ロードレポート・国道29号線


 兵庫県姫路市と、鳥取県鳥取市を結ぶ主要路線、国道29号線。
この道路、私にとって、よく走りたくなる道である。
その秘密は、平野・高原・峠の、バランス良い景色やコースレイアウトの変化にある。

国道29号全体図
レポート走行日:1998年3月14日
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起点〜山崎町
29号起点 国道2号線・夢前交差点からスタート。
2号線は、地図外すぐ右側に姫路城がある。

まず、岡山市に住む私にとって、国道29号線を完走する為には、一旦姫路市に入る必要がある。 姫路へは、山陽地方を東西に結ぶ、全国でも主要中の主要路線、国道2号線でつながっている。 しかし、その路線の性格上、交通量も多く、ドライブと割り切るには、あまりに無機質すぎる。 今回のメインはあくまでも29号線にあるので、2号線には深く触れない。

 姫路市の国道2号線、夢前大橋西側から北に上る道から、国道29号線が始まる。 国道29号線は、“因幡街道”とも呼ばれ、古くから播州〜因幡間の交通の主要を担ってきたらしい。
なお、最近は、山陽自動車道・姫路西インターと、その南の太子竜野バイパスを結ぶ道が開通し、 29号線扱いとなっている。今回は、従来よりの29号線を通ったが、山崎町までは、車通りも多く、 季節柄工事が目立ち、渋滞が激しい。
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山崎町〜波賀町
 山崎町を抜けると、車も減り、景色ものどかな田園風景と変わる。
道のレイアウトはまだ単調だが、のんびりとクルージングできる。揖保川沿いに、北上を続ける。
この区間は、“道の駅”が多い。山崎、みなみ波賀、はがの3ポイントが、約30Kmの中に存在している。ドライブ好きには嬉しい増加である。
また、信号機が縦形に設置されている事に驚いた。雪国仕様である。岡山県内の同緯度都市、 津山市や新見市でも、積雪する事はあるが、信号は横並びだ。こちらの地方は、より積雪が多いのだろうか。
道の駅・みなみ波賀 道の駅・みなみ波賀に
停車中の、我が愛車。
駐車場も広く、利用しやすい。

道の駅・はが 道の駅・はが。
山崎、みなみ波賀同様に、
これらの道の駅は北上中に全て右側にある。

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波賀町〜音水渓谷〜戸倉峠
 “道の駅はが”より北に進と、道は突然挑発的なレイアウトへと変貌する。
今までのルートが高原的だったのに対して、ここから先はやや渓谷的になるからだ。 2桁国道という事もあってか、整備状況もかなり良い。

 私一番のお気に入りポイントが、引原ダム・音水湖をかすめてのポイント。 高速コーナーが複合的に現れ、2つの橋が景色を盛り上げる。ゲーム感覚の風景に心が躍る。

音水湖と国道29号 音水湖とGi
音水湖沿いに走る国道29号。
この付近のコースは、渓谷らしいワインディングで気分も盛り上がる。
季節によって、その表情豊かな自然が楽しめそうだ。


 更に、ダムより北は、いよいよ峠越えを予告する上り坂に入る。 音水渓谷と呼ばれるそこは、秋には紅葉がきれいらしい。 逆に、秋に通ると、車の量も増えそうだ。 冬場は積雪、凍結があるので、アグレッシブに走りたければ、春〜夏がいいだろう。

 そして県境。戸倉峠を貫く“新戸倉トンネル”は、数年前には無かったはずだ。 トンネルの入り口、すぐ右手を見ると、ガードレールがスイッチバック状に段をなしている。 鳥取県側・出口付近にも、旧道と思われる曲がりくねった道を見た。 快適になるのは良いのだが、少々退屈でもある。
県境・戸倉峠・1993年7月発行 県境・戸倉峠・1998年1月発行
左が1993年の地図、右が1998年の地図である。
トンネルそのものを延長している、というように見えるが、本当にそうなのか、
旧トンネルの真下に新トンネルを掘ったのか、は、未確認である。
しかしこの峠、昔のレイアウトのほうが格段に楽しかった。当時が懐かしい。

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追記レポート:戸倉峠旧道
戸倉トンネル兵庫側入口付近
兵庫県側の戸倉トンネル。
手前の右側へ続く道が旧道。

 国道29号線レポートの中では、戸倉峠トンネルの旧道には「昔は存在していた」とだけ触れていた。 しかしあれから、実際に存在していたはずの旧道の姿が気になり、旧トンネルを求めて再び訪れて見た。

 前回と同じく、兵庫県側から進入。トンネル手前には、非常に細いながらも、旧道への分岐路があった。 ここを右に曲がると、右へ左へのスイッチバック式に、標高を上げる。そして、1分も走らないうちに、 かつて国道29号線の主要部だったトンネルが見えた。

 現在では、トンネルの入り口は、ガードレールと鉄格子で完全に封鎖されている。 通行はおろか、トンネル内部の様子さえ窺い知る事ができない。

国道29号旧道
旧道から、兵庫県側のトンネル入口を見下ろす。
新トンネルより20メートル以上は高い位置に旧トンネルがあった事になる。

旧戸倉トンネル 兵庫県側の旧トンネル。
現在は閉鎖されている。


戸倉トンネル鳥取側入口付近
鳥取県側の戸倉トンネル。
こちらから見ると左の側道が旧道。

 旧トンネルを通っての県境越えは不可能だったので、いったん新トンネルを鳥取県側へ抜け、 鳥取県側の旧道を探ってみた。同じように旧道へのアクセスは可能で、 意外と未だにきれいな道を走ることができる。

 鳥取県側の旧トンネルまでの道は兵庫県側よりも比較的長く、 非常にコースレイアウトに富んだワインディングが楽しめる。
先に「少々退屈である」と書いたが、まさにその通りで、 クルマの運転を楽しむか単なる通過点に過ぎないか、 そのくらいの差を感じる。

 もっとも、この県境付近は、冬季になるとかなりの積雪や凍結があると思われるため、 この旧道のままでは県境越えが非常に厳しかったと想像すれば、この新トンネルは切望されていたのだろう。

旧戸倉トンネル
鳥取県側も、同じように立入禁止。
ここまでクルマで来れるのが不思議だ。

国道29号旧道 鳥取県側の旧道。
なんと、この画像の道が全て1本の旧道である。

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戸倉峠〜若桜町〜八東町〜終点・鳥取市街
 今回のドライブで、後悔をした事が一点ある。 トンネル出口から峠を降りるまでの道は、先ほどの音水渓谷よりも、 コーナーが複雑で、楽しみ甲斐がありそうなのだ。しかし勾配が急なので、下りになる今回は、 安全を優先させた。もっとも、ノーマルのスターレットGiでは、この道の上りでも、 大した事はできないのだが。
それに、そんなタイトな区間は、かなり短い。うねりながら、一気に峠を下るイメージだった。

道の駅・はっとう 道の駅・はっとう。
施設内にはドライブ情報が豊富だ。

 若桜町に入ると、再びのどかな田園風景となる。梅の花や菜の花が咲き、春の到来を告げていた。このあたりは播州街道と名称が変わる。お互い、目的地 の名で呼ぶのがルールらしい。

 鳥取市へ入ると同時に、道や景色が都市的に変わる。 バイパスも整備されようとしていたので、朝の通勤ラッシュははげしそうだと想像できる。
途中、国道53号線の終点ポイントを通過。 53号線は岡山市中心部から始まり、津山市〜黒尾峠〜智頭町を通り、鳥取市へと続く。

 その後すぐ、国道9号線バイパスへの交差点で、29号線は終点となる。 先ほどの53号と同様に、国道標識に“終点”と書いてあるのが気に入った。 距離にして116Km(起点→県境70Km、県境→終点46Km)であった。
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総評
 都市と都市を結ぶ横断道路は、中国地方には数多く存在するが、 29号線はその中でも利用率が高いメジャーな道路だったと思う。 道の駅も多く、整備性も良い。が、それゆえに、道そのものの面白さが薄い、という印象だ。 今回は、峠前後の雰囲気がお気に入りだったので、レポートとしてみた。
とはいえ、季節感が溢れる表情豊かな道、という印象が強い。国道180号同様、 そんな雰囲気が、何度も走りたくなる要因なのだろう。
今回、このページを作成しているうちに、「飽きない要素は中国山地の豊かな自然にある」 という一つの結論にたどりついた。そういう観点から見ると、それを満たす国道は、 近くにたくさん待ち受けている。どんどん走り、どんどんレポートしていきたい。


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