制作者:国本静三

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2007年7月記


        
DVD WPBS-90229

「バッハ:カンタータ集 全6曲」
トン・コープマン指揮・鍵盤楽器演奏
アムステルダム・バロック管弦楽団・合唱団

1.カンタータ「神の時こそいと良き時BWV106」(哀悼行事)
2.カンタータ「深き淵より、われ汝に呼ばわる、主よBWV131」
3.カンタータ「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見の声BWV140」
4.カンタータ「心と口と行いと生きざまをもてBWV147」
5.コーヒー・カンタータ「おしゃべりはやめて、お静かにBWV211」
6.カンタータ「われは喜びて十字架を負わんBWV56」

収録:1997年、発売:2007/6/27




バッハのカンタータ


 カンタータの対語はソナタ、前者は声楽曲、後者は器楽曲というような広いコンセプトでバロック時代(1600-1750)に発展していった。同時期に誕生したオペラレチタティーヴォアリア書法は、カンタータでも大活躍する。

 さて、ルター派が生まれた北ドイツでその礼拝式と月に1度ほど行われるというミサに出たことがある。とにかく驚いたことは教会音楽にたいへん重点が置かれている点である。カトリックも同様であるが、それぞれの教会が立派な訓練された合唱団とオルガニストを抱えている。その指揮者やオルガニストなどには生活を支えるだけの給金も支給される。もちろんこれらは国家試験を受けての取得される資格でもあり、大変厳しい能力が要求されている。ご存じの通り、ドイツの教会はカトリックとルター派に二分され、教会税が定められている。牧師も司祭も国家公務員のように給料も教会税を課する国家から支払われる。そうした総合的な経済的安定が教会と教会音楽を支えている。

 J.S.バッハ(1685-1750)の時代も教会は市の公共機関の一つとして運営されていた。その礼拝音楽の中心はカンタータで、主日毎にバッハはカンタータを作っていった。233曲ものカンタータが残された所以でもある。その日に朗読される聖書が中心的テーマになる。バッハのカンタータの特徴はレチタティーヴォとアリア、重唱そしてコラール、つまり当時歌われていた聖歌を配置した。信徒一同がここで唱和した。これはバッハ編曲による合唱となっていて合唱団が混声4部を受け持ち、会衆はその旋律を歌った。

 そうしたカンタータ6曲収められたDVDをご紹介します。オランダ人指揮者トン・コープマンとアムステルダムのピリオド楽器による管弦楽、合唱団は、ドイツの演奏とは異なる味わいを持っている。オランダの演奏は、淡々としていて生き生きとしている。そのリズムと音は小気味がよいが、脱脂牛乳のような味わいは否めない。それでも今まさに日本でも盛んなオランダ式によるピリオド楽器による演奏の中では秀悦といえるかもしれない。日本人もオランダで古楽を研鑽する人が増えているからである。


参考:
バロックの概念バロックの音楽像バッハの生涯と功績バッハとヘンデルの年譜 

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