走り屋
STORY

フルスロットルの振動。機械の鼓動。
マシンと融け合うあたしの体。
愛撫する暴風。
アスファルトの大地。

犯された妹。最愛の妹。
何も出来なかった自分。
義父の恍惚。ゆがんだ笑い。あたしの中で果てる肉塊。
断末魔。硝煙の香り。
ピストルを握ったまま離れない、自分の指。
パトカー。サイレン。爆音。
浮かんでは消える幻影。
執拗に迫る罪と罰。

飛び去る世界。
見えるは一点のみ。
その先に何があるのか。
狂った世界の向こうを目指して。

あたしは走る。
走り続ける。
その先に何があるのか、判らない。
けれど、今よりはきっといいところ…


走り屋。
シナリオとキャラクター次第で主人公格にも渋い名脇役にもなれる美味しいカルマ。
「何でもあり」という点で似ているTRPG、トーキョーN◎VAにも「カゼ」というスタイルはある。メタルヘッドにも「ランドブラスター」というハンタークラスはある。
ただ、得てしてその二つのルールの場合、「運転しか出来ない人」「車を降りたら何も出来ない人」になってしまいがち…。
(N◎VAの場合はそれほど極端ではないが、。)
その点この世界では走り屋は結構活躍しやすい。好き好んで「俺、走り以外には何も残ってないクズなんだよ」というキャラでもロールプレイしない限り。
原因は色々あるが、
「ケチャップのシーンが上2つのRPGに比べても頻繁にある」
「投票システムという成長ルール上、走りだけに特化したキャラにはなりにくい」
「走り屋のカルマだけを取っていくと、いずれ代償で死ねる」
「精神の能力値以外に、何か売りになる環境値が1つや2つある筈。活躍しようと思えばそっちの方で何かやれる」
こんなところか。

走り屋な漫画・TEXT
走り屋漫画、もう腐るほどあります。何を読めばいいのやらって感じです。選ぶのに苦心しました。

「湾岸MIDNIGHT」…漫画。楠みちはる。走り屋の世界になじむためには、まず言葉から!
登場人物たちの
頭悪そうな喋りが絶妙で、真似したくなる。「ガキだろうとキッチリ落とし前つけさせるわけヨ」。
また、全編から漂う無職臭もサタスペと好相性。シナガワさんとかスゴイ人なんだろうけど全然スゴく思えん!良い意味で。

「頭文字D」…漫画。しげの秀一。何も語ることはない、走り屋漫画の代表格。冴えない主人公がどんどん名を上げて行き、英雄にまで成長するというようなサクセスストーリー。
走り屋たちのポリシーが随所に見られるのも良い感じだ。なんだか一本筋が通っている。正統派なカッコいい走り屋をやりたいなら。

「GTロマン」…西風。車のチューニングと性能に焦点を当てた漫画はたくさんあるが、これは「車の持ち主と車との対話」がメインと言える。
車への愛が漂ってくる感じ。一見サタスペ世界には縁がなさそうだが、車を使うのは仕事のためだと割り切る必要なんてどこにもない。愛しているから、でもいいじゃないですか。

「Grand Theft AutoV」…PS2ソフト。悪徳にまみれた都ヴァイス・シティで各種犯罪組織からの依頼をこなしてゆく。
基本は車ゲーなのだが、そもそも主人公は自前の車を持っていない。でも、通りを走る車を強奪したりすれば大丈夫!
依頼自体も
「シマを荒らして麻薬を売っているチンピラブチのめせ」とか「三合会のメンバーを火炎放射器で20人殺せとかそんなんばっかで、気が滅入る。良い意味で。
走り屋狙いでなくてもやっておいた方がいい。


異能と代償



異能
言えることは、「持ってさえいれば必ずケチャップに勝てる」という決定的なものが存在しないこと。
確かに有利にはなる。だが、ダイス目によっては走り屋の異能を持たない人間にすら負けてしまう。
<逃走>は、決定的とは言わないが持っているだけで有利にはなる。追われる場合のみだが。
<挑戦者あり!>は、異能を持たない人間には絶対出来ないことが出来るという点が魅力。
<曲乗り>は、その両方の特性を持っている。つまり「運転しながら他のことをする」という、異能を持たない人間には不可能なことが出来、しかも持っているだけでアクシデントの判定の難易度が下がる。

<逃走>Gataway

競争時、追われる場合に限りケチャップ時の難易度から−1.さらに「遠距離」になればバイバイすることが出来る。
(もしダメ人間の<裏通り>を取得していた場合、「中距離」)
実はケチャップの難易度を下げることが出来るのは、これと<ドラテク>のみ。
<ドラテク>が精神点を激しく消費するのに比べると、追われる場合のみとはいえかなりお得。
しかも犯罪者予備軍である亜侠は何かと追われる機会の方が多い。
サタスペ番外地『楼賊』記載の襲撃ルールを使うなら、この異能の重要性はさらに増すと言えるだろう。

…ただ、乗員に道化師がいたり自分が道化師だったりする場合、この異能をとらずに相手に判定させて失敗を狙うという作戦もありなのだが。

<曲乗り>Stunt Riding
塀の上やらどこやら、普通では考えられない場所を走れるようになる。
アクシデントの判定の難易度を下げることが出来るのと、 車を運転しながら戦闘に参加できるようになる。
多分走り屋の異能のなかでは1,2を争うほど役に立つような気がする。

余談だが、装甲十字軍がこの異能を持っていないせいでバイクを運転しながら銃が撃てない。
そんな悲しい事態が発生した。
ケチャップシーンをシナリオに織り込もうと画策しているDD諸氏は是非気をつけて欲しい。

<挑戦車あり!>Here comes a new challenger!
誰かが逃げ出そうとしているとき、戦闘やケチャップが始まったとき、精神で難易度9の判定に成功すれば、装備している自動車1台と同行を望んだPC達とともにその場にかけつけることが出来る。
精神で難易度9というのは、走り屋であれば出易いハズ。
問題は、車を装備していなければならないということ。
楼賊の異能<運び屋>を取っていれば、犯罪9に成功することによって住処に置いてある乗り物を装備することが出来る。
一緒に取るとプチコンボの出来上がり。

<改造車>La Bisbetica Domata
乗り物を改造できる。+4から−1のハンデをつけることにより、 その値と同じだけスピード、車体、乗車定員に振り分けることが出来る。
…使えないことはないんだが、微妙。
+4のハンデなんか持ってる車に乗って、ケチャップで勝てる手段が思い浮かばない。
相手に運転を譲られてもマズイしこっちが運転してもマズイ。
とりあえず普通に役立ちそうな改造は「マイクロバスの乗車定員を削って運転性をあげる(−1ハンデ)」
あるいは追いかけられている場面を想定し「チェイスで負けてもイイ」と割り切って車体に全てを振り分ける。
0距離になって戦闘になったとしても、返り討ちに出来る可能性は大きい。

なお、判定には教養の能力値を使うのだが、
難易度7でしかも1成功でも効果を発揮する。
教養1でも精神点をつぎ込めばなんとかなるだろう。
それより問題は、使用に1Wかかるという点だ。

「裏職人ぽく見える」という特徴も地味にある。

<高速道路の星>Highway-star
高速道で圧倒的な強さを誇る。
…多分、DDが見せ場を用意してやらないとうまく使えない異能。
もし取得して、しかも高速道を走ることになったとすれば、それはまあ、確かに強い。
この異能を積極的に使うのであれば、
DDに「この車の速さが生かせるような道路に出る」ことを熱心に訴えるべし…。

シナリオを作る側としては、
なかなか夢がふくらむ異能だ。
「壊れそうな沙京モービル、部品を落としながら高速道をありえない速さで駆け抜ける」 とか
「大晦日、無人の官庁街でのチェイス」とか、
「地下鉄の線路の上を、迫り来る電車から必死に逃げる」とか。
要は、「高速道」についてあえてヒネッた解釈をすることによってシナリオのネタになるということ。

トリッパー 「地下鉄の階段を車で滑り降ります。そのまま改札を突破して線路へ」
DD「線路は高速道扱いとしよう。追っ手は…まだ追ってくる(笑)。ケチャップシートの最後尾に電車が登場するよ」
なんて展開はかなり燃えませんか。

ところでこの異能名の元になったアーティストって今何をしているんでしょうか。
と思ったら芸能活動はまだ結構続けてらっしゃるようです

<ドラテク>Driving Technique
精神点を1D6点消費することにより、ケチャップの行為判定の難易度を−1.
ちょっと厳しいような気がする。<血の饗宴>(キジルシ)や<家庭内暴力>(ゴッパパ)などで精神点を回復できる手段を確保しているのならアリかも知れないが。
使うなら難易度の高い判定で使おう。
9程度までの難易度であれば、普通に精神点を消費してダイスを増やした方がマシだろう(と思うのだが、数学苦手なので保証できないよー)。

代償
傾向として、重い代償と軽い代償の差が激しい。
走り屋としての能力を阻害する<スピード狂>は特に避けたい。

<スピード狂>Speed Fiend
「競り」の際、難易度を9以下で宣言することが出来なくなる。
ケチャップの競りの際、10以上の判定を強いられることになる。なかなか厳しい代償だ。
何がイヤって、ケチャップの行動選択の幅がかなり制限されてしまう。
スピンターンをしようと思えば難易度12だ。 ファンブルに当たる可能性と同じ。
これは取らない方がいい。

<カーマニア>Car Junkie
誰かが車を汚したり攻撃したりした場合、性業判定。律にならないとそいつを攻撃してしまう。
また、愛車が壊れた場合、トラウマを1点受ける。
トラウマはともかくとして、上の「攻撃してしまう」というのが曲者。
<不快>とのネガティブコンボは避けたい。

それから、これはDDによって意見の分かれるところだと思うが、
チェイス中に誰かに攻撃された場合、性業判定に失敗するとそいつを攻撃してしまうわけだから、
下手をすると運転を放棄して銃撃を始めたり、バット持って表に出てしまったりすることも、あり得る…。
ルール解釈によっては、<曲乗り>の異能を持っていない限り、そこでケチャップが終わってしまう。
どうなのか。
やはりそういう事態は起こりえるのか。
だとしたらかなり激しく避けたい代償だ。

<不快>Car Sickness
運転が荒っぽいため、同乗者は肉体で難易度9の判定に成功しないと、セーブ不可の2ダメージ。さらにその場でもどしてしまう。
肉体9の判定。その気になれば成功しそうだ。
まあ軽い方だろう。

しかし、もし<カーマニア>の代償を持っているならば、ネガティブコンボが成立してしまう。
殴られた側が楼賊の代償<非情>でも持っていたとしたら、考えたくもないチーム同士でのデスマッチが始まりかねない。気をつけよう。
もし不幸にして<カーマニア><不快>の二つの代償を得てしまった場合、ついでにゴッパパの異能<家庭内暴力>でも取得し、せめて与えたダメージ×1D6点の精神点を回復できるようにしておきたい。

<勝ち気>Boogie
挑まれた勝負を断りにくくなる。断るためには性業判定で律になる必要がある。
また、レースに負けるとトラウマを1点受ける。
そんなに重い代償ではなく、むしろDDが自分の望む方向にシナリオを引っ張っていくフックとしての役割が大きいと思われる。

なお、この代償は「叛逆児(ツッパリ)」「爆愛娘々(ラブニャン)」になるための条件の一つでもある。
将来この2つのブースターカルマを目指しているならお勧めと言えるだろう。

<呪われた車>Christine
アクシデントに巻き込まれたら、表を1回余分に振る。
出目次第では乗員がマジで全滅。
取りたくない。断じて取りたくない代償だ。
ある意味何かカッコいいんだが、取りたくない!

ちなみにこの代償の英語名、Christineは、とある映画に登場した意識を持つ車の名前から取られている。

<ローン>Debtor
サイフの最大値が8になってしまう。
厳しいと言えば厳しいんだが、走りそのものに影響しない代償の一つ。
他に持っている異能次第だが、買い物は他のメンバーにまかせるのも良いのでは。

※以上はWHITEOUTの独断と偏見による寸評です

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