漢方,中国医学とは
西洋医学の発達によって人間の寿命は大幅に延び,日本人の平均寿命が90才に到達する日が遠からずやってきます.これには,栄養事情が良くなったことや,抗生物質などによって,戦前のように若い人が結核などの感染症によって命を落とすというようなことがなくなったことが大きな原因です.また,病院での検査によって病気の解明が行われ,安心して生活できるようになりました.
では,西洋医学のみに頼っていれば良いかというと,西洋医学にもいろいろな問題点があります.検査により異常が見つからなければ治療できず,病気の前段階という状態は見落とされがちです.また,抗生物質の使いすぎによる耐性菌の出現,腸内細菌を全部殺してしまうことによる身体全体のバランスの崩れ,副腎皮質ホルモンの頻繁な使用による副作用など多くの例があります.
漢方や中国医学は,3000年以上の歴史がある医学で,検査に頼るのではなく,望診,聞診,問診,切診という方法で診断し,症状を推察します.患者と医療者の間に心のつながりを大切にします.西洋医学のように,病気を器官や組織,細胞の病変にあると考えるのではなく,身体に備わっている自然治癒力と身体を侵そうとする力との対決が病気であり,自然治癒力と体質の関係を重視し,病人の体質,身体全体のバランスをふまえて治療を行います.
中国医学では,病気が発症する前の未病(半健康状態)の段階からの治療を重視し,免疫力と自然治癒力を高めることで,予防治療を行い,快適な生活の維持を助けます.