「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」(仮称)
準 備 室
―「医療被害防止・救済センター」構想の実現をめざして―



English



最終更新年月日 2008年 3月1日 (Since 2001.9.11)


 

 被害者の『5つの願い』を踏まえ、医療の安全・質の向上と救済のシステムの構築をめざしたい!

1.医療事故の被害者の「5つの願い」
 死亡又は重篤な後遺症を負った被害者は「5つの願い」を持っている。第1は、死んだ人を返して欲しい、もとの身体にもどして欲しいという「原状回復の願い」であり、第2は、本当のことが知りたいという「真相究明の願い」であり、第3は、反省点があれば率直に謝って欲しいという「反省謝罪の願い」であり、第4は、二度と同じ過ちは繰り返して欲しくないという「再発防止の願い」であり、第5は、きちんと償いをし、支援をして欲しいという「損害賠償の願い」である。

2.医療事故に取り組む「基本姿勢」
 医療によって思いがけず患者の生命・健康を害したときには、医療の提供者は、『隠さない、逃げない、ごまかさない』という「基本姿勢」に立って事故に至る経過とその原因、背景を検討し、被害者に対し誠実に説明責任を尽くすことが求められる。

3.院内医療事故調査委員会
 一定規模以上(300床以上)の医療機関で死亡等の重大な事故が発生した場合には、被害者の上記「5つの願い」を踏まえ、前記「基本姿勢」のもと、院内において、公正で客観的な事故調査を速やかに実施する必要がある。そのためには、内部の委員と外部の委員の割合を1対1(実際は原則として3名対3名)の割合で構成し、外部委員には、臨床能力の高い医師のほか、日頃より患者側でカルテ等の検討をしてきて調査能力のある弁護士が参画することが望まれる。このような弁護士が事故調査に加わることによって被害者側には公平感・安心感が広がり、事故調査についての信頼性も増すものと考えられるからである。  院内医療事故調査委員会の設置の趣旨は、再発防止のための教訓を引き出すことにある。したがって事故調査を遂げた上で、改善のための提言をまとめることが重要である。改善点としては、システム上の問題点にまで及ぶことが求められる。なぜなら、一見個人的なミスのように見られるケースであっても、背景事情にさかのぼってよく検討すると、チームのあり方や人員の配置、トレーニングシステム、情報の伝達等に関連することがらが浮かび上がってくるからである。さらには、医療行政上の施策の不備等が関連していると考えられるならば、それらのことについても言及がなされてしかるべきである。

4.民事責任、刑事責任、行政責任
 医療事故に伴う民事、刑事、行政上の各責任問題の処理のあり方を検討することなく医療界の自浄作用を期待することも困難である。正直に進んで真実を述べ、謝罪し、再発防止に向けた努力を重ね、賠償問題にも誠実に対応しようとしている限り、被害者はいきなり民事裁判を提起したり、刑事告訴したり、行政上の処分を求めたりすることは通常考えられない。民事、刑事、行政上の各責任問題の顕在化は、被害者がどのように感じ、どのように行動するかにかかっている。しかも被害者の行動は、事案の内容とその後の医療側の対応によって決せられる。よって、医療機関、医師は患者の思い、被害者の「5つの願い」を十分踏まえて誠実な対応をすべきである。

5.厚生労働省等の動きから
厚生労働省は、
 医療安全支援センターの設置(H15.4)
 診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業(H17.9)
 http://www.med-model.jp/index.html
 産科医療における無過失補償制度創設への取り組み(H19.2)
 産科医療補償制度運営組織準備室
 http://jcqhc.or.jp/html/obstetric.htm
 診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会(H19.4)
 「これまでの議論の整理」2007/8/24厚労省医政局公表:
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/s0824-4.html
そして、国会においても医療の安全に関しては決議がなされている。
すなわち、参議院厚生労働委員会において、平成18年6月13日に、「政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。医療事故対策については、事故の背景等について人員配置や組織・機構などの観点から調査分析を進めるとともに、医師法第21条に基づく届出制度の取扱いを含め、第三者機関による調査、紛争解決の仕組み等について必要な検討を行うこと。」 又、衆議院厚生労働委員会において、平成18年6月16日に、『「安全で質の高い医療の確保・充実に関する件」について』として「特に、志の高い医療従事者が患者の生命を救い健康を守るために、自らの技量を十分に発揮し、安心して本来の医療業務に専念できるようにしていくことが重要である。こうした観点から、地域の実情に応じた医師確保対策を講じていくことなどにより、小児救急医療・周産期医療に係る勤務医、看護職員等の労働環境の向上や医療安全の推進を図っていくとともに、医療事故等の問題が生じた際に、医療行為について第三者的な立場による調査に基づく公正な判断と問題解決がいつでも得られるような仕組み等環境を整備する必要がある。」旨の決議がなされた。

6.協働して被害者の「5つの願い」を踏まえた制度設計へ
 患者の「適正な医療を受けたい」という願いと医療者の「適正な医療を提供したい」という願いは、基本的に一致しており、協働が可能である。その確信のもと、被害者の「5つの願い」を踏まえた制度を共に構築していきたい。


参考文献 加藤良夫・後藤克幸編著『医療事故から学ぶ』(中央法規出版)

−ご報告−

医療の安全に関する研究会

第12回研究大会(2007年12月1日)
テーマ「医療事故と刑事罰〜刑事罰を問わないのは
どういう場合だろうか〜」


は約120名の方のご参加を頂き、盛況のうちに終了いたしました。
ありがとうございました。


 2008年10月2日には、富山市で日弁連の人権大会のシンポジウム
(テーマ「安全で質の高い医療を求めて」)が開催されます。

2008年1月 加藤良夫

〜これからも頑張っていきますのでご支援下さい〜
 2001年9月11日に「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」(仮称)の準備室ができてから約5年以上が経過しました。

 この間に「医療事故を防止し被害者を救済するシステムをつくりたい」という黄色の表紙のパンフレットは約2万7000部が配布済です。(2004年5月以降に発行されたパンフレットには、19名の代表呼びかけ人の方のお名前が掲載されています。) 

 またアメリカ在住の知人が医療被害防止・救済センター構想(パンフレットのP、14〜P、17の部分)を英文に訳して下さいました。アメリカのロースクールの先生の助言も得て確定しましたので、このホームページに掲載してあります。

 医療事故の防止と被害者の救済のあり方については、世界各国で検討されていることでもあり、今回英訳されたものについては、この問題に取り組んでいる外国の方々にも、関心を持って戴くきっかけになるかもしれません。

 2005年11月22日には厚生労働省主催の医療安全に関するワークショップで、特定機能病院の院長等を対象に、「安全な医療を求めて−院内医療事故調査委員会を中心として−」というテーマで講演をしました。このほか、病院、学会、看護協会、大学医学部等で講演をしました。

 近年、「医療被害防止・救済センター構想」についての理解も広がり、無過失補償制度の導入も検討されています(毎日新聞 2005年4月20日付記事)。日本学術会議が2005年6月27日にとりまとめた「異状死等について−日本学術会議の見解と提言−」にも事故の再発防止・被害救済のための第3者機関の必要性が指摘されています。

 また社会保障審議会 医療部会において2005年8月1日にとりまとめられた「医療提供体制に関する意見 中間まとめ」の中には「医療分野における裁判外紛争処理制度について、様々な検討課題はあるものの、具体化に向けた検討を進める必要があり・・・」と記されています。そして2005年9月からは「医療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」がスタートしました。

 医療事故を防止し、被害者を救済するシステムの構築のためにどうか一層のお力添えを賜りたくお願い申し上げます。
 皆さんのご協力のメニューとしては、以下のようなことが考えられます。ご協力のお申し出をお待ちしております。

 ア. 賛同者、呼びかけ人等として名前を出すことができる。
 イ. このパンフレットを友人、知人に手渡すなどして広めることができる。
 ウ. 多額でなければカンパなど物的、財政的支援ができる。
 エ. 講演会やイベントをする時の臨時のスタッフとして協力ができる。
 オ. 自宅でテープ起こしや距離的に近ければ発送作業等の事務上の手伝いが
 できる。
 カ. ホームページ作成等のIT関連の協力ができる。
 キ. 外国の制度や文献等の調査・翻訳等をすることができる。
 ク. 具体的には何もできないが心からの応援を送ることができる。
 ケ. その他

 2006年には以下の共著が出版されました。

 @ 脳神経外科学大系15巻(インフォームドコンセント) 中山書店
 A 年報医事法学21(医療契約を考える) 日本評論社
 B ジュリストNo.1323 P64 有斐閣

 なお、2005年には以下の共著が出版されました。お読み下さると幸いです。

 @ 医療事故から学ぶ −事故調査の意義と実践− 中央法規出版
 A これからの医療と病院のあり方 金原出版
 B 実務 医事法講義(実務法律講義K) 民事法研究会
 C 患者・国民のための医療改革 (株)社会保険研究所

 @は、院内で事故調査委員会を開催する際には是非お読みいただきたい本です。
 名大、愛知医大の報告書も資料として掲載されています。

 Aは、東大病院が病院改革に向けて有識者から意見を聴取したものをまとめた本
 です。

 Bは、法科大学院のテキストとして出版されたものですが、医事法に関し関心の
 ある方には 参考になると思います。

 Cは、連合総研が座談会を企画しその記録をもとに出版したものです。




 パンフレットの作成配布等の活動費については、「医療被害防止・救済活動支援基金」から支援を受けております。

カンパの振込先は 三重銀行名古屋支店 普通預金口座番号1303291
名義 医療被害防止・救済活動支援基金 会計 羽賀康子
郵便振替口座
00820−1−42575 医療被害防止・救済活動支援基金
   があります。ご協力のほどよろしくお願い致します。

加藤良夫 
 


南山大学法科大学院教授
弁護士 加藤 良夫


<準備室連絡先>
医療被害防止・救済システムの
実現をめざす会準備室
 〒461-0001
 名古屋市東区泉1丁目1−35
        ハイエスト久屋6階
   TEL052−951−8810
   FAX052−951−8820
  e-mail BCC06176@nifty.com

<加藤良夫連絡先>
栄法律事務所
 〒460-0008
 名古屋市中区栄4−15−23
              M1216
     TEL052−263−1303
     FAX052−263−1327 

 
※なお、準備室代表の加藤は2003年4月1日から南山大学に移っています。
2004年4月からは南山大学法学科大学院の実務家教員となっております。



「医療被害防止・救済システムの実現をめざす会」
(仮称)準備室
「医療被害防止・救済センター」構想の実現をめざして

■医療事故を防止し被害者を救済するシステムを
 つくりたい
■代表 加藤良夫 履歴



「医療被害防止・救済センター」構想
センター構想の要点を記しています

■「医療被害防止・救済センター」構想
ねらい
基本的な視点
内部機構
センターの基本的性格
保証金の財源
センターは無過失でも補償する
合議制
少額事件についても救済する
過失があるケースについて



「医療被害防止・救済センター」構想詳細
センター構想の内容を詳しく解説しています

■「医療被害防止・救済センター構想」について
1. 「医療被害防止・救済センター」の目的
2. 「医療被害防止・救済センター」の活動
3. 「医療被害防止・救済センター」の組織形態
4. 陪審制と透明性・公正さの確保
5. 「医療被害防止・救済センター」の内部機構
6. 「医療被害防止・救済センター」の財源
7. 被害者は無過失のケースでも補償される
8. 因果関係の判定について
9. 少額事件も救済される
10. 責任軽減・免除の条件
11. 国民の参加・監視の重要性
12. おわりに

「医療被害防止・救済センター」構想の基礎にあるもの
センター構想の背景・動機・問題意識を語っています
(あいちホスピス研究会 もみじの会 第八回セミナーより)

■構想の基礎
1. こんにちは
2. 医療過誤の概念
3. 医療事故被害者の願い
4. 医療過誤裁判の限界
5. 医療過誤訴訟は氷山の一角
6. 医師賠償責任保険
7. 年間の医療過誤訴訟件数
8. 医療事故、医療過誤の実数
9. 医療過誤裁判の特殊性―3つの壁(専門性、密室性、封建制)
10. 医療過誤裁判の特殊性―立証責任
11. 「医療被害防止・救済センター」構想のきっかけ

「医療被害防止・救済センター構想」のこれまでの歩み
センター構想に関する報道を中心に記しています

■これまでの歩み
前史
構想の歩み


医療被害防止・救済センター構想のパンフレット
医療被害防止・救済センター構想を
ご理解いただくためのパンフレットができました

■パンフレット
パンフレットを作成するにあたって
アンケート
パンフレットをご希望の方はBCC06176@nifty.comまで、送付先ご住所・お名前・必要部数をお知らせください。無料にてお送りいたします。

模擬判定会
模擬判定会について

■模擬判定会の内容
模擬判定会のねらい
模擬判定会の準備
模擬判定会の当日
模擬判定会についての新聞記事
模擬判定会から学んだこと


リ ン ク

医療事故情報センター
医療事故相談センター
医療の安全に関する研究会

資  料
講演の内容等が掲載されています

ジャミックジャーナル2002年4月号P、8、9
日本病院会雑誌2002年6月号P、13〜P、23




この構想に関するご意見、ご感想をお寄せください

BCC06176@nifty.com