|
#02 地元役人による報告書
|
|||
私の知行所(※領地)武州(※武蔵国。東京都、埼玉県辺り)多摩郡中野村の百姓源蔵の倅勝五郎は、去る丑年八歳の秋に同人の姉に向かって前世から生まれ変わったいきさつを話したものの、姉は子供の物語であるためまともに取り合わずにおりました。しかし、たびたびそのような話を繰り返したため不思議に思い、姉は父母に相談したとのことです。 この年の十二月、改めて父源蔵が勝五郎に尋ねたところ、前世での父は同国同郡小宮所領程久保村百姓久兵衛で、自分はその倅の藤蔵と申し、二歳の折り久兵衛は病死。母は半四郎と申す者と再婚し、自分は六歳のときに疱瘡のため病死したとのこと。それから源蔵方へ生まれ変わったと答えております。話しぶりが詳細に渡り曖昧な点がなかったため、村役人にも申し出、再度質したところ村中に評判が広まった由。 程久保村半四郎方にもこの話が及び、同人の知行所から源蔵方へ尋ね参り、種々質したところ勝五郎の話に虚偽はなく、前世の父母の面体その他住居等も申したため程久保村に連れて確かめさせたところ、これまた些かも違いがなかったということです。久兵衛の家族に対面させると先年六歳で病死した藤蔵という子供が確かにおり、これ以降当春に至るまで家族ぐるみで懇意にすることとなりました。 近村にも知られるところとなり、このごろは日々勝五郎を見物に諸所から訪れる者があるため、源蔵、勝五郎を呼びだし事情の説明を求めたところ、右の通り両人が答えたものであります。 このことをもって無闇に騒ぎを抑えるというのも何かと取り扱いの難しいところではございますが、御内々にこの段、御耳打ち申し上げておくものでございます。以上。 四月 多門(おかど)伝八郎
※1 書院番
○ 中根宇右衛門殿知行所 武州多摩郡小宮領程久保村百姓 実父藤五郎継父半四郎 藤 蔵
藤蔵継父 当未(※?)五十歳 半 四 郎 藤蔵母 当未四十九歳 し づ 半四郎子藤蔵異父弟妹 男子二人 女子二人 藤蔵実父 藤 五 郎
○ 多門伝八郎殿知行所 武州多摩郡柚木領中野村百姓源蔵次男 当未九歳 勝 五 郎
勝五郎の父。小谷氏という 当未四十九歳 源 蔵 源蔵の妻。勝五郎の母 当未三十九歳 せ い
源蔵の母。勝五郎の祖母 当未七十二歳 つ や 源蔵の娘。勝五郎の姉 当未十五歳 ふ さ 源蔵の長子。勝五郎の兄 当未十四歳 乙 次 郎 源蔵の娘。勝五郎の妹 当未四歳 つ ね
|
|||
|
|
|||
| 前 上 後
|