罪狩。
法で裁けぬ悪を裁く正義の執行人。
じゃあ、その正義って誰にとっての正義なんだ?
結局はただの自己満足じゃあないのか?
誰もが抱く疑問だ。
だが、実際その疑問は正鵠を得ている。これほどうさんくさい者もいない。
罪狩とは、一歩間違えれば「私憤を公憤に置き換える困ったちゃん」「自己正当化の鎧をまとった殺人鬼」なのだ。
いや、もう一歩間違えているのかも知れないが。
まずは、そのうさんくささを描き出している作品・罪狩シナリオのネタになりそうな作品を紹介。
罪狩な漫画・TEXT
「ジャッジ」…漫画。細野不二彦。平凡なダメサラリーマンの主人公は、実は法で裁けぬ悪を裁く「闇の司法官」だった。「闇の司法官」に対抗する「闇の弁護士」の存在など、シナリオの参考になるならない以前に結構面白い。なお、罪狩専用アイテム「闇の六法」の元ネタはこの漫画のなかにある。
「職業・殺し屋」…漫画。西川秀明。ネットの逆オークションで金をもらって殺しを請け負う主人公。「主人公、女性と仲良くなる→その女性が悪人に脅かされる→悪人を殺す」という筋に要約できる。
完璧なまでに。しかし主人公は正義とはあまり縁が無く、ただ殺人欲求を満足させたいだけのキジルシ。どこまでもB級な作品だが、シナリオの参考にはなる。
「アクメツ」…漫画。脚本・田畑由秋、作画・余湖裕輝。少年チャンピオンで連載中。「死なない」「同時に複数の場所に存在出来る」というキチガイじみた特殊能力を持つ主人公が汚職政治家や官僚達に天誅を加えて行く。主人公がなんのためにそんなことをしているのかが見えて来ず、実は個人的にあまり好きではない。だがオリジナリティ溢れる話であることには違いない。
「ブラックエンジェルス」…漫画。平松伸二。20年前の漫画だ。多少古さは否めないが面白い。名前(黒い天使)に象徴されるように後ろ暗い罪狩の道を描いて熱い。途中で物凄い路線転換が入る。それもまた良し…か。
「吸血殲鬼ヴェドゴニア」…PCゲーム。ニトロプラス。唐突に思われるかも知れない。
しかし「吸血鬼を、自らも半分吸血鬼であるハンターが狩る」という設定は、そのまま裏社会の人間と罪狩達の関係との相似形となるのではないか?
なんとなれば罪狩達だって半分以上裏社会に足を突っ込んでいることには変わりないのだから。
案外こういうところからこそシナリオのネタを豊富に拾ってこれるような気がする。
罪狩らしく振舞うための私見。
1.「表社会ではダメ人間」
「ジャッジ」にしろ「職業・殺し屋」にしろ、ほぼ例外なく彼らは表社会ではうだつのあがらないダメ人間である。
その方が表と裏とのギャップがあって面白い、という理由も勿論ある。
しかし、実は結構この事実は彼らを根底で支配しているところだと思う。
「正義」は彼らのルサンチマン。
極端に言えば、彼らは表社会でうまく行かないからその不満を裏で発散しているだけのボンクラかも知れないのだ。
そのことをどのくらい自覚しているかを決めること。それが「罪狩」を演じるための鍵になると思う。
2.「ダークな部分がある」
武器や外見、言動、なんでも良い。
正義のヒーローを気取りながら、どこかに一点ヒーローにふさわしくない部分がある。
それは図らずも彼らの闇の部分が形をとってしまったものかも知れない。
例えば正義の味方なのに、武器がチェーンソーだったら。 武器が「死者召喚術」(「趣味的武器:トンデモか宗教かサビシガリヤ」でカバーできるだろう)だったら。
彼は正義の味方ではなく、もはや罪狩だ。
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罪狩の異能について。
ブースターカルマ全体に言えることだが、強力極まりない。
罪狩の場合、戦闘に特化した凶悪な異能が目白押しである。
異能
<鉄腕>Iron-Arm
相手を弾き飛ばすという効果は正直微妙。サタスペにおいて距離の概念を取り入れた戦闘はよほどのマスターでないと行われないと思う。行なわれたとしても銃が有利になる分ますますこの異能の出番は減る。障害物越しに攻撃を行なえるという点は買いかも知れない。
<死神の雨>True Romance
出た。超凶悪異能。フルオートが当たりやすくなる。やられた相手が泣くこと請け合い。
<鎮魂歌>Requiem
チームの仲間か恋人が死ぬか気絶すると全ての判定の難易度が−1。
一見条件が厳しすぎるが、戦闘においても恋愛においても情報収集においても、難易度そのものを下げる効果を持つ異能はほとんど存在しない。仲間を殺してでも取るべきか。
しかし、これは累積するのだろうか?文章を読むと累積しないとは書いていないが。
<断罪>Penance Steer
相手に罪を想起させ、ストレスを与える。代償の数が関係するので、相手が強い奴であればあるほどに効果がある。有名人キラー。
難易度が高いのが欠点。そして相手がキジルシで「血の饗宴」を持っていればほとんど効果が無いと言って良い。
<業怒>Rage
セッション中、チームの仲間がファンブルを出すたびに精神点を回復する機会がある。
回復効率は疑いなく「血の饗宴」の方が高い。同じキジルシの異能なのに。報われない…。
そしてなんだかキジルシっぽく見える。
<半神>Semidevine
戦闘力の配分を変えることが出来る。
一見地味に使えそうだが、タイミングが「支援」なのが痛い。
なお、この異能に関してはオフィシャルからエラッタが出ている。
使用に際しては精神で難易度9の判定を行なうこと。
代償
<孤独>Alone
睡眠は自分の住処で独りで行なわないと精神点が回復しない。
罪狩の異能のなかでは比較的軽い方かも知れないが、
警戒すべきシチュエーションとして
「幼い少女が敵の組織に狙われているらしく、護衛をしないといけない」
というような状況だったらかなり大変。
まあ、夜の護衛は仲間に任せればいいんだけどね。
<仮借なき正義>Paladin
戦闘以外の環境値で情報収集の判定を行なうことが出来ない。
これは厳しい。戦闘の情報収集ルールは大変にリスキーで、イベント表がもはやハプニング表とそう変わらない。
戦闘以外の能力が軒並み低いというキャラ以外にはおすすめしない。
また、プレイヤー数が少ない場合にも取るのは控えるべき。
<覆面>Mask
戦隊や罪狩の異能を使うと服装が「超級英雄」に。
ルール的な不利は薄いのだが、そういうキャラでない場合には結構イヤだ。
気にしない人は取っても良いと思うが…。
<私刑執行人>Shadow Hork
誰かの肉体点を0にしたとき、それを見ていた自分以外の者は全員ストレスを1受ける。
取ったら他の人に嫌がられそうだが、比較的軽い代償。
要はとどめをささなければ良いのだ。
<世界の敵>Public Enemy
各エリアの場所の特殊ルールを使用しにくくなる。
これからサプリメントなどで場所の特殊ルールが増えていくことが予想される。
結構重い代償と言えるだろう。場所の特殊ルールが使えないとゲームの楽しさそのものを損なってしまうし。
<因縁>Cause and Effect
肉体点を0にした相手が、甦って宿敵となるかも知れない。
これはそんなに重い代償ではない。
むしろストーリーのフックとして使われるタイプの代償と言えるのではないか。
※以上はWHITEOUTの独断と偏見による寸評です
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