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「Day Dreamプレイレポート」
1.Day Dreamについての調査をレポートする
2.我々のセッションに参加してくれそうな人物をスカウトする
2004年2月×日。
御徒町駅。
俺はBECKER’Sで晩飯を喰らいながら曹のプレイヤーを待っていた。
18時15分。遅い。…もう約束の時間を15分も過ぎている。
俺の友人達は待ち合わせを守らない奴らばっかり!
サタスペを好む奴は時間を守らないのか、時間を守らない奴はサタスペを好むのか。
まあ曹は「遅れる」って電話してくれただけマシだ(笑)
何本かシナリオネタはあるんだが、
プレイヤー人数が微妙に集まらない。
皆すっかりオトナになって、忙しくなってしまった。
それで今夜は御徒町にあるTRPGカフェ、DayDreamに行ってみようと思った…。
下見に行ったことはあるのだが、実際にプレイしたことはない。
そんなわけで以下の文章、ここをよく利用する人にとっては新鮮味も何もないかも知れない。
でも新鮮味なんか誰も求めてないだろうし、いいよね!
とりあえず一人で行くのイヤだから曹のプレイヤーを誘ってみた。
二つ返事で来てくれた。フットワークの軽いところは彼の美点だ。
実は今回、隠れた目的があった。
「我々のセッションに参加してくれそうな酔狂なプレイヤーをスカウトする」。
今、我々にはプレイヤー数が足りない…。気軽に参加してくれるプレイヤーが欲しい。
しかし<銭ゲバ><衒学者><弱肉強食><理由なき反抗><不敵>の代償を持つ俺にはなかなか難しいミッションだ。
曹のプレイヤーがいればややマシになるかも知れない。
愛想の良い、美人の萌え女性キャラ(ブリジットのプレイヤー)か、
これまた愛想の良い友人Tがいれば良かったのだが…!
店は御徒町駅から徒歩3分。秋葉原に立ち寄ったついでに来れるのは大きな長所だろう。
近いんだが看板らしいものが目立たず、なかなか分かりにくい。まあ秘密めいていて良いといえば良いんだが(笑)。
店内に入った。
なかなか清潔で居心地の良さそうな感じ。
卓はすでに一つ埋まっており、何かボードゲームのルール説明が始まっている。妙に朗々とした声だ。
見渡したところ客数は6,7人といったところか。
平日でも18時頃には1卓立つくらいの人数が揃うらしい。
(でも後で分かったが、スタッフが3人混ざってた)
店長さんに曹のプレイヤーを紹介し、サタスペをプレイしたい旨告げる。
「18時半からエンゼルギアの予約が入っているんですが、まだ誰もいらしてないんです。もし流れるようだったらサタスペ立てますよ」
とのこと。
もし事前にプレイしたいシステムが決まっているようであれば、あらかじめ予約を入れておいたほうが確実なようだ。
って知ってる人にとっては当たり前か。
15分後電話を入れると約束して、一旦外に出て待機。
曹:「あのボードゲームのルールを説明してる人はスゴイね。声に張りがある。演劇とかやってそう」
俺:「TRPGプレイヤーにはああいうタイプの人もいる。演劇はやってないと思うんだが、ルールを説明し慣れているんだろうな」
しばらくして電話を入れたところ、まだエンゼルギアの予約客が入っていないということ。
なのでエンゼルギアはお流れになり、サタスペの卓を店員さん(多分店長さん)が立ててくれることになった。
マスターが隣りの卓にいた女性を引っ張ってきてくれ、プレイヤー数は合計3人に。
20歳そこそこのなかなか可愛い女性だ。こんな可愛い女性がTRPGをやるようになったとは。良い時代になったものだなあと。思わず昔を回想。
「かなり人を選ぶゲームだから、パラパラとルールブックめくってもらって、合わなさそうだったら席立っちゃって」とマスターは女性に一言。
確かにその通りだ(笑)。
女性はルールブックを結構熱心に読んでいた。結局やることに決めたようだ。
キャラクターを作成したところ、以下のようになった。
曹のプレイヤー
ジャンゴ・メンドーサ。14歳のメキシコ人少年。大富豪のドラ息子。父に反発して家出し大阪で犯罪に手を染めるようになる。
俺
シティポン・ナラヤナン。35歳の売れない小説家。ベトナム人。戦争映画を観狂っているうちに脳内で「ベトナム帰り」という自分設定が。
あちこちでウソ戦争経験談を喋っているうちにどんな勘違いをされたのか各種犯罪組織から声がかかり、犯罪の道へ。
女性(あ!名前聞いてなかった)
松田雄二。18歳の日本人。エセホスト。夕飯のジャガイモを万引きしても誰にもバレなかったため、自分には犯罪の才能があるのかもと思い込んで犯罪者に。
そして3人が結成した亜侠団の名前は、「青空国際シアター」。
うーん、なんだか戦後の物資欠乏のなか人々に希望をもたせるべく映画制作に励む、というような・・・。
イイ話系の妄想が広がる。妄想は妄想でしかないが。
順番が前後するが、キャラを作成する前にマスターからのアナウンス。
「ディレクトリを使って情報を集めるルールと、ケチャップのルールは使いません」
「時間を非常に食うし、煩雑なので…」
「それで良ければ卓を立てさせて戴きます」
サタスペは世界観は非常に面白いと思ってるんですが、ルールはあんまり…。とのこと。
正直少し残念。俺はディレクトリの情報収集ルールにもケチャップルールにも価値を認めている。
だが、「郷に入れば郷に従え」というコトワザもある。
それに時間が重要であることも確かだ。
何しろここは1人30分200円(コースとか割引とかあるけどね)。それに閉店時間が22時30分なのだから。
とりあえず従うことにした次第。
以下、シナリオ概要。
■大阪で自堕落な生活をしていたジャンゴの元に、元軍人の祖父がやってくるらしい。
孫の自堕落な生活っぷりがバレたら、本国に強制的に連れ戻される羽目に陥るだろう。
なんとかごまかす必要がある。
■一方、事務所を訪れる二人連れのヤクザ。
「『一人キューバ危機』とも称される凄腕の荒事屋が来日。対抗組織に依頼されて組の持つ武器工場を破壊しに来る」。
その襲撃を未然に食い止める、と依頼を受けたのはいいが、
なんと問題の荒事屋はジャンゴの祖父と同一人物だった…!
ここまでが、導入。
■ジャンゴに大阪を案内させ、その隙に祖父を気絶させるなりして任務続行不可能な状態にすれば良かろう、ということになった。
■ジャンゴがツテをたどって映画会社に勤めるマダムに連絡をとる。
彼女はジャンゴにメロメロ(死語)。 二つ返事で副社長をクビにし、ジャンゴを後釜に据えることを了承した(ひでえ話)。
■偶然街中で祖父と出会うシティポンと松田。何とか言いくるめて大阪案内。日本酒の中にシビレ薬を仕込んだりといった工作をするも、効果無し。バケモノじみている。
この段階で22時くらいになり、だんだん時間が押してくる。
店内に蛍の光が流れはじめる。
■ジャンゴに会えないために苛立ちを隠せない祖父。どうやら彼を尻に敷いているらしい祖母から「すぐ帰って来い!」との連絡を受けたらしく、
ジャンゴへの小遣いだけを二人に託して帰路に着く。武器工場への襲撃は(一応)防がれたということで、約束どおりの報酬をヤクザから受け取ることが出来た。
では、マスタリングはどうだったか。
タイプとしては、典型的なアドリブマスターだと感じた。
良いとか悪いとかではなく、「特徴」ってことね。
シナリオを前もって組まず、キャラ作成状況を観察しつつネタになりそうな設定をピックアップして即興で作り上げる。
ルール運用はどちらかというと恣意的で、厳密さよりもその場のノリを重視。
場数は踏んでいると思う。
シナリオを即興で作り上げる。言うは易いがなかなかテクニックが要求されることだ。
彼の場合、不自然さを感じさせないためにいくつかの手法を用いているようだ。
■登場するだけで笑いの取れるNPCを一人以上出す。
映画会社のマダム、ジャンゴの祖父ともに言動がかなりスパイシーで、「笑える」。
まず笑いさえ取れば、プレイヤーがゲームを振り返ったときに抱く印象は決して悪くならないものだ。
そしてその後のシナリオ展開も好感をもって受け入れられ易い。
■登場人物や組織の名前だけは優先してとにかくきっちり決める。
ルールブックに載っている人名表などを応用しても良いのだが、リアルかそうでないかを区別する一番の基礎は「名前がちゃんと決まっているかどうか」だ。
ここを抑えていると、アドリブでも「アドリブ臭さ」が20パーセントくらいは軽減できる。
■一応全員のキャラクターが浮き彫りになりそうなところを用意する。
ジャンゴは恋愛で。シティポンは戦闘っぽいところで。松田は今ひとつ設定をマスターが生かし切れなかったようだが、二人のまとめ役としての立ち位置が何となくゲーム中に決まっていた。シティポンの場合戦闘そのものは起こらなかったのだが、「元軍人との会話」「ベトナム帰りだと勘違いしているヤクザに必要以上にもちあげられる」など美味しいシチュエーションを用意してくれた。
ただし、おやおやと思うところも少しあった。
一つはあんまりルールを把握していなさそうなところ。
ルールを知っていてあえてノリを重視するために破るのだったら良いと思うのだが、ところどころ旧版とごっちゃになっていたり、単純に誤解して覚えていたりする。
それから、存在感の強いNPCに頼りすぎているところ。
登場するだけで笑いの取れるNPCは良いのだが、何度も登場してその都度笑いを取るのはホント難しい。
時間が足りないためにゲームが尻切れトンボになってしまったというのも残念な点だが、
これは飛び込みで入った我々の方が悪いような(笑)。
強引さが感じられるが、まとめ方はそんなに悪くないと思う。
帰り間際、清算すると料金は1890円。
確か会員証に1000円割引、と書いてあったのでちょっと期待していたのだが、
特に何も言われなかった。
(家に帰ってもう一度よく見たら、1000円の割引券として使えるのは裏に全てスタンプが押された時だった。
有効期間が発行後半年。なので、大まかに言って一ヶ月に一度利用するなら使う機会があるかと思う)
当初の目的の一つが、一緒にサタスペを(店を離れた場所でも)やってくれそうな人をスカウトすること。
ただ、一緒にやっていた女性に声をかけるのは躊躇われた。
腕章を付けていたスタッフ実習生さんの御連れらしかったし、
店を出たあとも友人らしき人2名が一緒に着いてきたからだ。
オプションがいるとどうもやりにくい。
一応、その友人の人に声をかけてみた。
「サタスペは、やられたことあります?」
「実は、個人的にサークル作ってまして、一緒にやってくれる人を探そうと思って来たんですよ(笑)」
もっと巧い言葉のかけ方があれば良いのだが。
そもそも一緒に遊んだことがないのに声をかけるっていうのも我ながら怪しい。喋りながら落ち込んでくる。
彼は
「あー。サタスペですか。やったことはないんですけどね」
「ほら、すぐ大量殺戮に走ったりする人いるじゃないですか。俺、そういうの苦手で…」
今どきそんなプレイヤーがいるのだろうか。しかもこの人、サタスペをどんなゲームだと思っているのだろう…。
よく分からないが、警戒心だけは何となく伝わってきたので話を打ち切る。
なお、一緒にプレイした彼女の感想は「微妙に面白かった」。
悪役をコミカルにプレイする、というゲームスタイルは新鮮だったようだ。
普段遊んでいるのがD&Dとソードワールドということなので、まあ確かに新鮮だろうなと思う。
で、店を振り返って。
DayDreamのマスタリングは。
今のところの結論としては、相性次第。
全くのアドリブでプレイヤーに演技すべき見せ場を用意することの出来る力量とサービス精神は買う。
難点は、若干NPCの演技に力が入りすぎてテンポが鈍くなってしまったこと。
それからルールの把握がちょっとユル過ぎること。
ただ、人によってはNPCの演出だけで笑う。
また、ルール運用に関しては俺がある程度サタスペをやり込んでいたから余計にそう感じてしまったのかも知れない。
飛び入りという条件にしては善戦したんじゃないか、と好意的にとらえてあげたい。
なによりサービス精神の旺盛さは難点を補ってお釣りが来ると思う。
…なお、言うまでもないが、俺のこの感想は今日マスターをやって下さった店員さんに対してのものであって、
他の店員さんはまた別の個性をもっていると思う。
繰り返しになるが、これはあくまで「現時点での」印象だ。
飛び入りだけでは不公平なので、今度はちゃんと予約してもう一度行きたい。
それから、知らない人に対して誤解があるといけないから一応。
店員さんにマスターをやってもらうだけがDayDreamの使い方というわけではない。
勿論自分でマスターを行なうことも出来る。
その場合在店料金がかからないというのは非常に嬉しいサービスだと思う。
また、店のウェブサイトの掲示板には前もって立つ予定の卓が書かれていたりするようなので、確認の上行った方が良いだろう。
…個人的には煙草が吸えるといいんだが、まあ贅沢は言うまい(笑)
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