色事師
STORY


私事になる。

大昔探偵として働いていた頃の話。
先輩に、元ヒモがいた。
ハンサムというわけではないがひたすら明るく愛想が良く、そして男なのに肌が異様に白くすべすべと綺麗だった。
仕事にはあまり熱心じゃなかった。所長がいないときはすぐサボりに外出してしまう。

どういうわけか、俺は先輩に可愛がってもらえた。
二人でよく渋谷に飲みにいったものだ。

飲みながら、先輩は俺に色んな裏話を教えてくれた。
ビート●けしはヒロポン中毒だよ。
●●ガールズは全員ヤクザとつながりがあって、売春価格を上げるために芸能界デビューさせられたんだよ。
うさんくさい話だ。でもそんなことはどうでも良かった。
真実はどうあれ、話は面白かったから。
俺はただひたすら感心するばかりだった。

鮮明に覚えている言葉がある。
どういう文脈だったのかは忘れたが。
確か俺が失恋したときだったと思う。珍しく俺の方から先輩を飲みに誘ったんだった。
「一つ、ヒモの技を教えてやるよ」
「漫画のセットを古本屋で買ってきて、女の部屋に置いとくんだ」
「種類は何でもいい」
「そうすると何故か女は安心する」
「この男がいなくなることはない、と思っちゃう」

やがて、俺に先んじて先輩は辞めた。
ノウハウはもう吸収した、今度は自分で探偵を始める、ということらしかった。
その話を俺にした所員は失笑を浮かべていた。

先輩とは、その後一度だけ会った。
目黒駅前のキャバクラから出てくるところだった。
キャバ嬢らしい女が隣りにいた。
俺に気付くと、頭をかきながら照れたような笑みを見せた。
早口で「今度また飲もうぜ。携帯通じるんだろ。またこっちから電話するからさ。俺今携帯変わったからさ」。
別れ際、先輩と女とが手指同士をがっちりからめ合わせているのに気付いた。

その後先輩に合っていない。勿論電話もかかってこない。
今頃は何をしているのだろう。

もうすぐ誕生日を迎える。
俺はあの頃の先輩と同じ歳になる。


色事師。
サタスペの華と言っても過言ではあるまい。
サタスペほど色恋がスリリングなゲーム、見たことがない!
ダイス目と持っている異能次第でどんな奴でも愛欲の虜に。

色事師な漫画・TEXT
恋愛漫画や恋愛小説はたくさんあるので、「いかにシナリオ製作上役に立ちそうか」という基準で挙げてみる。
だから恋愛そのものが目的の作品や、ホストやホステスの生活を描写している作品はあえて外してみました。

「くどき屋ジョー」…漫画。ジョージ秋山。ジョージの兄貴に色恋を語らせるとこうなる。奇怪な名悪役・毒薬のセリフが胸に迫るが、まあそれはそれだ。毎回お約束のようにジョーが元奥さんや元会社の先輩に「早く社会復帰しろ」と迫られる一幕が様式美を醸し出していて泣ける。ターゲットを落とす際の入念な下準備、そしてセリフ。しかも後腐れなく別れることにまで気を使っているのがまた一流っぽい。

「パタリロ」…漫画。魔夜峰夫。サタスペで色事師をやるならば、ときにはホモセクシュアルの世界にも足を踏み入れねばなるまい。いきなり『さぶ』とか読むのもアレだろうから、このあたりから入ってはどうか。
実はシナリオ構成が結構巧み。バンコランやマライヒが誰かに恋愛のアプローチを仕掛けることで話が進むパターンが多いので、そういう意味でも参考になる。

「有閑倶楽部」
…漫画。一条ゆかり。少女漫画の巨匠による代表作。お金持ち高校の六人組が香港マフィアと事を構えたり身代金誘拐犯を退治したりと、やたらサタスペっぽい展開。恋愛担当は男性の美童と女性の黄桜。公式サイトのフラッシュは一見の価値あり。

あー、何か思いついたら付け加えるかも。

色事師のカルマを得るために

色事師のカルマを得るのは、実はそう難しくない。
ゲーム中に恋愛ルールによって誰かを落とせば良いのだ。
色事というのは人の心に強い印象を残すもののようで、
ただ色事を担当したという理由だけでも皆が色事師のカルマを投票してくれる可能性は高い。
例えば戦闘でそこそこ活躍し、なおかつ恋愛ルールで誰かを口説き落としたキャラがいるとしよう。
よほどうまくロールプレイしない限り「用心棒」「殺し屋」よりも「色事師」に票が集まると予想される。
多分「用心棒」や「殺し屋」のカルマはもっと戦闘一本槍のキャラが得るに違いない。

しかしまあ、毎度そればっかりだと皆も飽きてくる。
たまには色事師らしいロールプレイを心がけてみよう。

1.「蘭桂坊」で相手の趣味を調べてもらい、その趣味に応じたプレゼントを用意して口説き落とす
恋愛ルールでついつい忘れてしまいがちなのが「相手の喜びそうなプレゼントを渡す」ことにより難易度が下がるということ。
入念に下調べをした上で相手を落とす、という行動は色事師的で良いと思う。

2.恋愛以外のところで色事師らしさを見せつける
例えばゲームがはじまった瞬間 「く〜、太陽が黄色いわ」 「あー、腰痛…」などと口走り、「しけた顔してまんなあ、また振られたん?」と誰かれ構わず声をかけ、
恋愛の低い・低年齢のPCに「あんたもそろそろ女(男)の味を知っておいた方がいいよォ。この仕事終わったらイイ娘紹介するよ?」。
また情報ルールでは「手帳をめくりながらつぶやきます『誰に聞こうかなあ…アケミちゃん…マヤちゃん…』」とでも演技すれば。

なお、どうしても色事師を取りたい場合、非常に効果の高い方法がある。
それは同じチームの面子を篭絡することだ。
少なくとも篭絡された側は確実に色事師のカルマに投票してくれるだろう。
なおこの方法は、ゲームの終盤で行うことをおすすめする。その方が印象が強いからだ。

異能と代償

色事師の異能について。
まず言っておきたいのが、「恋愛の判定そのものに数値的な有利を与える異能がほとんど無い」ということ。
恋愛の判定が成功した結果、有利な影響を受けることの出来る異能ならあるのだが(<真実の恋><ヒモ>など)
恋愛はテクニックが決め手になるものではないということか。
なお、サタスペ番外地「ロケロラ」には「複数の相手に同時に恋愛のアプローチをしかけられる」というような異能があるらしい。だが、俺はロケロラを持っていない(泣)。入手したいのだが買い逃してしまった。情報を切に求む。

異能
<両刀使い>AC-DC
同性に対してペナルティなしで恋愛をしかけることが出来る。
何も言うことは無い。露骨に有利さを追及するならこれでしょう。

<真実の恋>True Romance
恋人に「◎×しなさい」と言われたら、それに関わる判定の難易度を-1することが出来る。さらに、その判定には他の能力値の代わりに「恋愛」の能力値を用いても構わない。
これは、色事担当ではないキャラがたまたまシナリオでロマンスを楽しみ、投票されてしまったという場合に取っておくと良いかも知れない。パーティ内に恋人がいたらさらに使えるだろう。
個人的には戦闘担当のPCに是非持っていただきたい。
そして恋人に「生き残りなさい」と命令していただきたい。
あるいは「戦って、死になさい」でも一向に構わない。

<ヒモ>Pimp
アプローチで成功度2以上の結果を得ると、相手の「生活」の能力値を判定に使用することが出来る。サイフの中身が減るのも相手。
これは超便利な異能だ。第一印象チェックで落とすことを考えると、成功度2以上で良いというのはかなり楽。
しかもサイフの中身が減るのは相手。
これでアイテムを手に入れて闇商人の異能「洗濯」で売り払うといくらでも金が手に入る極悪コンボの出来上がり。
敵になりそうな人物に使ってサイフを減らすという使い方もアリかも知れない。

<氷の微笑>Basic Instinct
対象の性業値を変化させることが出来る。
これは応用範囲が広い異能だ。戦闘中敵に使って、モラル判定失敗を狙うということも出来る。
また、アプローチをしかけてきそうな相手に使って、性業値を7に近づけておいて「甘い罠」を狙うという手管もアリ。
その場合、ラブニャンの異能<誘い受け>があるとやはり極悪。

<海千山千>Love Master
相手にアプローチを受けた際、自分の恋愛の能力値をペナルティとして難易度に足すことが出来る。
さらに「切り返し」の難易度から−1出来る。
これも、「あまり色事担当というわけではないがたまたま色事師のカルマを取ってしまった」というキャラが取っておくと良いだろう。防御手段として優れている(というか数少ない恋愛の防御手段の一つだ)
なお、ラブニャンの異能<誘い受け>を取得することにより、コンボが成立する。

<華>Red Hot
相手の恋愛の能力値が自分より高くても、判定を試みることが出来る。また、難易度が10を上回ることはなくなる。
正直微妙な異能だ。…が、精神点をつぎ込めば、10以上という出目は案外出るものだ。
「精神点をつぎ込むことにより、どんな異性でも落とせる可能性が出てくる」と考えると結構面白い異能かも知れない。
ただし、「甘い罠」にかかる危険性もそれだけ増す。注意だ。
…面白いけどね。

代償
性業判定で「律」が出ると防げる代償が多い。クールな奴ならそれほど怖くはあるまい。
総じて他カルマに比べてそんなに重いものは無いと言えるだろう。

<異性不信>Androphobia/Misogyny
異性相手の交渉やアプローチの成功度、−1。
有利さを追及するなら、軽い代償とはとても言えない。
だがカッコいい(笑)

<遊び人>Party Animal
好みの人間を見ると性業判定。律以外になったら、口説かずにはいられない。
これは…DDにとってはシナリオフックとして利用できそうな代償という気がする(笑)

<こだわり>Mannequin
一風変わったファッション。それを否定されるようなことを言われたら、性業判定。律以外になったら、そいつを殴らずにはいられない。まあ、重いといえば重い。だが、むしろキャラクターの個性を表せる代償という気がする。
アプローチに成功した相手に言われてしまい、そいつを殴ってしまうなどというシチュエーションは駄目っぽくて良いのではないかと。

なお、<こだわり:黒服>は、ギャンスタになる条件の一つ。

<昔の恋人>Love Phantom
ロマンスの機会のたびに昔の恋人が現れる可能性がある。
昔の恋人が現れてしまうと、アプローチは失敗する。
色事担当であれば外した方が良いだろう。
ただ泥棒の異能<掃除>で出現率を下げられるし、罪狩の追加武器「空飛ぶギロチン」で無効化出来る。

<有名人>Star
精神9の判定に成功しないと、どこにいっても一般人に付きまとわれる。
これは、使いようによってはかえって役に立つ代償かも知れない。
うまくすれば戦闘を避けることが出来るかも。

<愛の狩人>Love Hunter
いちゃいちゃしている二人を見ると性業判定。律以外になると仲を引き裂くべくアプローチをしかけてしまう。
危険だ。だがシナリオのフックとしても役に立ちそうだ。
管理が面倒でつい忘れてしまいがちな代償。
DD諸氏はこの代償の所持者をよく見張って欲しい(笑)

なお、ラブニャンになるために必要な条件の一つでもある。

※以上はWHITEOUTの独断と偏見による寸評です

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