有名校であれば、何処の大学でも良かったし、学部もどうでも良かった。大学に入った ら、友達を沢山作り、学生生活をエンジョイして、出来るだけ良い会社に就職する。そし て、良い人に巡り逢い、結婚して専業主婦に、なって子供を二人作り家族4人で幸せに暮 らす。何となくそんなことを考えていた。しかし、大学に入学して直ぐに、今の夫の、山 本通雄と知り合い、あっと、いう間に結婚をしてしまった。大学生活をエンジョイする予 定が、一寸狂って学業と主婦業を、こなさなければ、ならなくなってしまった。これは予 定外だ。しかし、それもあっと、いう間に過ぎて、就職活動そして卒業、幸い二人とも、 一流会社に就職が決まった。自分の希望というか、何をやりたいとか、そんなこともなく 一流会社なら、何処でも良かった。しかし、そんなあやふやな気持ちで就職したせいか、 彩は直ぐに、会社に行くのがイヤになってしまった。何となく仕事や、人間関係が、イヤ になってしまって、結婚している気安さからか、会社をあっさりと辞めてしまった。その 後しばらくブラブラしてから、中小企業に就職して、しばらくは働いていたが、やはり前 の会社を辞めたのと、同じ理由で辞めてしまい、その後は、色々な会社でアルバイトをし たり、して自分の食い扶持位は稼いでいる。結婚していると言っても、夫の給料だけでは 生活は決して楽ではない。時々、最初の会社を辞めなければと思う。給料も結構良かった し、ボーナスも可成り出た。二人で働いていれば、結構裕福な生活が出来ているのにな、 と思うこともある。自分のしたことに、腹だたしく思うこともある。でも今は幸せだと思 う。夫の通雄も会社でそこそこ出世もしているし、一寸辺鄙な所だけど、家を買うことも 出来た。もっとも頭金の大部分は、二人の親に出して貰った。もう結婚してから、十年以 上経つのに、まだ二人には子供がいない。                      -2-