
| 長時間作用型 | ドラール |
注:=で結んであるものは製薬会社が異なるだけで同じ薬剤です。