TRPGプレイレポート第三回
ミッション名

「サタスペ・ロックンロール レポート」

ミッション目的

1.サタスペ番外地「ガンマニ」の追加ルールを用いたセッションに関する調査

プレアクト。DayDreamへ。


久しくご無沙汰気味のTRPGカフェDayDreamにてガンマニを利用したオフィシャルイベントが行なわれるという情報をつかんだ。
DayDreamの掲示板をチェックするも、開始日一週間前になっても募集がない。
半ば忘れかけていたところだいすけさんから「募集されましたよ」との情報をいただく。ありがとうだいすけさん。
速水さん卓に登録。

2004年5月22日。
サイコロの振り過ぎで腱鞘炎になった。
痛い右手をかばいつつDayDreamへ。

こころなしか普段より熱気を孕んでいるかのような店内。

…しかしこの店、店員さんとお客さんの区別がつきにくい!
…まあ俺はすでに店員さんの顔を知っているからいいようなものの。

うっかり間違えてお客さんに声かけちゃったらどうしようと思って、気の弱い俺はなかなか飲み物とか注文できないのですよ。
まあ店員とお客さんの垣根が低いってことも言えるわけで、いいことかも知れないけどね。


朝佳さんは定刻通りに来るも、河嶋さんと速水さんはなかなかやってこない。
朝佳さんが他人とは思えない。俺の友人も遅刻魔ばかりだ。
彼らと河嶋さん、速水さんとの共通点は…?物思いにふけるが答えは出ない。でも誰も人生の答えは用意してくれない。自分で答えを出すしかない。



30分ほどオシでお二人到着。キャラメイクが始まる。
直接速水さんを拝見するのは、確か97年頃に行なわれた日吉でのセッション以来か。
当時はサタスペは若草色の同人誌だった。
その前は赤と黄色。当時の大阪では女子高生が重力を操ったり透明人間が隠れ住んだりしていた。
俺も歳を取ったものだ。

今回は「番外」。誰にも頼らず頼られず一人で行動する、亜侠としては珍しい営業スタイル。
ただしそれだけに他の犯罪者や盟約の構成員たちからは一目おかれる存在。
具体的には「リーダー」や「裏方」の異能の対象になれないという代償を持つ代わりに、
『伝説』と呼ばれる能力を使うことが出来る。

例えば「●●使い」という伝説。
●●のなかには特定の武器名が入る。「鞭使い」とか「デリンジャー使い」とか「割れたビール瓶使い」とかね。
その武器を使わせれば右に出るものはいない、と怖れられているわけだ。
その武器を使った攻撃を、1セッションに1〜2回(伝説のランクによって上下する)に限って難易度5に出来る。
フルオートが使える武器だったらかなり凶悪。


ただし、人の風評は移ろいやすいもの。
「●●使い」が「●●の達人」になれば良いのだが、「●●馬鹿」「●●ヲタク」になることも。
自分の伝説を保つためにはそれなりの結果を残す必要がある。


さて、いよいよレポートだが。

すでに他のプレイヤーさんが面白いレポートをアップしてくれているので、
そこを見てもらうのが一番良い。
とりあえずマイキャラの視点で書いてはみるが。

とまれ出来たキャラクターは以下のとおり。


「フルオートの」チュン

売れない芸能人。日本大好きなインドネシア人。でも使用武器は銃。M16を使わせると右に出るものはいないらしい。
生活の能力値が低いせいでM16持っていないのだが(笑)。
日本に対する認識は当然のように間違っている。

プレイヤーはだいすけさん。
『●●使い』で『荒事屋』。戦闘に特化。

「四百児の父」サンチョ菅原
傾国兵器。 どこからどうみても太ったヤクザだが、実は恋愛の達人。子供が四百人いると噂されている。
ということは情報収集で恋愛のハプニングを起こせばさらに増えるかもね!
プレイヤーさんは色白の女性(くらげさん)。あ・・・でもこの人浅草のゲームマーケットでも見たことある!
『傾国兵器』で『道化師』の恋愛亜侠。ある意味美味し過ぎる。

「二足歩行式自動機械」三島ミツヲ
ハードボイルドな格好に身を包んだ10歳の生活亜侠。ガキにしか見えないが実は精巧な自動人形だとの噂。
その身に隠された技術をめぐってスプートニクに狙われているらしい。
プレイヤーさんは何かルールに詳しそうなオーラを漂わせる古強者っぽい男性。
『人外』の『専門家』。精神点を払うことにより<事前の準備>が必ず成功するというコンボが、生かされるかどうか!?

「仏門の求道者」 フワナ・ロドリゲス
まぶしい頭にタトゥーを入れた尼さん。
虚無僧姿にクラリネットをたずさえ大阪の街を闊歩。
実は世界を救う運命を持った英雄らしい。ふむ。狂信者な人をプレイする意図があるのだろうか。
プレイヤーさんは若そうな男性。
『英雄』で『リーダー』。教養亜侠。番外どもはチームを組んでいるわけではないため、<協力>の異能の対象とならない。その不利を知り、あえて選ぶ。

そしてマイキャラは
「幕末帰り」加藤以蔵
どこか遠い目をした14歳の右翼。戦闘亜侠。時空の旅人。時空のひずみに飲み込まれて幕末へ行って帰ってきた過去を持つ。
幕末では暗殺稼業やら勝海舟のボディガードやら働いていたらしい。
「…小学生最後の夏休み。ボクは幕末に旅だった」
『帰還者』で『荒事屋』。戦闘メインだが犯罪もそこそこ。情報収集に期待がかかるが、戦闘以外に4以上の能力値が無いのが厳しい。


キャラメイクが終わった段階で15分ほどの小休憩。
速水さんが
「良かったら、キャラシーに絵描きましょうか?」
予想だにしなかった贈り物。否やはない。
結局休憩の時間を使って、5人全員の絵を描いてくれる。速水さんご自身はほぼ休憩をとらない。
この人はスゴくいい人なのかも知れないと薄々気付き始める。

メインアクト。実ゲーム。

サタスペ・ロックンロール「カエルは檻の中にいる」

コンビナートのボス、『女帝』 リュドミラが僕に用があるという。
釜ヶ崎のスポーツジム「パイカル」。
コンビナートの実質上の本部だ。

ジムのなかにはロシア人たちに混じって数人、特異な雰囲気を発散してる奴らがいる。
でっぷり太ったヤクザは四百人の女を孕ませたと噂される伝説の女殺し。
フジヤマな格好が全然似合ってない浅黒い肌の男はM16を持たせれば右に出るものはいないと言われる使い手。
どいつもこいつも犯罪世界では一目置かれている伝説持ちどもだ。

まあ、本当かどうかまでは知らない。
伝説というものは一人歩きする。
本物は少ない。驚くほど少ない。百人英雄がいれば、そのうち九十九人以上は偽物だ。いつの時代も同じ。僕のいた幕末の世だってそうだった。
今回の面子は僕を入れて五人。このなかに何人の本物がいることやら。

リュドミラは開口一番
「お前たちの伝説が必要だ」。

リュドミラの話を要約すると、こうだ。
「海上刑務所に収容されている、とある人物…フォックス・バットを探し出して欲しい」
「ただしその人物は容姿を変えてしまっており、『エターナル・チャンピオン』という二つ名だけしか知られていない」
「その人物の候補を3人にまで絞り込むことが出来た。3人とも自分の前に連れて来て欲しい」

報酬はアタッシュケース。さらに前金として札束。
引き受けねばなるまい。
報酬のことはどうでも良い。僕の伝説をリュドミラは認めたのだから、それに応えずば漢ではない。俺はリュドミラの意気に感じたのだッ報酬ではないッ断じてッ

パイカルから帰って、三日ぶりに銀シャリを炊いて食った。おいしかった。


SCENE1 刑務所の前

リュドミラの手引きで海上刑務所に侵入することになった我々。
まずは装備を整える。

チュンがM16を購入してくれるよう『二足自動歩行機械』三島ミツヲに要請する。
この男、貧乏なのでM16使いでありながらM16を持っていない。
んが、断られる(笑)。
刑務所のなかでも困難と言えど買い物は出来るので、もっと購入困難なものを買っておくべきだというのが三島の主張だ。
ただ、M16を持たないM16使いというのがサマにならないことは確か。
買ってあげても良かったんじゃないかとは思うが、それにつけても貧乏の辛さよ。
共感と同情を覚える。
だが、僕には幕末で何人もの人を斬った愛刀がある。…折れてるけど。
飛び道具などに頼ると、心が鈍る。武士は食わねど高楊枝。
己の魂である武具の購入を人に頼るなぞ言語道断よ。

…あ、三島さん。ドラッグ買っといてください。助かります。お願いします。

刑務所内でもっとも必要とされるもの・・・それは『甘い物』だ!
と読んで菓子など買っておこうとする。
きっと何かの役に立つだろう。
だが、どういうわけか行く先々の店が閉まっていたり乞食と間違えられて追い出されたりで買えずじまいであった。
…この時代の人々の心は病んでおる。
憂国の士よ、いつかこの世に再び維新の嵐を!



SCENE2 刑務所の中(前編


到着早々、いきなり懲罰監禁房に収監された。
新入りに対する見せしめか。
だが我が魂である刀を見逃したのは愚か。
房の鉄格子くらい斬るのはわけもないこと。

他の連中も各々苦労して脱出したようだ。
雑居房に紛れ込み、情報集めにかかる。

紆余曲折の末、3人の居場所が判明した・・・ッ。
ターゲットのうち、一人は女性。獄長のお気に入りということでVIP房にいる。
もう一人は男子房区画の独房にいるらしい。
最後の一人は懲罰監禁房におり、5日目の午前中に処刑されてしまう予定。

懲罰監禁房にもう一度戻るのは得策ではない。
処刑場に引き出されるときが唯一の好機。そのあと、ちょうど5日目に来ることになっているコンビナートのヘリで脱出することに話がまとまる。

VIP房にいる女にはチュンとフワナが会いに行くことになり、
男子独房にいる男には僕とサンチョが会いに行くことになった。

ちなみに三島はといえば、買い物だ。
ムショの生活環境が思った以上に劣悪で、皆ドラッグをだんだん求めるようになってきている。それで三島がドラッグを集めるべく動いているというわけだ。
チュンなどは、最初は「ダメ!絶対!」などと口にしていたが、今一番切実にドラッグを欲しがっている。
年端もいかぬ子供に頭を下げて薬をねだるダメな大人たち。無様この上なし。片腹痛し。腐った時代、腐った大人よ。

あ。三島さん。僕にもお願いします。 エクスタシーがいいです。



SCENE3 刑務所の中(中編)

僕が生涯の伴侶と出遭ったのは、男子独居房だった。

彼と見つめあったとき、僕の視界からは大サソリもヤクザな恋愛亜侠も消えてしまった。
美しすぎる。
僕は生涯彼を愛し、守り抜くだろう。

それなのに彼は・・・僕を振り向いてくれない。
彼が愛しているのはあろうことか、あのサンチョだ。
どこがいいのだ!あのヤクザの、女たらしの、どこがいいのだッ!!

僕が、あの男より劣っているというのかッ・・・!?
そんなハズはないッないハズだッ
こんなことを考えている間にも、二人は今頃…二人だけの時間を…。

僕があの男より優れていることを証明してやる。
これから医務室に行って、ドラッグを盗んで来ようと思う。
三島がドラッグを調達してくるものの、数が少なく全員に行き渡ってはいない。
ここでドラッグを入手すれば、僕の実力は証明される…される!
恋愛しか能のないあの男よりも、彼はきっと僕を見直すに違いない。
…。

…と、計画を実行する前には考えていた。
今僕は、雑居房にいる。
看守に見つかってしこたま殴られた。
医務室に入りさえすればうまく行ったハズだった。
たまたまだ。たまたま運が悪くて看守に見つかった。
何人もの看守に取り押さえられる僕の視界の隅に、音を立てて閉まる鉄の扉が見えた。

彼の心の扉も、閉まったままだ。

少しだけ、幕末に帰りたくなった。



SCENE4 刑務所の中(後編)

処刑されそうだった3人目のターゲットを確保。
処刑人の獲物は日本刀だった。
僕に斬り合いで挑むことの愚かさを、生まれてスミマセンという程思い知らせてやった。

フワナは銃を慣れた手付きでパンパン撃ちつつ、
外れた場合にのみ「人を殺すなどということは私には出来ません」とのたまっていた。
ヘリで脱出するとき、ロープに囚人の群れが追いすがってきた。
彼女は芥川龍之介の小説よろしくロープを切断。楽しそうだった。
この人は、こんな人だったんだなあ。

SCENE5 刑務所の後

リュドミラの前に3人を連れてきた。

「姿形が変わっても、私には分かる…その男こそがフォックスバット」
処刑から救い出された、3人目の男。
「フォックスバット…彼は私がかつてもっとも信頼を置いた男。そして私を裏切った男。私の目の前でこの男を殺せ!」

男は不敵に微笑む。
「伝説が一同に集まることなど、めったにあるものじゃあない。お前たちの伝説を見せてみろ!」
このセリフとともに、戦いは始まる。

僕の耳に、あの彼のセリフが飛び込んできた。
「お願い。ボクを守って!」
僕は喜びに打ち震えた。
そうか。やはり君は、僕を求めていたんだね。

フォックスバットが我々に手榴弾を投げるのと、
勝先生からいただいたおたから『雲南の山水画』のなかに彼を隠すのは同時だった。

その後の戦いのことは…くだくだしく述べる必要もない。
ただ、これだけは言える。誇りを持って…。
愛を手にした男は、決して負けない。

気がつくと、戦闘は終わっていた。
肩で息をする僕の手のなかに、雲南の山水画があって。
で、そのなかには彼がいる。
気がつくと、こういう状況になっていた。

皆の間に和やかなおつかれさまムードが漂っていた。
僕はそっと山水画をたもとに隠した。
多分少年が一人消えたところで、誰も気にしないと思う。

日本の夜明けは近い。



ポストアクト。結論。

帰り際に何人かの人々と知り合いになることが出来た。
こうやって仲間を増やすのはよいことだ・・・。

また、監獄舎の方から「カエルは檻のなかにいる」のシナリオをおみやげとして戴くことが出来た。
この場を借りて感謝いたします。

そしてだいすけさん夜乃海月さんのサイトで今回のセッションについて紹介されている模様。
そっちの方がはっきりいって詳しいです。

なお、海上刑務所を舞台にするのであれば
花輪和一の漫画作品『刑務所の中』 が参考になるかと。
銃器不法所持で投獄された北海道の漫画家、花輪和一の淡々とした獄の日常を描いた作品。参考にするなどということを考えずとも充分に面白い。
「ビューだよビューだよ」「天突き体操」といった言霊に癒されること請け合い!

余談だが、「ビューだよ」の語源は北海道方言で、元は「上出来だ」というような意味らしい。


海上刑務所の設定はこの作品の他に
『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』
『北斗の拳』カサンドラの牢獄あたりのシーン
を色濃く意識していると見る。
映像『監獄ロック』『女囚さそり』なども観ておいて損はあるまい。

ところで今思いついたことが、一つ。
誰かターゲット以外の囚人に恋してしまうのも楽しかったやも知れない。
それでヘリコプターの乗員数は限られていて、亜侠+3人までしか載れないとか。
恋におちた相手を脱出させてあげたいけど仕事の性質上無理。代わりに誰かが残るしかない、なんて。

亜侠の代償次第では非常に容易に展開できる罠ですよね(笑) 。
「愛の狩人」や「遊び人」の亜侠が甘い罠に落ちるのを狙うとか。

どうですか。 まあ、俺こんど自分がマスターやるときに試してみるかも知れませんが。


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